2005年の感動
皆様のご意見・ご感想(4)

オール・ショパン・プログラム

11月12日(土) 《大阪:ザ・シンフォニーホール》

3つの夜想曲 op.15
バラード第3番 変イ長調 op.47
2つの夜想曲 op.48
スケルツォ第1番 ロ短調 op.20
2つの夜想曲 op.55
2つの夜想曲 op.62
ポロネーズ第5番 嬰へ短調 op.44
ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53「英雄」
*
アンコール:前奏曲「雨だれ」、バラード第1番、練習曲「革命」、練習曲op.10-4

11月12日 
《おじさん》さん
私がザ・シンフォニーホールでポリーニを聴くのは、1991年以来の事なので、とても楽しみにしていました。
 サントリーホールでは、ポリーニの意向で、60人分ぐらいの座席が舞台上に用意されますが、12日はそんな席も無く、考えてみれば、これが普通なのですが、ポリーニのソロをこの状態で聴くのはとても久しぶりです。
 曲目は9日とまったく同じなので、最初のop15−1の第1音に注目しました。9日の第1音がとても良かったからです。
 携帯で書くのはとても大変なので、続きは、家に帰ってからまた書き込みます
11/13(日) 00:44

大阪にて 
《すみこ》
昨夜も素晴らしいリサイタルでした。アンコールは東京と同じ4曲。携帯から取り急ぎご報告。
11/13(日) 08:02

うらやましい・・。 
《ともママ》さん
すみこ様、おじさん様、大阪までいらしたのですね!なんとうらやましい!!
お二人とも、長い間のたくさんの素晴らしいリサイタルの思い出に、また新たに大阪シンフォニーホールでの夕べも加わったのですね。

私はポリーニ・ファン歴が短いので、正規版のCDはすべて、その他のCDもいくつか所有して(こちらの情報のお陰さま・・)毎日のように楽しんではいるものの、ライブの経験はまだ6回・・。
80年代の初めは英国に留学していてヨーロッパ中も結構回ったし、帰国後もずっと東京に住んでいるので、演奏会に行くチャンスはいっぱいあったのに・・と、ポリーニの存在をよく知らなかったことが残念でなりません。
フェランド様の「聴き逃した公演を悔やむよりも・・・素晴らしいコンサートに立ち会えた幸運を噛みしめたい。」という謙虚な姿勢を見習いたいと反省しつつ、「私だって一番下の子(まだ小3・・)が手を離れたら、絶対どこまでも‘追っかけ’しちゃうわっ!」と心に誓っています。
どうかマエストロがいつまでもお元気でご活躍になり、たびたび来日して下さいますように・・。

すみこ様、おじさん様、大阪まで行けなかった私たちのために、12日のリサイタルの模様を詳しく教えて下さいませね!

11/13(日) 12:32

浪花のポリーニ・奥方・ファブリーニ 
《博多の人》さん
私の独断と偏見ですが、コントラストを意識したショパンの(アンコールまで含めた)プログラム構成だったように思われます。ノクターンOp15-1は俗に「花-嵐-花」と言われるそうですが、その弱(緩)-強(急)-弱(緩)がモチーフのように見え、前半最後のスケルツオOp20での逆転した形【強(急)-弱(緩)-強(急)】と対比されて、それらの間に性格の異なるOp47とOp48が置かれ、またOp48-1も弱-強-弱のようですね。後半では、市販プログラムの説明から借用しますと、Op55の即興性とOp62の深い叙情性の対比、それに続くOp44のポロネーズの強(急)-弱(緩)-強(急)、これはスケルツオOp20と似ているようですね。最後に英雄ポロネーズでショパンの男性的な力強さを表出し、最初のノクターンOp15-1の花における女性的な感性と対比させているように思われました。アンコール最初の「雨だれ」の弱-強-弱はOp15-1の構成に似ているようで、ノクターンが持つ歌謡性に満ちたバラード第1番、ノクターンの静けさや叙情性を補完するかのように弾かれた革命とOp10-4のエチュードの爆発、とアンコールも考えられたプログラムのように思われました。かなりの観客が立ち上がり更なるアンコールを求めていましたが、ポリーニはお疲れの様子。でも、ポリーニも人が悪いですよね。ノクターンOp9-2のような静かな曲でアンコールを終えてくれれば良かったのに、観客をますます興奮させるばかりで。何よりも素敵だったのは、ポリーニの笑顔でした。後半からは、奥方とファブリーニさんが1階後部でご覧になっていました。
11/13(日) 12:33

