時々の雑記帳

音楽のこと、ポリーニのこと、日々の雑感を、
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このほかの日記帳はこちらを、すぐ前のものは「春」4〜6月を、後のものは「秋」10〜12月をご覧ください。

(7月〜9月)

蝉の声と虫の音と
秋の空気が流れ込んで、9月初日は涼しい朝でした。子供たちの夏休みも終わり、猛暑も終わった・・・と思いたいけれど、こちらは数日後にはまた残暑厳しい、となるのでしょうか。今朝はまた雨音ばかりの静けさ。早く爽やかな、落ち着いた季節となってほしいものです。

この夏は本当に異常気象ばかり。各地で豪雨による被害が起きるかと思えば、東京では空梅雨。それなのに8月に入ると3週間も、毎日雨の降らない日は無い、というほど。蒸し暑い猛暑が続き、恐ろしいほどの雷雨やゲリラ豪雨も起こりました。四方を海に囲まれた島国・日本、台風やら前線やら、地球を囲む天候の影響をもろに受けるのね・・・と思っていたら、アメリカでもハリケーンによる大水害のニュース。地球、大丈夫? 自然現象だけでなく、人間の恐ろしい行為や、キナ臭い動向も満載の現在の地球、ほんとに大丈夫? 何億年にもわたって生命を育んできた、美しい奇跡の星なのに・・・。

さて、8月半ば、17日ザルツブルク、21日ルツェルンで、相次いでリサイタルを開いたマエストロ・ポリーニ。どちらの公演も無事に、そして大成功裡に行われたようです。

ザルツブルク音楽祭のHPには、演奏会後のポリーニの写真が掲載されていました。

http://www.salzburgerfestspiele.at/programm/konzert/konzert-detail?programid=5672&id=-1&sid=125

笑顔でスタンディング・オヴェーションに応えていらっしゃいますね(*^^*)v

アンコールは2曲、「沈める寺」と「スケルツォ第3番」(聴きにいらした方から教えていただきました)。

"Zu den Wurzeln zurueck"(“根源へ立ち返る”)という評がすぐに出ました。 内容は・・・長いので読めず(すみません、猛暑でアタマも参ってしまって・・・)。最後の1行に「すべてが、ピアニストとしての能力を完全に手中にして為され、熟慮と自発性が完璧に融合した、渾然たるものであった。」
(Dreh Punkt Kultur/Die Salzburger Kulturzeitung im Internet)

4日後に行われたルツェルンのリサイタル。
"Herzensangelegenheiten"というタイトルの評がありました。ドイツ語の辞書を見ると「情事、恋愛事件」・・・エッ、ナニナニ????
サッと読んでみると、ショパン、シューマンへ、そして彼らの作品への、若い日からのポリーニの深い愛情を、そしてこのリサイタルでの演奏の性格を表しているようでした。 シューマン「幻想曲」の終楽章、ショパン「ノクターン」やソナタ第3番の3楽章の美しさ、豊かな詩情、心に染みる味わい深さ・・・演奏に込められた愛情を「心に関わる大切な問題(→恋愛)」と表したのでしょう。
(Neue Zuercher Zeitung)

アンコールはやはり2曲。ショパン「スケルツォ第3番」と、なんと「舟歌」ですって!

このアンコール情報は、両方のリサイタルを聴きにいかれた方が、帰国後メールでお寄せくださいました。本当にありがとうございました。
お許しを得て、メールを少しご紹介させていただきます(数か所、表現を変えた箇所があります)。

