時々の雑記帳

音楽のこと、ポリーニのこと、日々の雑感を、
時々(気まぐれに)、書き入れます。

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このほかの日記帳はこちらを、すぐ前のものは「冬」1〜3月を、後のものは「夏」7〜9月ご覧ください。

(4月〜6月)

雨に歩けば
昨日は「入梅」(雑節)という日、梅雨入りももうすぐ・・・と思わせる不安定な空模様でした。今日は一転して青い空から夏の陽射しが降り注いでいます。道端に紫陽花が色づきはじめて、この花のためには雨も良いな、やさしく降って、花や葉をしっとりと、生き生きとさせてほしい、と思います。
雨の中、紫陽花を訪ねて、公園やお寺めぐりの散策をしてみたいと、毎年のように思いながら、なかなか実行にうつせないでいます。今年こそ! でも、その前に大事な大事な仕事がありますね! 16日正午から、カジモト・イープラスの会員先行受付です! それで不調ならば、27日の一般発売でも頑張らなくてはッ! チケットを取らなくては、梅雨どころか、夏も楽しめませんね。

10月23日の公演が加わったのは、本当に大きな喜びでした。以前サントリーホールに23日の予定があったのに、なぜか消えてしまって、ガックリしましたっけ。あまりに間隔が空き過ぎる不自然さ・・・他のホールで行なわれるのかもしれないと、あちこちのホールの予定を探し回りました。
そして京都で初めての演奏会があり、「平均律」を弾くと知った時の驚きと嬉しさ。それでもまだ空白の日々が多い・・・。
ついに、先行発売も近づいた数日前に判明した、23日のサントリーホールでのリサイタル。やっぱり、あったのネ! しかもベートーヴェンの3曲の後期ソナタ! 
来年ロンドンでのポリーニ・プロジェクトをはじめ、アメリカでも演奏されるのを、羨望の思いで見ていましたが、いち早く日本で聴けるなんて!! 本当に嬉しいニュースでした。

ベートーヴェンのソナタ。常に外れることなくポリーニのレパートリーの中核にあった曲達。ショパン・シューマンイヤーの今年は、これまで珍しく出番の無かったベートーヴェンでしたが、来シーズンはまた「中核」に戻ってくるようです。特に後期ソナタは“ハンマークラヴィーア”は別として、ここ数年(今世紀に入ってから)リサイタルで演奏されることがありませんでした。
以前から全集の録音を予定し、あと7曲を残すマエストロですが、後期ソナタの再録音も希望していると伝えられています。この取り組みは、全集完成へ向けての一歩なのでしょうか。

梅雨のないヨーロッパ、爽やかな気候の中で、音楽会シーズンもそろそろ終りに近づいているのでしょう。マエストロの演奏会も、あと2回。作曲家で現代音楽の優れた指揮者として知られる鬼才ペーター・エトヴェシュとロンドン交響楽団との共演です。ブラームスの協奏曲第1番を弾いて、ロンドンからパリへ。パリの公演は昨年から続く“Pollini Perspectives”の締めくくりとなる演奏会です。ポリーニの意欲的な活動が、大きな実りを迎える今シーズンの終りです。

今回はまたスケジュール表に変更・追加して、更新しました。
アメリカのAlanさんからNYとワシントンでのプログラムの変更(マズルカはop.56-3のみ演奏されたこと)とワシントンのアンコール(バラード第3番、練習曲op.25-1、バラード第1番)のお知らせ。
ドイツのJanさんからウィーンのリサイタルの成功とアンコール(「革命」とスケルツォ第3番)のお知らせ。
アムステルダムのアンコールは「革命」とバラード第1番。
シエナでのプログラムは、そのサイトでは「ドビュッシー:前奏曲と練習曲」となっているけれど、ドイツ・グラモフォンのOn Tourではショパン・リサイタルとなっています。ザルツブルク音楽祭のプログラムから推して、「ショパンの前奏曲と練習曲」と思われるので、変更しました。
日本での10月23日のリサイタルも追加しました。

2010年 6月12日 20:30

花の時から緑の時へ
緑の滴る季節となりました。今年の春は突然夏日になったり、急に冬の寒さが戻ったり。うららかで穏やかな春らしい日が少なかったけれど、ゴールデン・ウィークにはほぼ全国的に見事な晴天、皆様も楽しい休日を過ごされたことでしょう。もうこんなに新緑が・・・と驚いているうちに、緑は濃さを増しながら木を蔽い尽していきます。陽射しはすっかり初夏。ハナミズキが咲き、つつじが香り、藤の房が風に揺れて、美しい五月は風薫る季節です。

この春はアメリカ・ツアーで過ごされているマエストロ。シカゴ、ニューヨーク、ボストン・・・好評の新聞レビューや、聴かれた方のブログの感想などを目にして、マエストロの好調な様子が嬉しく、オール・ショパン・プログラムにかけるその熱意を思っていました。
けれどもノーフォークの公演日(5月4日)にそのサイトを見ると、"due to illness"で急遽キャンセルのお知らせ。おまけにタイムズ・スクェアの爆弾騒ぎや、フェリーの事故などの報じられるニューヨーク。マエストロ(フェリーには乗らないでしょうけど)大丈夫かなぁ、早くお元気になってください! と、ここ数日は祈る思いでした。
10日、カーネギーのサイトに載ったアンコール曲を見て、本当にホッとしました。バラード3番、エチュードop.10-4、マズルカop68-4という3曲ものアンコール。ある聴かれた方のブログでも美しい演奏に感激、特に前半の舟歌、最後のソナタ第3番が素晴らしかったとのこと。演奏会後には新発売のCD"Pollini-CHOPIN"へのサイン会もあったそうです。
ああ、大きなillnessでなくて、良かった〜〜〜!