ポリーニは母親似? 
《博多の人》さん
昨日、大阪の会場で、ポリーニプロジェクト2002 in東京のパンフレットを購入しました。今、パラパラとめくっていましたら、たくさんの写真が掲載されていて、小さい頃の写真を見ると、ポリーニは母親似ですね。青年ポリーニのハンサムなこと! マリリーサ夫人も魅力的! 父上ジーノ・ポリーニの写真も初めて見ました。
11/13(日) 13:01

大阪でのリサイタル 
《めめ》さん
昨日シンフォニーホールに行ってきました。
なかなか素晴らしいコンサートでした。中程度より強く弾いたときにやや音が濁っているような感じもしましたが、2階席のせいでしょうか?でもノクターンの弱音はとても美しくよかったです。ただ個人的にはスケルツォ第1番やアンコールでのバラード第1番が特に印象に残りました。
 特にバラードは、最近ブレーキなしで突っ走る演奏が多かったことに何故?という疑問を感じていた私にとっては、久しぶりにじっくりと間をとって、曲全体のバランスがとれた演奏を聴いたように思います。
 ここ数年のポリーニは音の美しさや表現力は豊かになったものの、全体を通しての音の強弱やテンポの設定など、構成にやや「?」と思うところもありました。
昔は曲全体を見据えて、それぞれのパートの強弱やテンポなどが完璧に構成されていて、それがまさにポリーニの音楽性だと思っていたわけですが、それが失われたように感じていました。
しかしこのようにも弾けるということは、最近の演奏には何らかの意図があるということなのでしょうか?私はピアノを弾かないので難しいことはわかりませんし、またポリーニのような偉大なピアニストの意図はなおさらわからないと思います。きっとそのように弾く理由が何かあるのだとは思いますが、素人の感覚的にはある意味で昔(1980年代ぐらい)のほうがよいとも感じられる部分もあります。
 脱線しますが、たとえ私がピアノを弾けて、この音符をこのように弾いているということがわかったとしても、それは音楽の理解ではなく技術を理解しているにすぎないと思います。グルメを称し料理にやたらと詳しくても味に鈍感な人もいれば、ピアノが弾けても音楽性に乏しい人もいます。ピアノを弾くのは技術であり習えば誰にでも弾けるわけで、そのことと音楽を理解するというのは全く別のものであるはずです。そういう意味では世の中の専門家・評論家と称する人達がこれがよいといったからと言って、それが正しいということは全くないわけで、いろいろと分析してあれこれいうこと自体がナンセンスと言えるかもしれません。また世の中には、これが絶対正しい、音楽を真に理解しているのは自分だけだ、などのように音楽を批評する方もいますが、極論すればそうした音楽に関する批評はあくまで個人的なものにすぎないとも言えるわけで、もう少し音楽に対して謙虚であるべきだと思ったりもします。
 もちろん技術的な面を理解することで、ピアニストの演奏の意図、それぞれの音にこめられた意味をより深く理解できるようになるということはあると思います。そういう意味では私もピアノが弾けたらいいなあと思うこともよくあります。ただ結局音楽の良し悪しというのは極めて個人的なものではないでしょうか。なぜなら数学のように正しい答えがなく、その個人の思いを否定することなど誰にもできず、同時に自分の意見が絶対正しいということを証明することもできないわけですから。従ってより多くの個人がよいと思った音楽が、よい音楽になるとも言えます。一部の「偉い」先生方が決めるのではなく多数の大衆の支持によって。
 それはともかく、昨日のリサイタルについて皆さんはどのようにお感じになったのでしょうか?いろいろ感想を聞いてみたいです。
11/13(日) 13:26

