窓を明ければ、爽やかな空気が流れ込み、空の色、雲の姿にも、秋を感じられるようになりました。
ああ、やっぱり、秋が来た、やっと秋になった〜〜〜!と、心身ともにホッとして、息を吹き返した感じです。身的にラクになると、心的にもワクワク感が出てくるものですね、今年の秋は特別に、かしら。
この夏の異常な暑さ、異例の長さには、ほとほと参りました。“我が世の夏!”とばかりに活発で精力的なセミ(初めて東京でクマゼミを聞きました)の声に加え、我が家付近では建築工事の音も響き続け、音楽を聴く気にもなれず・・・。熱中症に怯えながら、グッタリして、ぐうたらと、無為に時間を過ごす日々。日本の四季はどうなっちゃったの、秋は来るのかしら?などとボヤキきながら。
それでも、東京周辺ではまずまず平穏に過ごせたのは、本当にありがたいことでした。
大阪北部の地震、西日本豪雨、日本の北から南まで各地の猛暑に落雷・ゲリラ豪雨、長引く集中豪雨、猛烈な風雨の超大型台風など、凶暴なほどの天変地異が次々と日本を襲った2018年の夏。
そして、やっと秋になり、少し落ち着いた日々となるかと思った矢先に、北海道の大地震・・・。
大規模な土砂崩れの惨状に、胸が痛みます。広い北海道の全部で停電と聞いて驚き、ブラックアウトという現象に、文明の脆さも思わせられました。
被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。1日も早く復旧、復興がなり、安心できる日が戻りますように!
ヨーロッパも異常に暑い夏だったようです。6・7月は静養されていたマエストロ、8月には2つのリサイタルを無事に行われたことは、ゲストブックにも載せました。
その後ザルツブルクに聴きにいらした方から、メールをいただきました。
とても美しい音色、味わい深い演奏の素晴らしいリサイタルで、前半終了からスタンディング・オヴェーション、後半もアンコール2曲(「木枯し」とバラード1番)まで、ポリーニらしい演奏、今のポリーニならではの演奏を披露されたようでした。1973年に音楽祭に初登場のマエストロ、今年は45周年で、満場の拍手の中、記念の花束贈呈もあったそうです。
ところが、お疲れが出たのでしょうか、9月のルール・ピアノ・フェスティヴァルはキャンセルとなりました。もともと5月の予定が2回延期となり、プログラム変更もあったのですが、今回はドクターの“15日間静養”との診断から、主催者Ohnesorg総裁も諦めざるを得なかったようです。イゴール・レヴィット氏が急遽登場し「ハンマークラヴィーア」を含むベートーヴェンのソナタを演奏したとのこと。
1週間後のケルンのリサイタルは来年1月に延期となりました。
北京〜東京へのリサイタル・ツアーは?
体調を整えられて、きっと来日される!と思いましょう! プロジェクトも行われるので、マエストロご自身も楽しみにしていらっしゃることでしょう。
プロジェクトといえば、11月にもパリで予定されていることが判りました。
ルイ・ヴィトン財団のオーディトリウムにて、“Carte blanche a Maurizio Pollini”という、ポリーニに「白紙委任」された3回の演奏会です。
1回目(16日)は、ブラームスの間奏曲に始まり、シェーンベルクのピアノ曲、休憩後にはハーゲン四重奏団との共演でブラームスのピアノ5重奏曲。
2回目(19日)は、シャリーノの4作品(管と弦のソロ、声楽と打楽器を加えてのアンサンブル)と、休憩後にシューベルトの弦楽5重奏曲(ハーゲン4重奏団)。この日はポリーニは出演しません。
3回目(21日)は、ハーゲン四重奏団によるベルク、ポリーニによるノーノ“Sofferte onde serene”、最後にベートーヴェンの弦楽4重奏曲第14番。
東京でのプロジェクトとも共通する作品、出演者達、特にハーゲン4重奏団とのタッグが素敵ですね。ポリーニ自身も演奏に加わり、秋に相応しい感じがする選曲は豊かさを増して、とても魅力的なシリーズになりそうです。
[2018-2019 Season]をUpしました。東京とパリでのプロジェクトの内容も、こちらにやや詳しく載せてありますので、ご覧ください。