「暑さ寒さも彼岸まで」とは、昔の人の知恵のある言葉。その言葉通りに、長く続いた猛暑も終わりを迎え、一気に秋めいてきました。秋の長雨が豪雨の様相であったのは気がかりでしたが、今朝は穏やかな秋空が一面に広がっています。この夏は大雨の被害が各地でおきましたが、そろそろ日本全国、落ち着いた爽やかな気候を楽しみたいものです。
マエストロは、この夏サルディニアとシエナで夏を過ごされたようです。シエナではリサイタルに先立ってインタヴューも行われました。今年はイタリアも猛暑だったようで、サウナみたいだ・・・とボヤキながら、バミューダ・ルックで会談の場所を探すマエストロ。結局ピアノを置いている部屋でやっと落ち着いて、現代音楽のことなど熱く語っています(いつかご紹介できれば良いのですが・・・)。
ルツェルンでは岡部氏のインタヴューを受け、ベートーヴェンのソナタについて、またPerspectiveの現代曲について語っているのは、「音楽の友」誌上で読むことが出来ます。(この10月号にはONTOMO MOOKの発売予告があり、11月初旬発売予定の“ベートーヴェン”のMOOKに、ポリーニが32のソナタとディアべり変奏曲について語った文が掲載されるそうです。)
またkajimotoのポリーニ・パースペクティヴ特設ページに、8月30日公演の松本學さん(音楽評論家)によるレポートが載っています。
初秋のウィーンでは、アバド & ルツェルン祝祭管弦楽団(LFO)との共演で、モーツァルトのピアノ協奏曲第17番K.453が演奏されました。聴きに行かれた方のお便りでは、お元気そうなマエストロが、信頼しているアバド & LFOとともに、まるで室内楽のように親密に、幸せそうに、微笑みを交わしながら演奏していたとのこと。しかし音楽は明るく軽快な中にも、メランコリーを漂わせていたようで、深みを増して真のモーツァルトの魅力に溢れていたのではないかと、想像しています。
この後アバド & LFOは、ピリスを独奏者に迎えてモスクワ、ハンブルクで公演し、23日には再びポリーニとともにフェラーラで同じプログラムで演奏しました。
5月に起こった北部地震で大きな被害を受けたフェラーラは世界遺産の町。M6.0の揺れで多くの貴重な建物やモニュメントが崩壊し、テアトロ・コムナーレも大きな被害を受けたのです。LFOの中核をなすマーラー室内管弦楽団はこのホールのレジデントで、アバドも以前から強い繋がりを持つ町です。地震後すぐに支援を申し出たマエストロ・アバドが、テアトロ・コムナーレの4ヶ月ぶりの再オープンとなるコンサート、フェラーラ・ムジカの幕開け公演を指揮し、ポリーニがともに出演したのです。
音楽家達の出演料は全て劇場と市の復興のために寄付され、旅費はルツェルン音楽祭が負担するとのこと。また500ユーロの特別席が50席あり、その購入者は演奏会後のパーティーに出席できたようです。きっと飛ぶように売れたんでしょうねぇ。
今朝は速報がwebに載っていて、公演は大成功で、“108mila e 654,10 euro”(1000万円以上)の収益があったとのこと。フェラーラ・ムジカとしても最高記録だったとか。両マエストロ、音楽家の皆さん、おめでとう、ありがとう、そしてお疲れ様でした。
23日を過ぎ、あと1ヶ月で“Pollini Perspectives”の開始。つまり、もう1ヶ月もしないうちにマエストロの来日、ですね\(^o^)/
お元気で来日されることを心から願っています。
DGのサイトのOn Tourでも10月17日の北京公演がトップになっています。ヨーロッパでの一連の公演を終えて、マエストロも秋の長いアジア・ツアーに向けて準備を始められるのでしょう。
涼しくなって、私もやっと音楽を聴いたり、本を読んだり、できるようになりました。時間の余裕は相変わらずないけれど、Perspectiveに向けてベートーヴェンのソナタなど、しっかり聴いて、準備をしておきたいと思います。
今回の更新では2013年のスケジュール表を(やっと!)Upしました。一つ訂正があります。来年1月のドレスデンでの演奏会は、そのサイトで確認したところ“25〜27日”でした(他サイトでは27〜29日となっているのですが)。お詫びして訂正いたします。