今回は約1ヶ月に亘るツアー。春先の天候不順もあり、ホテル暮らし、都市の移動も重なってお疲れになったのでしょうか。ニューヨークの2回目(4月29日)でも少し鼻風邪気味のようだったと後で知りましたが、ノーフォークのファンは、どんなにか落胆したことでしょう・・・。
快復されたマエストロは、最後の演奏会、12日のワシントン(4月15日から延期された)ではプログラムも変更して、最後の作品群(カーネギーの3回目)を取り上げました。このツアーの素晴らしい締めくくりとなったことでしょう。
それにしてもカーネギーでの3公演は、ショパンの19組(作品番号の同じものを一組として)、実に58曲にものぼる曲によるプログラムです。アンコールはそれぞれ異なる7曲、そのどれもが本プロに入れても良い充実した曲ばかり。全部で65曲もの傑作を演奏しきったポリーニの“キャパシティ”の高さに、感嘆させられます。そしてショパンとその作品に寄せる愛の深さを、感じさせられますね。

新譜の“Pollini-CHOPIN”は、多くの優れたショパン録音の中から、ポリーニ自身が選んだ11曲が収められています。まずイタリアで先行発売、次いでアメリカでリリースされました。きっと日本でも、今秋の来日までには発売されるのでしょう。ショパン・イヤーの記念盤、楽しみですね。ディスコグラフィーに付け加えました。

スケジュール表にアンコール曲や、シエナでのリサイタルの予定を載せました。それから、ハンブルクでの2回の協奏曲の演奏は、どうやら取りやめになったようです。

2010年 5月13日 10:30

ポトマックの桜は…
春は名のみの風の寒さや・・・「早春賦」は二月か三月初旬の季節を歌ったはず。でも、ここ数日の風の冷たさに、ついその歌詞を思い出してしまいます。開花宣言は早かったものの、その後の冷え込みで縮こまっていた桜。恐ろしいほどの強風にさらされ、冷たい雨に打たれ、それでも散ることなく花を開いて満開の時を迎えました。自然の摂理に従う花の生命力は、芯から強いものなのですね。
週末には近くの公園を散歩して、満開の桜を楽しみました。沢山の人が樹の下にシートを広げて座り、グループや家族でお花見の宴が開かれて、賑やかなこと。空気は冷たくても、みんなで楽しめば寒くないッ!のかな・・・? でも、やっぱりお花見には“太陽”に参加して欲しいものです。青い空の下、柔らかな光を受けてほのかに紅に染まる桜の美しさ。雅で優しく、たおやかな姿が大好きです。
今は花びらが散り始め、ほんのひと時のお花見も終り。ゆっくり、ゆっくりと、散って欲しい。もし桜吹雪になるなら、春の光の中で浴びたいものです。そして暖かな空気が、早く桜前線を北の国まで運び届けますように。

1日にベルリン・フェストターゲに登場のマエストロ。Janさん(今度は行かなかったそうですが)が演奏会の評を見つけて、メールを送ってくれました。
曲目変更があって、ドビュッシーの練習曲集第2巻が前奏曲集第1巻からの6曲に変わったそうです。「帆」「野を渡る風」「音と香りは夕暮れの大気に漂う」「雪の上の足跡」「西風の見たもの」「沈める寺」。素敵な選曲ですね。
この評者はショパン、ドビュッシー、ブーレーズの3人の作曲家へのポリーニの視点、音楽の発展・変革への視点を重視し、それが十分に表現され、よく理解し得た演奏会だったと記しています。
とくにブーレーズ作品の演奏が素晴らしく、聴衆も集中して聴き入り、終了後は興奮してスタンディング・オヴェーションになった、と。客席に居たブーレーズもとても喜んでいて、バレンボイムに促されて舞台に上がり、ポリーニと一緒に喝采を受けていたそうです。この演奏会は3月26日に85歳の誕生日を迎えたブーレーズを祝う、ベルリン・フェストターゲの第1回目だったのですね。いつまでもお元気で、ブーレーズさん! その存在と旺盛な活躍が、どんなにポリーニをはじめ、より若い音楽家を力づけていることか、と思います。
ショパン、ドビュッシー、ブーレーズの作品によるプログラムは、このベルリン、夏のルツェルン、秋には東京でのリサイタルで、それから来春ロンドンのプロジェクトでも演奏される予定です。この変更が今回だけのものなのか、それとも・・・と気になります。

さて、4月半ばからは北米ツアーに旅立つマエストロ。オール・ショパン・プロによるリサイタルで、特にカーネギーでの3回のプログラムは素晴らしいですね。全部聴ける方が羨ましい!!! triumphalなツアーになりますように!
ところで、4月15日のワシントンの公演は期日変更になり、5月12日に行なわれることになりました。プログラムは予定通り作品20〜28のショパン初期の作品グループです。
また、ワシントンでは来年もリサイタルが行なわれ、ベートーヴェン後期のソナタ3曲が予定されています。こちらは3月の末です。ワシントンの桜も美しいようですね。来年はお花見できますね、マエストロ。

今回の更新は、スケジュール表に変更や追加なども多くなってきたので、「2011年」と[2010-2011 Season]を作成しました。

2010年 4月6日 0:30

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