2018年の感動
皆様のご意見・ご感想と演奏会評(2)

10月18日(木)《東京:サントリーホール》

プログラムB

ショパン
ノクターン 嬰ハ短調 op.27-1
ノクターン 変ニ長調 op.27-2
マズルカ ロ長調 op.56-1
マズルカ ハ長調 op.56-2
マズルカ ハ短調 op.56-3
ノクターン へ短調 op.55-1
ノクターン 変ホ長調 op.55-2
子守歌 変ニ長調 op.57

ドビュッシー
前奏曲集第1巻
1. デルフィの舞姫たち 2. 帆 3. 野を渡る風 4. 音と香りは夕べの大気の中に漂う 5. アナカプリの丘 6. 雪の上の足あと
7. 西風の見たもの 8. 亜麻色の髪の乙女 9. とだえたセレナード 10. 沈める寺 11. パックの踊り 12. ミンストレル


〈アンコール〉
ドビュッシー:前奏曲集第2巻第12曲「花火」

延期のお知らせが・・・ 
《えちゅーど》さん
すみこさん、皆さま、お久しぶりです。

私のwebサイトはほぼ休止しているので、今も皆さまがご覧になっているこちらへお邪魔します。

※SNSやメール等できっとご存知かと思いますが、念のため書きます※
明日11日(木)の公演は21日(日)に延期。
18日と21日の曲目が、11日のものに変更だそうです。
 http://www.kajimotomusic.com/jp/news/k=3034/ 残念ですが、しっかりと手の快復をしていただきたいですね!

10/10(水) 19:52

Re:延期のお知らせが・・・  
《すみこ》
えちゅーどさま、お久しぶりです。貴重なお知らせを、ありがとうございました。

私は今日は朝から出かけていて、つい先ほどメールや掲示板やカジモトのページを拝見しました。ショックで、ちょっと混乱してしまいました。

11日(木)のリサイタルは21日(日)に延期。
18日(木)はショパンとドビュッシーのプログラム(21日と同じ)に変更、ということですね。

明日のリサイタル延期は本当に残念ですし、プログラム変更もマエストロにはお辛い決断だったことでしょう。

マエストロからのメッセージも、カジモトのサイトに載っていますね。

http://www.kajimotomusic.com/jp/news/k=3035/

マエストロの1日も早いご快復を、心から祈っています。

10/10(水) 23:34 

「これから」と  
《つよし》さん
体調を非常に心配しつつホールに向かったら、前半ショパンプログラムのソナタ第3番がノクターン・マズルカに曲目変更。やはり相当調子が悪いのだろうと思い込んだためか、秋のしみじみとした音楽(もちろん素晴らしい演奏なのですが)のように聴こえ休息時間はぼんやり自席ですごすことに。後半のドビュッシーは!!!(ボキャブラリー不足で・・・すみこ様お願いいたします)。アンコールは、そこまで無理をなされなくともいう「花火」。さぞお疲れと思う気持ちはあるもののどうしても大きな拍手をしてしまい・・・「いままで」ではなく「これから」だと思い知らされたポリーニでした。
10/18(木) 23:13 

プログラム変更とアンコール  
《すみこ》
リサイタル2日目は、リハーサル後にマエストロのご希望で急遽前半の曲が再変更となりました。

ショパン:2つのノクターン op.27、3つのマズルカ op.56、2つのノクターン op.55、子守歌

ポリーニの愛奏曲をしみじみと聴いた感のある、美しい演奏のショパン。
そして後半はポリーニのすごさを改めて感じさせられた(!!!ですね^^)、ドビュッシー「前奏曲集第1巻」。
アンコールはドビュッシー:「花火」(前奏曲集第2巻より)。
見事な演奏で締めくくられたリサイタルでした。

10/19(金) 13:27 



モーストリー・クラシック 2019年1月号
 
(コピーがきれいに録れませんでした。すみません。)

(同誌に、次の記事も載っていました。東条碩夫氏の音楽鑑賞日記です。)
音楽評論家・東条碩夫の 音楽巡礼記
2018年10月

18日(木)
 マウリツィオ・ポリーニのリサイタル。腕の故障とかで「ハンマークラヴィーア」が中止になったのは痛恨の極みだったが、まあ予想されたことでもあった。代わりにドビュッシーの「前奏曲集第1巻」や「花火」で神秘的な鮮やかさを聴かせてくれたことで満足(サントリーホール)。



音楽現代 2018年12月号

(画像をお送りいただきました。ありがとうございました!)