めめ様、はじめまして 
《甘えん坊》さん
すみこ様、おじさん様、大阪のリサイタルにも行かれたんですね、とてもうらやましいです。わたしも行きたいのはヤマヤマですが、週末は主人とのゴルフスコールが控えてますので皆さまのご感想を読ませていただきながら、コンサートの様子を想像たくましくしようと思いました。

早速ですが、めめ様のご意見を読ませていただき、本当にそのとおりだと思います。わたしもそのことは普段、ポリーニについての様々な論評などに触れるたびに、歯痒く感じていました。
わたしは、ピアノを弾くんです。でも大学は英文学科を卒業してますのでいわゆるアマチュアです。わたしも6日、9日とペダルのことについていろいろと私見を書きましたので、少々、あれれ、言われちゃったなぁ。。。ちょっとツライ。。。とは思いましたが、わたしのはあくまで私見であり、論評ではないし批判でもないです。
でも、芸術家の音楽を理解するとき、全く私見を踏まえずに理解するのは不可能じゃないでしょうか。ポリーニにはポリーニの世界があります。でも、聴き手はポリーニではありません。一個人として一個人の世界の中で各々の価値観があります。それを振り払ってポリーニの芸術を理解し尽くすのはどだいムリでしょう。人格も違います。
だから、様々な論評などが出てくるわけで、わたしもいろいろ批判的なものや決め付け的なものなどを目にすると、腹立たしくもなります。でも、見方を変えればそういう見方も出来る、と言えますよね。それは、当たっていても間違っていても、ポリーニに関して、欠点?というものなのではないでしょうか。人間、完璧な人はいません。ポリーニにだって欠点はあるはずですし、ご自身もわかっているかも知れません。
世の中、いろいろな人々がいます。だから、価値観、考え方もたくさんあります。だから、ポリーニに対しての様々な論評はあってもいいのではないでしょうか?。
ファンとしては、こうだ、こうだ、ばかり言って、知りもしないくせに、わかりもしないくせに、本人じゃないんだから。。。云々、って思うのは至極当然です。でも、肯定的意見ばかり受け入れていたのでは何の進歩にもならないです。
ファンだってポリーニを本当に理解していると言えるでしょうか?。わかっているのは本人だけです。ポリーニ本人が著作でもされたり、ご自分の芸術について述べられたりされなければ真実を知ることは不可能だと思います。
わたしはいろいろな意見があることにとても面白く感じています。賛同ばかりでは、捉え方が一方通行的になってしまうので一種、面白みがありません。考え方も偏ってしまうと思うのです。
そういう意味で、わたしは個々の意見はあってしかるべきじゃないかなぁ、そう思うのです。もちろん、論評もです。その論評がどう決め付けていようと、それはそれでヨシとしています。ただ、わたしはスルーするだけです。でも、こういう見方もできる、それをポリーニの芸術を理解しようとする手段の一助にはします。