 二回のコンサートは、ともに、素晴らしく充実したものでした。
 ザルツブルグでは、マエストロは元気に登場。左手に座ったので、ポリーニの美しい指運びがよく見えました。作品55の「ノクターン」は、本当にどこまでも繊細で美しかったです、とくに、深々とした低音の味わいが、何とも言えず心に響きました。さらに、55-2の出だしの音が、いつになく優しく柔らかかったのには意表を突かれた感じで、胸がジーンとしてしまいました。
 「舟歌」は、私には、ちょっと慎重で丁寧すぎな感じもしましたが、その分、細部まで熟考され吟味されつくした演奏のようにも思えました。
 圧巻は、「ソナタ」。75歳にはとても見えないほど気力に満ちた迫力のある表現で、前半でこんなに盛り上がっていいのかしらと思うぐらいに、熱のこもった素晴らしい演奏でした。出だしは、抑制のきいた手堅い演奏だったので、今日はこの路線で行くのかなと思っていたら、4楽章は例の小気味よいインテンポで突き進み、さすがポリーニと感嘆してしまいました。1楽章の終わりには、またしても拍手がしっかりと入りましたが、ポリーニも慣れたもので、軽く挨拶した後、落ち着いて2楽章に入りました。前半から、かなりの充実ぶりでした。
 後半のドビッシー(前奏曲集第2巻)は、もう手慣れたもので、最初の一音から、ポリーニの研ぎ澄まされたドビッシーの世界が作り出されていました。ひたひたと、そして決して甘くはないポリーニの音の響きが続きました。普段からポリーニの演奏を聴くと、あぁなんてショパンは素晴らしいんだろうとか、なんてベートーヴェンは凄いんだろうとか思ってしまうのですが、ドビッシーだけは、ポリーニのドビッシーはなんて素敵なんだろうと思ってしまうから不思議です。誰も追随できないポリーニの世界が、そこには広がるばかりです。
 アンコールは「沈める寺」と「スケルツオ3番」で、ものすごいブラボーのスタンディングオベーションでした。今回は、聴衆との一体感も凄かったです。

 あれだけの熱演のわずか4日後のルツェルンなのに、疲れた表情一つ見せず、マエストロは、再び元気に登場。足取りも軽く、丸かった背中もこころなしかピンと伸びた感じに見えました。
 「アラベスク」は、本当に久しぶりに聞いたせいか、昔アンコールでよく弾いていた曲だったにもかかわらず、とても新鮮に感じられ、幸せな気持ちになりました。次の「アレグロ」は、以前は輝く音が降ってくるような感じだったのですが、今回はとても柔らかで温かみのある演奏に思えました。
 シューマンの「幻想曲」の美しい3楽章は、まさにSternstunde(星の輝く時間)でしたが、そこに入る前、2楽章の後で、またしてもフライング拍手が起こってしまいました。堂々とした輝かしい演奏だったからかしら・・・。
 後半の「ノクターンop55」は、やはり心に染み入る美しい演奏でした。そして、最後の「ソナタ3番」は、ザルツブルグの時よりも、さらに推進力のある躍動的な演奏になっていました。息の長いフレージングもポリーニならではのもので、本当に心地良いものでした。
 最初のアンコールは、「スケルツオ3番」で、勢いというかスピード感のある演奏に、そして中間部の星の降るような美しい音の連なりに、若いころのポリーニを思い出してしまいました。そして次のアンコールは、なんと、ザルツブルグでの本編で演奏された「舟歌」でした。ソナタの3楽章とも共通していて、小舟が揺蕩うような感じがよく出ていました。もう言葉にならないような感動、この「舟歌」が聴けて良かったと、心から思いました。会場は、またまた満場のスタンディングオベーションで湧きかえりました。(ソナタの3番から、会場はものすごく盛り上がっていました。)




少しどころか、殆ど全部メールをマル写しさせていただいた感じです(すみませんm(_ _;)m そして、ありがとうございます!)
マエストロの様子、聴かれた方の感動と、ホールの熱気も、皆様に伝われば嬉しいです・・・。

9月はずっとお休みのマエストロ。ゆっくり休養を取り、10月からのヨーロッパ各地での演奏会に備えていらっしゃるのでしょう。良い体調で、お元気に来シーズンも活躍されることを、心から願っています。