音楽の友 2018年12月号

※見開き2ページですが、前ページは「プログラムA(7日)」のページに載せます。
(写真が大変不鮮明で、申し訳ありません。文字が読めないので、下に書き写しました。)


音楽の友 2018年12月号 特別記事

取材・文=道下京子氏
写真=堀田力丸氏

精彩に富んだドビュッシー
(10月18日・サントリーホール)

 当初発表されていたプログラムは、シェーンベルクとベートーヴェンの作品によるプログラムであったが、11日に予定されていたプログラム(ショパン「ピアノ・ソナタ第3番」&「夜想曲」とドビュッシー)に変更され、さらに当日になって前半がショパン「ピアノ・ソナタ第3番」から、「ノクターン」作品27と「マズルカ」作品56、そして《子守歌》へと差し替えられた。
 前半はすべてショパンによるプログラム。前半を通してややミスが目立ち、ベストなコンディションではないように見受けられた。
 まずは「ノクターン」作品27。2曲の対比を明確に表わしていたのが印象的である。ほの暗い情熱をじっくりと味わい尽くすような作品27-1、そして作品27-2では柔和な淡い混濁を醸し出し、アルペジオによる流麗さとその勢いを活かした自然なテンポを醸し出す。
 「マズルカ」作品56の3曲を、ポリーニは旋律線を語るようにかみしめて演奏した。その一方で、バスの動きが不鮮明な場面もみられた。確かに、エネルギッシュで弾むような躍動ではないにしろ、ポリーニの身体の芯から響き渡ってくるようなマズルカのリズムの感覚は、聴衆にも伝わったのではなかろうか。
 7日にも演奏された「ノクターン」作品55ののち、《子守歌》。眩いばかりの輝きを放つ高音域の美しい音を、丁寧に生み出していた。
 ポリーニによるドビュッシー「前奏曲第1巻」を全曲ライヴで聴くのは、筆者は初めてであった。前半のショパンよりも、音の精度も高く、精彩に富んだ演奏であった。音の高低、質感、デュナーミクなどの対比が実に効果的で、音と音との距離感の精密さ、何よりも強音であってもその響きを美しく、ポリーニの音世界に惹き込まれてゆく。〈帆(ヴェール)〉の全音音階などの音色の濃度の絶妙さ、〈音と香りは夕暮れの大気に漂う〉でも、豊かなグラデーションを創出。〈雪の上の足あと〉における静けさの中に描かれる音の波紋は、心地良い緊張感をもたらす。透明感あふれる音と緻密な音楽づくり、風のそよぎを思わせる空気の動き、そして重なり合う和音のなかから聴こえてくる、揺らぐような響きに魅力を感じた。
 舞台袖に下がるとき、右手を振りながら歩いていた。腕の疲れであろうか。アンコールはドビュッシー「前奏曲集第2巻」から〈花火〉。

キャリアの到達点

 この来日に先立って、9月28日には北京公演も予定されていたが、キャンセルされたという。近年、テクニックの衰えが感じられるポリーニであるが、年齢を重ねれば身体的能力の衰えは誰にでもある。「腕の疲れ」を公表し、それでも3回の公演を果たしたポリーニを見ていると、「弾きたい」という強い意思のようなものを感じる。
 音楽の構築は揺るぎなく、音と音との連関や細部にわたるまで行き届いたその明晰な音楽は、彼の長い演奏活動の賜物であろう。きわめて理知的であるが、その演奏は決して冷たい感性ではない。客観的なアプローチがあればこそ、ショパンやシューマンの音楽に佇むロマンティシズムの真の姿を浮き彫りにすることができる。
 かつての完全無欠な精巧さとは異なり、柔らかな抒情性と人肌のぬくもりを感じさせる演奏であり、彼のピアニストとしてのキャリアの到達点の一つを示しているように思えた。

 


※「日記帳」に私の感想を載せました。2018年秋『花火のあと』



Bravo e Grazie! Maestro!! 2018年の感動

東京公演(プログラムA)

東京公演(プログラムB’)

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