11/13(日) 17:07

大阪公演 
《ショパン》さん
ポリーニのチケットが発売された時にも投稿させて頂いたショパンです。生まれて初めてポリーニの生を聴きました。(大阪近辺在住のため、東京へはなかなか行けなくて…)今回、1F中央よりやや後部、ファブリーニさんとポリーニ夫人の少し後ろというベストの席が取れ、ポリーニの演奏を堪能して来ました。客席も、補助席、立ち見共に満席でしたね。中には、往年のファンも多く見受けられました。感想を述べますと、まず作品15のノクターン。最初の入りが綺麗でした。しかし、少しずつ弾き進むにつれて左右のバランスが悪く、左がうるさいって思う箇所もいくつかありました。(もしかすると、意図的にやっているかもしれませんが…)それと、ピアノの音質自体が少しおかしく感じました。次はバラード第3番。最初の入りで思わぬミスも生じましたが、ポリーニが唸って弾く所やF-durに転調する所の右手の美しさなど、巨匠の風格を感じさせる所もありました。でも、後半に行くにつれて、音楽的でなくなり、荒削りな所もあるし、音もイマイチ伸びない、最後のアルペジオは危ないなど、残念な箇所がたくさんありました。次のノクターンでは取り戻し、美しく素晴らしい演奏が繰り広げられ、ようやくポリーニの本領発揮かと思いました。そして、前半最後はスケルツォ第1番。最初の一音で会場が轟くのではと期待したのですが、ベシャっと押し付けた感じになり、全くこもってしまいました。それにペダルが多すぎです。中間部も注目していましたが、気持ちが強くなるにつれて??拍感がおかしくなる…何で3拍目をあんなに急ぐのかが分かりません。ということで、前半は少し期待はずれという感じでした。後半に期待……後半の1曲目、ノクターン作品55−1は素晴らしかったです。単純な旋律の扱い方が上手い。ポリーニはこのような曲が向いているのでしょうか??続く第2番は最初、豪快な入りでちょっとえっ!!と思ってしまいました。(これも、ポリーニの深い読みによるものかもしれませんが…)それと左手の滑らかさ、内声の処理が不完全な所がある様に感じました。作品62の2曲は流石。ポリーニとショパンの晩年の深い精神性がマッチしたような演奏でした。もっと歌って欲しいと言えなくもないですが、これはこれで良いものだと思います。かなり精神的な演奏でした。最後のポロネーズの2曲は相変わらずペダルが多すぎる様にも感じましたが、熱さを感じさせる力のこもったものでした。アンコールでは、特にエチュードの2曲が迫力満点で素晴らしかったです。昔の全曲録音の完璧さに加えて、荒々しさや熱のこもった演奏でした。最後のスタンディングオーベーションではポリーニ夫人やファブリーニさんも立って拍手を送られていたのを見て、暖かい気持ちになりました。全体を聴いて音について思ったことですが、重音の時より単旋律の方が響きがよく、通って来ると思いました。本音を言えば、もっと音が澄み渡る様で、音楽的な演奏を期待していたのですが、ポリーニ自身、ツアーの最終日ということもあってお疲れだったのでしょう。。それなのに、アンコールにこれだけ応えるサービス精神も素晴らしいですね。ペダルについても、リハーサルの時と比べて、満員の状態のホールでは、響きがかなり減ったと思ってあれだけ多用したのかもしれません。又、初めてピアノ演奏の頂点ともいえる、彼の演奏に生で接することができたのは、忘れがたい経験になると思います。わざわざ大阪まできて演奏をしてくれたマエストロに感謝!!
11/13(日) 23:05

どのように聞こえるのでしょうか? 
《博多の人》さん
ポリーニの演奏に関する皆様の様々なご意見を楽しく拝見させていただいています。ここは是非、おじさんにご登場願って、ホールでのピアノと聞き手の耳の位置関係による聞こえ方の違い、生の音と録音された音との違いなどについてご意見をお聞かせ下さいますと、たいへん有り難いです。レコードやCDで馴染んでいた美しくシャープで少し固めの音と違い、ポリーニの生の音は芯がありながら柔らかくて幅もあるのに心から安心しました。左ペダルによる弱音の音色変化の素晴らしさ、右ペダルによる霧がかかった雰囲気、日本の演歌歌手を思わせるようなリズムのためによる個性的な小節のきかせ方(若い時ほどではありませんが)など、多くの聴衆を惹き付ける諸要素をポリーニは持っています。また大阪公演のショパンを聞きながら、Op15-3のノクターンはエリック・サテイーの響きを先取りしているかなと勝手に妄想したり、アンコールまで含めると長調が8曲で短調が9曲とバランスのとれた構成に感心したり、でも博多までは来てくれないだろうなと諦めの境地にもなりました。
11/14(月) 19:14

