時々の雑記帳

音楽のこと、ポリーニのこと、日々の雑感を、
時々(気まぐれに)、書き入れます。

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このほかの日記帳はこちらを、すぐ前のものは「春」4〜6月を、次のものは「秋」10〜12月をご覧ください。

(7月〜9月)

澄んだ音
9月の初めは、空が高く感じられる日でした。刷毛でサッと描いたような雲が浮かぶ、穏やかな青い空が広がっていました。その後、長雨が降り、大風が吹き、蒸し暑い日が続き、行きつ戻りつしながらも、秋が歩を進めて来ます。
日中は残暑厳しく、空気が蝉の声で染まっているかのようでも、夕方には虫の音が繁くなってきます。秋の虫達は夜中まで(明け方まで?)途絶えることなく鳴き続けますが、不思議と“ウルサイ”感じはせず、涼しささえ覚えます。鈴を振るような透明感のある音だからでしょうか。

先日リリースされたポリーニの新譜、モーツァルトの協奏曲。その美しい音楽は秋口にピッタリなような気がします。光の中にふと翳りが交じるような、その曲想が。
第17番の、溌剌としたリズムに乗ったオーケストラによるテーマは、軽快な中にも落ち着きがあり、生き生きとしながら端正。ポリーニの指揮による音楽の、センスの良さに嬉しくなります。ピアノが入ってくると、その軽やかで可憐な音色に驚かされます。ロココ風とか宮廷風な典雅さではなくて、もっと純でナチュラルな透明感ある音色。タッチはあくまでも軽く、リズムも弾むように明るい曲想なのに、微笑みの翳に、ふと秘められた悲哀が透けて見えるよう。正にモーツァルトに相応しい澄んだ音色が、ポリーニの手によってSteinwayから紡ぎ出されてくるのです。
第2楽章は至上な美しさの音楽。嘆きとも慰めとも思われる歌が、オペラのヒロインのアリアのように、熱い想いと共に、さまざまに色合いを変え、深められて、心の奥底にまで染み入ってきます。そこに導くオーケストラとピアノの親密な対話に、一音一音、一フレーズごとに、胸を熱くして聴き入ってしまいます。
第3楽章の軽快さ、愉悦感は、小鳥と戯れるパパゲーノの姿を彷彿させます。艶やかな弦楽器、玉を転がすようなピアノに、表情豊かな管楽器が暖かい情景を描き、次第に大きさを増していく音楽は、オペラの大団円を見るような満足感をもって曲を閉じます。
30分足らずの曲の中に、なんと豊かなものが秘められていることか、なんと美しいものが惜しげもなく呈されていたことか。聴けば聴くほど、幸福な思いに満たされて、モーツァルトは人類の宝、と思わされます。そう、そしてこのCDもまた「宝物」。

これまでリサイタルでモーツァルトを取り上げることの少なかったマエストロ・ポリーニ。今年はソナタなどを演奏し、協奏曲をリリースしたとあって、多くの話題を呼び、インタヴューがありました。Net Zeitungというドイツのインターネット新聞に載ったものを、読んでみます。

《モーツァルトの協奏曲はどれもみな稀有な宇宙です》

〈ベームとの共演から30年以上を経て、何故、今またモーツァルトに向かうのですか〉

「これまで少ししか録音をしなかったとはいえ、モーツァルトは私のレパートリーの中で常に重要な位置を占めていました。長年に亘り、さまざまな指揮者と共に彼の協奏曲を沢山演奏しました。何度もピアノの弾き振りもしました。ちょうど今、モーツァルトと特別な関係のあるウィーンフィルと録音したように。」

〈どうしてト長調K.453とハ長調K.467に決めたのですか〉

「説明するのは難しいですね、実際モーツァルトの協奏曲は全てが非凡なものです。私はこの2つの曲を確かに格別なものと思いますが、他の曲も同じように素晴らしいと言えるのです。」

〈時とともに、モーツァルトとの係り方も変化しましたか〉

「本当に確かなのは、その作品の中に、いつも深い洞察を見てきたことです。モーツァルトのような天才は、音楽家の一生涯に亘って、伴に在るものです。彼の協奏曲はどれもみな稀有な宇宙です。どんな演奏も、モーツァルトの作品が提示する、多様性のある表現の可能性をすべて汲み尽くすことは出来ません。」

〈モーツァルトの音楽は表面は軽く晴れやかです、けれどもその下には深い憂愁が隠されていますね、イ長調K.488の崇高なアダージョのように〉

「モーツァルトの音楽は二義のあるもので、その点でウィーンの典型的なものです。その見かけの素朴さの中に、同時に極めて深遠なものが存在するのです。モーツァルトの音楽を演奏する時、彼の要求するものに適うには、芸術家として、もしかすると恩寵を得た特別な状態で在らねばならないのです。」

〈2006年記念イヤーは、総じて、モーツァルトを評価するのに必要だったでしょうか〉

「いや、モーツァルトは、全く、常に現に在るものなのです。しかしこのような記念の年は、彼の余り知られていない曲を知る、良い機会になるでしょう。私は今年、ザルツブルク音楽祭でソロのピアノ曲を弾きましたが、その中に素晴らしいアダージョロ短調がありました。あれは本来、もっと世に知られるべき作品です。」

