時々の雑記帳

この週末にかけては台風の影響で気温もやや下がるようですが、大型で強い台風となれば、大雨や強風の被害が心配です。すでに西日本では厳重な警戒のようですが、通過する地方や周辺の方は、お気をつけてお過ごしください。

今年は（も？）地球的に異常気象、北半球の多くの地域で記録的に暑い夏のようです。山火事、旱魃、川や湖水が干上がり、停電も・・・。
早くも６月にはヨーロッパも猛暑だったようですが、月半ばにウィーン、月末にはミュンヘンでポリーニ・リサイタルが行われました。暑さの中でも、体調は良好で、素晴らしい演奏だったようで、ホッとしました。
マエストロは暑さにはお強い方なのでしょうか。それとも気力、気迫、使命感？　それに演奏する楽しみ、音楽から得る喜びが大きく、活力の素となっているのかもしれませんね。

ウィーンのリサイタルをお聴きになった方からメールをいただきました。
しっかりした足取りで登場され、とてもお元気そうだったと。“夢見るように穏やかで美しいブラームスの小品”、かなり速いテンポの、熱のこもった素晴らしい演奏のシューマンのソナタ第３番、“息の長いフレージングと躍動感が魅力的”と思われたとのこと。前半からホールは大きな拍手と歓声に沸いたそうです。
後半は“珠玉”のショパンの美しい演奏。ポロネーズ第５番でマエストロの腕が本当に復調されたことを感じられた、と。“深々となる低音、音量の変化を自在に操るところなど”ポリーニならではの演奏だったようです。スケルツォ第３番のあとは、大きなブラボーとスタンディング・オベーション。
アンコールのバラード第１番は“美しく心のこもった演奏”。マエストロも、満面の笑みで聴衆に応じていらしたそうです。

ミュンヘンではベートーヴェンのソナタ第30番、31番、32番の、レコーディングをかけた演奏会。
ヘラクレスザールの音は、やや硬質な響きで、クリアで美しい音なのだそうです。会場全体が集中した中で、30番の出だしから好調に進み、“絶妙にコントロール”された音量で、“繊細な弱音も、深々と鳴る低音も、本来のポリーニの音”と思われた、と。“美しいトリルや複雑なフーガ”、独特なリズムに心躍らされた、とのことでした。

この演奏会は、直後にJanさんからもホッとなメールをいただいていました。
とても暑い日で（レジデンスには空調が無い！みたいで）、聴衆も演奏者もちょっと大変だった。けれど、３つのソナタは素晴らしい演奏で、技巧的にも安定していた、と。テンポはとても速く、熱く、エネルギッシュな若々しい演奏で、センチメンタルなところは皆無。各ソナタの初めから終りまでを貫くある強いラインを創出し、大きな構えの曲として聴かせてくれた、と。
とても心のこもった拍手とスタンディング・オヴェーション。アンコールは無く、聴衆も皆足早に会場を離れたのは、きっと暑さのせいもあったから・・・と書いてありました。

暑い中、熱演のマエストロ、さぞお疲れになったことでしょう。でも、レコーディングも成功裡に終了したようで、良かった〜！
さらに、DVD作成の予定もあるようですね。９月27日の非公開のリサイタル。少し気候も落ち着いて、爽やかな中で行われると良いですね。CDもDVDも、新譜のリリースが、本当に楽しみです。

さて夏の音楽祭シーズン、ポリーニの活躍が始まります。８月は13日からスイス、マルティニーでリサイタル、数日後にザルツブルク音楽祭出演。９月にはストレーザとルツェルン音楽祭に出演です。どの日も「ハンマークラヴィーア」からソナタ31番、32番へとプログラム変更になったことは既にお知らせしました。残念でもありますが、充分に弾き（聴き）応えのある２曲でもあります。素晴らしい演奏会となりますように！！

大変遅くなりました m(_ _;)m が、昨年の来日公演について、概要と皆様のご意見や新聞等の評論をまとめました。"Bravo e Grazie! Maestro"「2018年の感動」としてUPいたしました。ご協力に感謝いたします。

また、来年３月のウィーンでの演奏会、ムーティと共演のモーツァルトのピアノ協奏曲は、第27番と第14番となりました。この演奏会も、録音が予定されているとのこと、第27番は初録音となります。楽しみですネ！！