続11月12日 
《おじさん》さん
 事情が有って車で大阪を往復しました。距離にして往復1300キロを超える事になり、帰ってから自分で驚いたぐらいです。高速代はETCなので、請求を見るのが怖いです…

   ポリーニを聴いた後、大阪に泊まり、13日(日)に帰ったのですが、すみこさんは京都ですか! 私は法隆寺に行きました。夢殿の救世観音は秘仏なのですが、偶然公開中で、私は生まれて初めて見る事が出来ました。ついでにと言っては何ですが、隣の中宮寺弥勒菩薩も見れてとても嬉しい気持ちになりました。でも、帰りはやっぱり大変で、東名の渋滞などがあり、11時間ほど運転して、家に着いたのはすでに月曜になってしまった夜中1時半… 朝起きてそのまま会社に行き、先ほどようやく家に戻り落ち着いた所です。

 さて、12日のザ・シンフォニーホール。携帯で書き込んだ通り、私はop15−1の第1音に注目していました。9日のサントリーで聴いた音より明るい音で、やはり今日は素晴らしい日になると予感させてくれる音でした。しかし、その音は、ファブリーニ・スタインウェイの音ではありませんでした。すみこさんの書き込みにある通り、実際はファブリーニ・スタインウェイだったのですが、その音は、6日のファブリーニ・スタインウェイでは無かったベートーヴェンの音とそっくりでした。

 12日のザ・シンフォニーホールのファブリーニ・スタインウェイはドルチェが抜けている音でした。

 今年の来日では、意識して右側の席を買いました。3日は東京オペラシティの前から2列目20番ぐらい。6日はサントリーのRBブロック。9日はサントリーのRCブロックです。その中で、3日と9日がファブリーニ・スタインウェイで、もう最初の1音を聴いただけでドルチェの音がしていたのでとてもワクワクしました。ファブリーニはイタリアのぺザーロの生まれ。ポリーニとは1960年代から40年以上のお付き合いです。ファブリーニは、ミケランジェリの調律も担当していて、ミケランジェリが来日して昭和女子大で弾いた時もファブリーニ・スタインウェイを使用していました。イタリアの名調律師と言えば、もう一人タローネが居ますが、あいにく、ファブリーニとタローネの関係やファブリーニの年齢は私にはわかりませんが、ファブリーニには日本人のお弟子さんもいらっしゃいます。ファブリーニは、自分でピアノ工房を持っていて、気に入ったスタインウェイを専用に保管する所があるそうです。ファブリーニは毎日そのピアノを手入れしているそうで、特にペダルのダンパーの調整に気をつけるという話を聞いた事があります。ポリーニが来日する時は、その中から一番良い状態のスタインウェイを選んで持ってくるので、毎回、サインの位置が違っていたりします。今回の、鍵盤右側の下にサインが有るピアノは、確か、1991年の時と同じピアノのような気がしますが、これは製造番号とか確認しないと無理なので憶測でしたありません。よくポリーニは、イタリアから専属の調律師を連れて来るという言い方をしますが、さらにその上を行っていて、信頼している調律師が選ぶスタインウェイも一緒に来るというスゴイ事になっているのです。さらにスゴイのは、ポリーニがファブリーニ・スタインウェイを弾くとは限らないという事で、今年も6日のベートーヴェンはホールのピアノを使ったみたいですし、2001年来日時は、休憩時にピアノを入れ替えた事もあります。

 そんなファブリーニ・スタインウェイなのに、12日はドルチェが抜けていました。しかし、悪い意味では無く、とても明るい音で、サントリーで聴いた音と同じピアノとはとても思えませんでした。さすがのファブリーニも、2台持って来るとは考えにくいので、おそらくサントリーの時と同じピアノでしょう。しかし、印象は随分違いました。

