時々の雑記帳

音楽のこと、ポリーニのこと、日々の雑感を、
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このほかの日記帳はこちらを、すぐ前のものは「夏」7〜9月を、後のものは「冬」1〜3月ご覧ください。

(10月〜12月)

木々の葉も秋の装い
秋らしい晴天の日が続いています。木々は次第に色づきを増して、落ち着いた優しい表情を見せています。そう、ブラームスの晩年の小曲のように、懐かしさが胸に広がるような。
今年は夏の猛暑からすぐに初冬並みの寒さが訪れ、長雨も続きました。秋を飛ばして冬が来るのかしら、日本の四季は何処へ・・・?と思わされましたが、ここ数日は穏やかな秋の日を楽しめるようになりました。と言っても、不要不急の外出はせず、3密を避け、Go to ○○なども無縁に暮らしていますが。音楽、読書、散歩を楽しみ、幼児の声や小鳥の囀りを愛で、空の青さや木々の色づきに季節を感じる、ゆったりした時間・・・平々凡々な暮らしにもささやかな楽しみは見いだせる・・・とは、ここ数カ月で身についた知恵?それとも諦観?かしらね。
北国や高い山からはもう雪の便り、木枯らし一番のニュースも聞こえてきます。今年の冬は厳しい寒さになりそう。インフルエンザとコロナの競合(?)はどうなるのか・・・収束の兆しを見せないコロナ、為す術もなく為すべきことも不明な為政者、不安な時はまだまだ続きそうです。

一方ヨーロッパでは第2波が急速に拡大しているようです。スペイン、フランスでは爆発的に感染が増え、夜間外出禁止や、飲食店の営業禁止が強化されました。イタリアでも夜間外出禁止に続き、首相令で10月26日から11月24日、全ての劇場、映画館等が閉鎖となりました。

10月30日、ポリーニのミラノでの演奏会も、残念なことに中止となりました。
今年で29回を数える音楽祭で、ポリーニのリサイタルは「ルチアーナ・ペスタロッツァとクラウディオ・アバドの思い出に」とされていました。
ミラノ・ムジカはアバドのお姉さんのペスタロッツァ女史が創設した20世紀〜現代の音楽のための協会で、1990年のブーレーズ特集を皮切りに、1992年から毎年フェスティヴァルを開催してきました。ドナトーニ、ヴァレーズ、ベリオ、クルターク、ノーノ、リゲティ、クセナキス、ケージ、フェルトマン、マデルナ、シャリーノなど、現代音楽の作曲家たちの作品が、時には作曲家本人も出演して演奏されました。ポリーニのプロジェクトを通して知った多くの演奏家達や、指揮者ではブーレーズをはじめ、ムーティ、シャイーらも参加しています。2009年は武満徹の特集で、日本からも吉野直子、今井信子、本名徹次氏らが出演しました。
ポリーニの初出演は2002年9月で、サラ・ヴェルディにて今回と同じノーノ作品とシェーンベルク、ウェーベルン、ドビュッシー「前奏曲集第2巻」が演奏されました。2006年にはスカラ座でベリオ、シェーンベルク作品とベートーヴェン「ハンマークラヴィーア」が、2009年にもスカラ座でブーレーズとの共演でバルトーク「ピアノ協奏曲第2番」を演奏しています。
シェーンベルク以降の現代の音楽の歩み、古典からの音楽の道程、変遷、連繋を示す重要性と、同時代の新たな作品を披露することの必要性を、自らの演奏活動の基礎に据えるポリーニにとって、親しい同志のような、大切な組織なのでしょう。
なお、今回のプログラムにはシェーンベルクの「3つのピアノ曲op.11」が追加されていました。

さて、これまでの演奏会についても記しておきたいと思います。
9月27日ミラノ、スカラ座にて2月から延期された演奏会が無事に行われました。3分の1の客席ながら、大きな拍手が送られていたようです。
ここではシェーンベルクの「6つの小ピアノ曲op.19」が追加されました。

国境を越えてのドイツ、フランクフルトでも、10月5日の演奏会が無事、成功裡に行われました。ブラームスの間奏曲からショパンのスケルツォ3番まで、1時間半、休憩なしで行われたようです。

20日フェッラーラでもディスタンスをとった客席から大きな拍手を受け、マエストロからも聴衆と主催者に対して感謝の言葉を述べられたと、ある記事にありました。
この演奏会は2020/2021シーズンの幕開けでしたが、この後の演奏会は中止または延期となってしまいました。
ここでもプログラムの追加があり、ブラームス「3つの間奏曲op.117」で始まり、シェーンベルクの「6つのピアノ小品op.19」も演奏されたそうです。

フェッラーラ・ムジカはアバドの尽力で1989年に創設された協会で、ヨーロッパ室内管弦楽団がレジデンス・オーケストラとなり、その後マーラー室内管弦楽団に引継がれ(2007年からは両楽団で)、現在はEUユース管弦楽団が務めています。いずれもアバドが創設と育成に深くかかわったオーケストラです。ポリーニも今回のリサイタルを「アバドの名のもとに」としていました。
ポリーニの登場は2012年9月以来で、5月に起こった大地震からの復興のために催された演奏会でした。アバド、ルツェルン祝祭管弦楽団との共演でモーツァルト「ピアノ協奏曲第17番」が演奏されました。

この秋のマエストロの活動は、厳しい環境にも拘らず着実に行われているようです。音楽の響きを絶やさず、音楽を通じて心に安らぎと豊かさを、またパワーをも送ってくれるようで、ポリーニの音楽への信念と社会への深い思いに満ちた活動と感じられます。
心身共にお元気なことが窺われて、嬉しいのですが、やはり「余りお出かけにならないで下さい!」とも言いたくなりますね。

11月22日はスイス・ルガーノでの演奏会、ムーティ、ケルビーニ・ユース管との共演ですが、イタリア⇔スイスは、大丈夫なのかしら?

11月30日のローマの演奏会は、中止令が終わってからですが、どうなるのでしょう・・・? 春から2回延期された2020/2019シーズンの演奏会です、なんとか無事に行われますように!
というのも(?)2020/2021シーズンの日程が判り、来年2月22日にもこのホールでリサイタルが予定されているのです。その頃、より良い社会の状況になっているようにと願うばかりです。

このスケジュールやプログラムの追加などを記して、“2020/2021 Season”をUpしました。
ヨーロッパ各地から始まり、アメリカ・ツァーも予定されている新シーズン。
コロナが収まり、安全に活動できる、平穏な世界に、一日も早く戻ることを心から祈っています。

2020年10月29日 12:50

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