2018年の感動
皆様のご意見・ご感想と演奏会評(1)

10月7日(日)《東京:サントリーホール》

プログラムA

シューマン
アラベスク op.18
アレグロ ロ短調 op.8
ピアノ・ソナタ第3番 へ短調 op.14
(管弦楽のない協奏曲)

ショパン
ノクターン へ短調 op.55-1
ノクターン 変ホ長調 op.55-2
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58

〈アンコール〉
ショパン:スケルツォ第3番、子守歌

おもわず涙が・・・ 
《つよし》さん
すみこ様より先に投稿するのはいささか気が引けましたが、今日の演奏が私には心に響きすぎ泣いてしまったことを誰かと共有したく。
照明が明るくなったあとの子守歌は驚きとともに忘れがたき余韻を与え、最初の出会いから45年の歳月を一挙に振り返るに充分でした。
これからの2回も一音一音大切に心に刻んでいきます。
10/7(日) 23:25

Re:おもわず涙が・・・ 
《すみこ》
つよし様、ご投稿、ありがとうございます!
一夜明けて今、奇跡のような夕べだったと、想いを新たにしています。
アンコールの「スケルツォ第3番」。素晴らしかったけれど、これで今日はお仕舞・・・熱演後のお疲れが出ている様子のマエストロに、惜しみなく拍手を送り続けたかったです。
でも、照明が点いた後に「子守歌」! 本当に優しい、美しい演奏でしたね。
ホール中のマエストロへの感謝・賞賛の気持ちを、しっかりと受け止めて頂いたと、信じています。

体調を心配された今回の来日ですが、あと2回のリサイタルも、きっと充実したものとなるでしょう。一音一音、本当に“心に刻んで”聴いていきたいですね。!

10/8(月) 12:31



日本経済新聞 2018年10月30日(夕刊)
 
(コピーがきれいに録れませんでした。すみません。)

音楽の友 2018年12月号

※見開き2ページですが、次ページは「プログラムB(18日)」のページに載せます。
(写真が大変不鮮明で、申し訳ありません。文字が読めないので、下に書き写しました。)


音楽の友 2018年12月号 特別記事

取材・文=道下京子氏
写真=堀田力丸氏

ポリーニ、2年ぶりの来日
−−東京で3公演を行う

マウリツィオ・ポリーニが2年ぶりの来日を果たした。1942年1月生まれの彼は、
現在76歳。東京・サントリーホールで3回(10月7日、18日、21日)の公演を行った。

幾度となく演奏した作品で構成

 今回の3回公演のうち、筆者が聴いたのは10月7日と18日である。当初は10月7日、11日、18日の予定で、それぞれのプログラムは基本的に別個の内容で、どれも重量級であった。しかし、11日の公演が21日に振り替えられ、プログラムも変更された。今回も、これまで幾度となく舞台で演奏した作品を取り上げた。

気迫に満ちたショパンとシューマン(10月7日・サントリーホール)

 プログラムは、前半にシューマン、後半にショパンの作品による構成である。シューマンからは、ピアノ曲のなかでも比較的初期に書かれた作品を選曲。シューマンの感情の細やかな襞は複雑に絡み合う音の声となり、内面から迸る彼の燃え立つようなパッションを、ポリーニは落ち着いた語り口でつづった。
 冒頭は《アラベスク》。音の輪郭をすっきりと描き出し、「なぜに」と投げかけるかのようなホ短調の部分では、揺さぶるように語ってゆく。続く「アレグロ」も、かつてのポリーニの演奏よりもテンポはいくぶん遅い。左手の奏する音域にいささか綻びがみられる場面もあったものの、確固としたソナタのスタイルを備えたこの作品を堂々と弾き切った。客観的なまなざしを通して、湧き上がるようなロマンティシズムを見事に汲み取り、その透き通るような音の響きにより、若きシューマンの内面感情を披歴。ポリーニの深い思考を垣間見た思いがした。
 そしてシューマン「ピアノ・ソナタ第3番」は、3楽章版で演奏。前の2曲よりも安定感があり、この音楽のもつオーケストラ的な壮大さを打ち出した。毅然としたその演奏に、感動を覚えた聴衆も少なくなかったであろう。
 後半のショパンは、「夜想曲」作品55の2曲。作品55-1では、ゆったりとしたシンプルな左手の歩みの上で、うっすらと憂いをにじませて、旋律線を奏でてゆく。感傷に耽るのではなく、包容力を感じさせる。作品55-2は、時おり指の動きが不安定ではあったものの、音の一つひとつを彫り込んでゆくようにつづり上げ、その澄みきった音がホールに浸透してゆく様は非常に美しい。
 そしてプログラムの最後はショパン「ピアノ・ソナタ第3番」。第1楽章では提示部のリピートを行う。柔らかな響きに包まれた第2楽章。中間部では内声部を際立たせ、立体的な響きを創出した。第2楽章の最後の音と、第3楽章の第1音のエンハーモニーの関係を活かし、そのまま第3楽章に入る。一貫したしなやかな流れは、フィナーレへと続く。かつてよりもやや緩やかなテンポであるが、力強いタッチや気迫に満ちた演奏に、昔と変わらないポリーニの姿を見た思いがする。
 アンコールはショパン「スケルツォ第3番」、そして《子守歌》。鳴りやまない拍手とともに、聴衆とポリーニとの一体感が強く感じられたリサイタルであった。

 


※「日記帳」に私の感想を載せました。2018年秋『夢のような・・・ 』



Bravo e Grazie! Maestro!! 2018年の感動

東京公演(プログラムB)

東京公演(プログラムB’)

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