 先ほど書いた通り、今年のポリーニの来日では意識して右側の席を買ったので音を比べる事ができます。ザ・シンフォニーホールでは、サントリーで言えばRBブロックぐらいの位置ですが、サントリーより近くピアノの音を感じる事が出来ました。問題のop15−1の最初の音は、とても良く響いていましたが、ショパンさんの言う通り、左手が大きく感じられる所や、めめ様の言う通り、やや強い所で音が混ざりすぎてしまう感じもありましたが、ピアノのバランスは、サントリーの時より右手重視の感じで、右手がとても良く聞こえました。スケルツォ後半の高音部がちょっと異質な響きだったので調律が狂ってしまったなと思いましたが、やはり休憩中にファブリーニが出て来て調律しました。9日の時はそんな事がなかったので、ちょっとピンの留めが甘かったのかもしれません。

 12日はアンコールの4曲がすべてでしょう。メインの曲、とくにバラード第3番は、サントリー以上に気合の入った演奏で、op15の3曲のノクターンの締めの演奏の様に感じられましたが、アンコール4曲は、メイン全部を締めくくるに相応しい演奏でした。雨だれはどこまでも愛らしく、バラード1番は、後半の左手のアルペジオでこけましたが私をウルウルさせるには充分だったし、革命とop10−4のエチュードは、ピアノから情熱がほとばしる演奏でした。

 すみこさんと一緒に私もお見送りをしました。私も頭しか見えませんでしたが、その後に出て来たファブリーニさんに、サントリーの時言えなかった言葉をちゃんと伝えました。「あなたのピアノはとても幸せでしたね! 来年またお会いしましょう。どうもありがとう」。ファブリーニさんはグラッチェグラッチェととても嬉しそうでした… 握手したファブリーニさんの手は、とても暖かくやわらかでした。

11/14(月) 23:33

有り難うございます 
《博多の人》さん
大阪公演につきまして、すみこさん、おじさん、めめ様、ショパンさんによる貴重なご意見を拝聴させていただきまして、あらためてポリーニの偉大さに感じ入りました。まことに有り難うございます。私は、演奏の大きな流れしか分からないため、響きの微妙なニュアンスに関する皆様の様々なご感想は、とても勉強になります。おじさんが各ホールでほぼ同様の席から聴かれて述べられたコメントからは、ピアノの状態、演奏者の状態およびホールの状態などがピアノの音質に影響を及ぼすことが感じ取れました。貴重なご意見、有り難うございました。皆様が来年もポリーニの東京公演をお聴きになれるとは、まことに羨ましい限りです。
11/15(火) 08:17

私も・・ありがとうございます  
《ともママ》さん
すみこ様、おじさん様、お帰りなさいませ。
特に車で往復なさったおじさん様、さぞやお疲れのことと拝察いたします。(USJが出来たとき我が家も大阪に車で行ったのですが、助手席にいても疲労困憊したのを覚えております・・。) お仕事もお忙しいことと存じますが、どうかお身体おいとい下さいますように・・。
大阪公演についてのお二人の詳しいご報告、そして他のみなさまのご感想など、あれやこれやと想像し、思い描きながら楽しく、興味深く読ませていただきました。ありがとうございました。すみこ様が「ベスト!」と思われたアンコールのバラード1番、ぜひぜひ聴きたかったものです!
それにしても臨時の助手席(?)とか、立見席とか・・、さすが大阪、商魂たくましいですね。