今回の更新は、[2017-2018 Season]を新たにUpしました。

2017年 9月4日 10:30

枝いっぱいの紅
数日前は蕾ばかりだった百日紅の木に、濃いピンクの花がいっぱい咲いていました。芙蓉・夾竹桃・向日葵も、夏の花々が色鮮やかに咲いています。頭上ではもう蝉しぐれ。これも数日前はじめて一匹の蝉の声を聞き、「あ、もう蝉が鳴き始めたの?」と思っていたのに。

ようやく、梅雨が明けました・・・というと雨の日が長く続いたかのようですが、さにあらず。今年はカラ梅雨で、真夏の猛暑が連日続いていたのです。それでも「梅雨明け宣言」を聞くまでは、何だか落ち着かなくて。19日午前、四国〜関東甲信越は梅雨明け。あ〜、やっと本当に夏が来た〜! さらに本格的に暑くなると思うと、決して喜んではいられませんが。
東京近辺ではカラ梅雨で猛暑ではありましたが、九州北部や岐阜、新潟、福島などでは激しい豪雨、洪水そして土砂崩れに襲われた今年の梅雨でした。
被災地の方々には心よりお見舞い申し上げます。

関東も前日は猛烈な雷雨に襲われ、ある地域では雹(氷のかけら)が降るという異常な天候でした。
ここ数年、毎年のように、異常な暑さ、異常な降雨或いは干天、異常な台風等々に翻弄されている日本列島です。“異常”とはいえ“史上初の記録的な”ということであれば、今後はこれが基準となって、年々更新されていくばかり、なのでしょう。地球温暖化の過程で“異常”が“正常”になっていくのなら、今のうちにくい止めないと。地球上=世界中の共通の課題なのに、1大国が知らんフリしているなんて・・・。未来の地球が心配になります。

さて、マエストロはウィーン・リサイタルを成功裡に終えられたことは掲示板に書きました。その後現地ムジーク・フェラインでリサイタルを聴かれた方からメールを頂きました(ありがとうございました!)。「完全復帰」との言葉も記されていて、本当に嬉しく、ホッとしました。メールを少し引用させていただいて・・・。

「クリアーで美しい音楽、心に染み入るノクターン」、「壮大な物語を音で紡いでいくような」バラード3番、「力強さと情熱がさらに加わり素晴らしかった」バラード4番。「心を洗われるような美しい子守唄」、最後のスケルツォ1番では「パワー全開」で「前後と中間部の対比もくっきりと弾ききり、昔のポリーニを彷彿とさせる」演奏だったそうです。

後半のドビュッシーは、やはりポリーニのドビュッシー、「ふわふわしたようなあいまいな表現は一切なく、抑制のきいた素晴らしい」演奏で、このところ何回か聞かれた(羨ましい!)中でも「最高の演奏だった」ようです。
アンコールに、沈める寺、スケルツオ3番、バラード1番。そして聴衆のスタンディング・オヴェーション。 「このところけがや体調不良を報じられていたポリーニの完全復帰を印象付けたウィーンのコンサートでした。」とのことです。

本当に、インフルエンザで高熱となったり、腕を傷めたり、との情報に触れるたびに、ハラハラしていましたが、マエストロは順調に快復されて行き、大切なリサイタルに臨み、充実した演奏を行うことで、さらに快復力を高めていったかのようです。音楽の力に、感謝!!ですね。

夏の音楽祭にも、最良のコンディションで臨まれるよう、素晴らしい演奏会になるよう、心から願っています。

来シーズン、この秋の演奏会がまた一つ発表されました。ベルリンにてバレンボイムとの共演で、シューマンの協奏曲を演奏します。リサイタルの曲目も発表されました。パリとミュンヘンではシューマン「クライスレリアーナ」が演奏されます。ショパンへの深い想いと共に、またシューマンの作品にも魅かれ、情熱を注ぐかのマエストロです。

梅雨明け十日、と言います。猛暑が続くようですが、熱中症に気を付けて、皆様お元気でお過ごしください。

2017年 7月21日 10:30

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