白、紅、薄紅色、梅は今が盛りと花咲き、枝に小鳥を遊ばせています。その囀りと微かな花の香りにつられて、木の下にしばし佇むのも、寒さが和らいでこそ。春一番が各地に被害をもたらし、その後また真冬の寒さに逆戻り、寒暖の交代が激しい日々だったけれど、ようやく春が一歩ずつ近づいているのを、感じられるようになりました。
いろいろ重大な事件・事故があった2月・・・。今年は1日おまけ(?)があったけれど、やっぱり逃げ月、気がつけばもう三月、お雛祭り。ああ、時の経つのは早いなぁ、と思いつつも、春が早く来るのは嬉しいもの。特にもうすぐ新譜に会えると思うと・・・。
2月中は、ブリュッセルでのリサイタルが1回だけのマエストロでした。Olivierさんからの便りでは「バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻を、マエストロは休憩を入れて2部に分けて演奏し、幾つかミスもあったけれど、とても良い演奏会でした。アンコールはありませんでした。」とのこと。久しぶりに取り組むバッハの偉大な作品、どんな演奏だったのか、気になりますが、ラジオやTVのための録音は無かったようです。
今日3日は再びブリュッセルで、今度はノーノを中心にした現代の作品。ポリーニの音楽世界の広さを思わせる2つのプログラムです。素晴らしい演奏会となりますように!
そして11日にはミュンヘンで再びバッハ。ヘルクレスザールでの演奏はどんなでしょうか。もしかしたら、いえ、きっと、レコーディングにも繋がっていく・・・と、夢想しています。いつの日か、きっと聴ける!と。
今回の更新はLINK集の整理でした。Url変更のサイト、もう無くなっていたサイトなどもあり、長いこと放ってしまっていたなぁ、と反省。また新たに加えたサイトもあります。
その作業の中で、幾つか面白い発見(?)がありました。
その1。Settembre MusicaのArchivioで、過去の演奏会のプログラムを見つけました。
1982年9月11日:モーツァルト「ピアノ協奏曲第22番K.482」ポリーニ指揮・ピアノ、ヨーロッパ室内管弦楽団
1985年9月21日:バッハ「平均律クラヴィーア曲集第1巻」
1990年10月19日:ウェーベルン「変奏曲」、ブーレーズ「第2ソナタ」、ベートーヴェン「ディアベッリ変奏曲」
(2001年、2005年はスケジュール表に載せています。)
その2。パリ管弦楽団のサイトのEcouterで、バルトークのピアノ協奏曲第1番(ブーレーズ指揮)が聴けます(2001年6月20・21日の演奏。以前ラジオClassic7で放送されたものです)。
http://www.orchestredeparis.com/index.php?option=com_content&task=category§ionid=6&id=22&Itemid=1
その3。RAIのRadio3 Suiteで“Ore20”という番組があります。
http://www.radio.rai.it/radio3/radio3_suite/elenco.cfm?Q_TIP_ID=797
2月18日から10回にわたり、カルロス・クライバー特集があり、ポリーニがインタヴューに応えています。放送時間は日本の夜中でしたが、後に聞ける様になっていました。
“Il sorriso della musica: un ritratto di Carlos Kleiber(音楽の微笑み:カルロス・クライバーの肖像)”というタイトルの約20分ほどの番組です。クライバーの姉Veronicaさんから始まり、共演した音楽家達、Flury(VPOのフルート)、Franzetti(スカラのコンマス)、リヒテル(唯一の協奏曲の共演者、生前の言葉)、Meli(Cagliariの音楽監督)、Freni(「オテロ」、「ボエーム」のソプラノ)、Postinghel(バイエルン放響のファゴット)が証言し、クライバーの音楽が流れます。ポリーニは友人代表ということで6回目(2月25日)に登場。
http://www.radio.rai.it/radio3/radio3_suite/view.cfm?Q_EV_ID=240718&Q_PROG_ID=68
Veronicaさんによれば「一緒にいる時は、2人ともまるで少年みたいだったわ」という仲の好さ。きっと親しい交際のエピソードなど聞けるかも、と思いきや、ポリーニはもっぱらカルロスの音楽、芸術について、「椿姫」を例に挙げて熱く語っています(のようです、ちゃんと聞き取れない私、悲しい^^;)。ポリーニらしい、と言うべきですね。声だけでも聞けて、嬉しい!と思う方(私みたいな。聞き取れる方は、勿論!)どうぞお聞きください。
解説文によれば、彼の倫理性、作曲家の書法への誠実さ、繊細な気配り、完璧主義、自己批評について語り、それは現代の音楽界に失われつつあるものであり、彼をもっとよく認識しなければならない、遺されたものを決して忘れてはいけない、と結んでいます。
(※「なお、10回めは指揮者アバドのインタヴューになるようです。」と書きましたが、間違いでした。すみません。アバドは既に1回目に登場、10回目は81年ミラノでのライヴ「ベートーヴェン:交響曲第7番」(少しですが)で締めくくられています。)
スペインの演奏会は、1つだけプログラムが判りました。久しぶりの「テンペスト」はsurprise! スケジュール表に追加しました。