東京のショパン・プロが先週の水曜でしたから、明日で1週間になるのですね。 3人の子供たちそれぞれのの保護者面談や、学芸会などもあり、否応なく日常生活に引き戻されながらも、ちょっと時間があると夢の世界に舞い戻り、あの感動の余韻に浸っております。
年末年始の北海道スキーの話で盛り上がっている主人と子供たちの横で、「私の今年の最大のイベントはもう終わっちゃった・・。」と一人ひそかにため息をついてしまう私・・。
昨日はジャパンアーツから楽しみにしていたキーシンやツィメルマンの会員先行予約申込書が送られてきましたが、何故かあまりときめきません・・。
マエストロはもう日本をお発ちになってしまったのでしょうか・・。
今朝、「さみしくて、この寒さがよけい身にしみるわ。」と言うと、「片想いのセンチなおばさん!」と娘に笑われてしまいました。

11/14(月) 19:14

(無題)  
《FP》さん
大阪公演素晴らしかったです。
立ち見、補助席…これらをたくましい大阪の商魂と感じられるのは、文化的に恵まれた東京におられる方の感覚です。
ポリーニが大阪に来てくれるのは10年ぶりだし、今後二度とないかもしれないし、どうしても聴きたい!という人が沢山いて、なるべく多くの人に聴かせて上げたいという配慮から出たものでもあるでしょう。たしかに音楽会といえど営業ですから、商魂がないわけじゃないでしょうが、そんな風に言われると、せっかく感動した音楽会なのに…と思います。
滅多に聴けないポリーニ、聴衆の集中力は東京公演よりありました。皆本当に聴きたかったのです。
11/16(水) 08:34

FP様 
《すみこ》
FP様、大阪公演、本当に素晴らしかったですね。そして大阪のファンの方の熱意、集中力も素晴らしかったです。始まってすぐ、シーンと静まり返ったホールの空気を思い出します。初めからほぼ満席になり、遅れてくる人も無いので、ノクターン3曲にすぐ続けてバラード3番を弾いたことも、集中力の高まったポリーニの意思が生かされたのでは、と思いました。時節柄、咳はしょうがないけれど、比較的少なかったと思いますし、拍手喝采・ブラヴォーも、熱く激しくて、ポリーニもきっと嬉しく思われたことでしょう。また大阪公演が行なわれると良いですね。
立見席については、私自身チケットが取れなかった時、床に座ってでも聴きたい!と思ったので(ヨーロッパではそんな光景もあるようです)、聴衆の希望に応えてなされたものと思いました。東京のホールでは「消防法」とかの関係上、出来ないのだそうです。臨時席はサントリーホールでも、時々出現するようです。
11/16(水) 13:26

お詫び 
《ともママ》さん
FP様、昨日の私の書き込みでご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。
確かに、臨時補助席や立見席は、ポリーニの演奏をどうしても聴きたいという多くの人たちの熱い願いに応えてのことだったと思います。
私も、もし座席のチケットが手に入らなかったら、パイプ椅子でも、立ち見でもいいから会場に入れてもらいたい!と思うでしょう。
うちは主人が大阪が大好きで、2年に1度くらい行きます。この前の春休みも家族でなんばグランド花月に行きました(ミーハーですみません・・)。この時は、周りの通路、中の階段通路、すべて人がいっぱいでビックリ、お手洗いに行くのもひと苦労という感じでした。
春休みの日曜日、しかもお笑いブーム中とあって、これも多くの入場希望者の要望に応えてのことだったのでしょうが、すし詰めの会場を見た桂三枝が、大阪の(・・というより吉本興業の?)商魂をネタにおもしろい即興の落語をして大いに盛り上がりました。
グランド花月とシンフォニーホール、お笑いとピアノのリサイタル・・、全く異質な空間なのに、そのときのノリ(失礼・・)であのような書き込みをしてしまいました。
ご気分を害された方には、心よりお詫び申し上げます。
12日は、補助席や立ち見の方の人数だけ、通常の定員より多くの人たちがポリーニの演奏を楽しむことができて本当によかったと思っております。
東京では消防法で不可能とのことですが(たしかに大地震や火災が起こったら・・と考えると仕方がないかもしれません・・)、売り切れのはずなのに空いたままの貴重な席の無駄はどうにかならないものかしら・・?と思ってしまいます。
仕事や交通渋滞などで遅刻する場合の連絡先をチケットに表示して、連絡がない席については、せめて第2部からでもキャンセル待ちの人を入れるとか・・・。やはり当日の会場では主催者もホールの関係者もお忙しくて無理なのでしょう・・ね。
11/16(水) 15:46

大阪公演その2 
《ショパン》さん
補助席や立見席についてですが、シンフォニーホールの場合、通常の席が完売したら、補助席、立ち見も順に発売していくそうです。ここ数年、有名な演奏家がこのホールに来た時は、大体欠かさず行っておりますが、補助席や立ち見が出たのは2000年のブーニンによるショパンチクルス以来だと思います。さすが、10年ぶりのポリーニによる大阪公演は集客力もすごかったですね。最近の大阪でのコンサートは東京に比べて、集客力が弱いと嘆かれておりますが、今回のポリーニは異例のことだったと思います。
11/16(水) 17:47

大阪のホール 
《関西人》さん
シンフォニーホールは1704席、サントリーホールは2006席、東京に比べ関西の音楽市場は小さいのですが、やはり300席の差は大きいと思います。仮に1席あたり1万円にしても300万円も収益が違うのですから。
大物アーティストの大阪公演が必ずしも東京のように毎年行われない最大の原因は市場の大きさと、その街の一番手ホールの収容人数の少なさによるものではないかと思います。
今回は補助席、立ち席が出たようですが、記憶が正しければ一番下のカテゴリーの座席と代金が同じでした。やはりこれは「商魂たくましい」といわざるを得ないと思います。夜行バスも補助席利用なら割り引く時代です。せめて補助席や立ち席は学生向けとして安く売ってもよかったと思います。
とはいえ、大阪公演自体は非常にありがたいものであったと思います。恐らくポリーニクラスの大物であればわざわざ大阪に来なくても、横浜あたりで公演をしても十分に客席が埋まるでしょう。それにその方が移動の手間もかかりません。しかし、あえて大阪に来ていただいたことに関しては非常に感謝しております。
11/16(水) 23:13

ポリーニのノクターン他、昔と今 
《博多の人》さん
昨夜、EMI録音盤(1968年?)を聞きました(Op15の1と2、Op27の1と2、バラード第1番、ピアノ協奏曲第1番)。ノクターンやバラードはDG盤の方が表現の幅があって巨匠の演奏です。でも、37年前の演奏には自然なアゴーギクがあって、フレーズとフレーズの間に半呼吸〜1/4呼吸の絶妙な間が入ったり、4連音符の各音の長さを微妙に違えたり5連音符を2と3に分けたりして、リズムの流れと歌の流れを絶妙に呼応させ、日本の演歌歌手のように、歌とリズムは切り離せない関係にあることに気づかせてくれ、たいへん心惹かれる雰囲気があります。12日大阪公演のバラード第1番の最後の部分、上行スケールの頂点における5音符位について歌舞伎役者のように大見得を切ったのには、心底しびれました。あれこそ、ポリーニですね。
11/17(木) 08:32

ポリーニ大阪公演 
《Musikissimo》さん
こんばんは、はじめまして。

私は、今回の大阪公演で生まれて初めてポリーニの生音を聴きました。本当に素晴らしい音でした。こんなに素晴らしい体験は今までになかったし、もう当分できないと思われます。ポリーニ最高!

ところで、そんなに凄い調律師がいるなんて知りませんでした。休憩時間に調律師の方が調律していたのは覚えているのですが、あまり気にしませんでした。もっとよく見ておけばよかった…。

ポリーニを聴いたから、次はアルゲリッチを聴くぞ! 一度聴いたことがあるのですが、ほとんど忘れてしまったもので…。

11/21(月) 19:38

Bravo e Grazie! Maestro!! 2005年の感動

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