〈モーツァルト・イヤーは批判もされています。例えばアーノンクールやモルティエは、作曲家への大騒ぎを嘆いています。音楽が余りに商業化されて損なわれる心配はありませんか〉

「実際、こういうリスクは、今日の消費社会に存在します。モーツァルトだけでなく、他の文化の領域もその危険に襲われています。それでもなお、特別なモーツァルト・イヤーが、若い人たちを偉大な音楽へと強く導くことを、私は望んでいます。」

〈モーツァルトはすでにポップカルチャーの一部になっています。ミロス・フォアマンの「アマデウス」を考えればよいでしょう。ブーレーズはあるインタビューで「モーツァルトの音楽はいかなる時もポピュラーになってしまうことはない」と言いましたが、あなたはどう思いますか〉

「私は、クラシック音楽は誰にでも親しみ得るだろうと思っています。もちろん、モーツァルトやベートーヴェン、ブーレーズやシュトックハウゼンの音楽の素晴らしさを、他の人より一層よく解せる鋭敏な人はいます。しかし音楽家として私は、その上に、クラシックは、新しい音楽の作品を含めて、常にもっと多くの聴衆を見出すようにと、望んでいます。勿論、是が非でもということではありません。巨大な(数の)聴衆のための上演などには反対です、良い音響がもはやそこでは保証され得ないという場合です。」

〈ウィーンでの"Perspektiven"では、現代音楽と過去の優れた作品とを一緒に演奏します。そこで重要なことは何でしょうか、コントラスト、それとも関連した要素ですか〉

「両方です。私は強いコントラストに対する心配はありません。例えば非常に対照的なもの、それからさまざまな時代の作品を一緒にしたプログラムを演奏しました。我々の音楽の遺産と現代音楽がどんなに豊かで多趣であり得るか、聴衆が理解することを、願っています。平凡で単調な音楽に慣れた若い聴衆が、より面白い、より深く感動させる音楽経験があるということを、もし感得し得るならば、私はとても嬉しいのですが。」

Corina Kolbe (Net Zeitung, Sep.4)

も一つ別のインタヴューから。
「モーツァルトの全てのピアノ協奏曲の中で、この2曲は彼のお気に入りの内に入っている。ポリーニは言う、これらは彼の気質に最も近いものだから、と。」(Die Welt)

今回の更新は、スケジュール表に追加(来年のザルツブルク他)と、ディスコグラフィに2枚(Steinway Legend、A Trail on the Water)追加しました。

2006年09月11日 0:50

残暑お見舞い申し上げます
百日紅や夾竹桃が今を盛りと咲いています。ゆっくりやってきた今年の夏。
猛暑の後には長雨が続き、豪雨やいくつも連なる台風に、本当に夏らしい夏を味わえないでいました。それに落雷、大(?)停電というハプニングまであって、8月はなんだか気忙しく過ぎてゆきます。
20日を過ぎればもう晩夏、そろそろ初秋へと季節は移っていくはず、ですが・・・。残暑きびしい昨日今日、まだまだ盛夏が続く気配。早朝から夜中まで鳴いている樹上の蝉たち、短い夏は、なんだか切ないね。でも、そろそろ草むらの虫の音を聞いて、秋の気配も感じ取りたい気がします。

私の8月は、パソコンの不調とともに始まりました。入院治療してスッキリ元気になって帰ってきたけれど、“記憶”を失くしてしまった我が愛機に、一から教え込むことに時を費やしてしまいました。
教え込む方の頭は全〜然スッキリしてないので、これがもう、大変! 家人の助力で(というより、殆どやって貰って)なんとか使えるようになった・・・というところです、ヤレヤレ。これからはもっと優しく接して(パソコンに)、機嫌よく働いてもらわなければ・・・(^^;)

ようやくあちこちのサイトを覗けるようになって、新たな情報やマエストロの演奏会の様子が判ってきたのが、なにより嬉しかったです。
ザルツブルクの評も2つ見つけました。曰く、・・・知的で明晰な、貴族的なモーツァルト、細心に弾かれた哲学的なハ短調の2曲、そして深みあるアダージョ。後半のプログラムには、聴衆はとまどったようだった、「モーツァルトの年なのに・・・ブーレーズ?」 しかし、精緻で集中を要するウェーベルンはポリーニにこそ相応しく、ブーレーズの怖ろしいほどの難曲を、強靭に果敢に克服したポリーニは、常に新たな響きの世界へと、扉を開けて導く、ツァーコンダクター(Reiseleiter)のようだった・・・。
この日、ブーレーズのソナタには楽譜を置いて演奏したそうです。演奏後、譜めくりの女性に礼を言い、拍手を送ったポリーニ。そんなマエストロに会場は盛大な喝采を送り、アンコールにはドビュッシー「沈める寺」。素敵な演奏会だったことが察せられました。

ヨーロッパでマエストロの演奏会を沢山聴いていらっしゃるMartaさんからも、各地のリサイタルの様子をメールで伝えて頂きました。
6月23日のミラノでは、マエストロの希望でチケットが低価格で売られ、若い人たちが何人も来ていたこと、最後はスタンディング・オヴェーションで、聴衆が“Grazie!”と叫んでいたこと。マエストロも公演後“Questa sera ero FELICE!!"(今夜は幸せだった!)と仰っていた、とのこと。
シエナでは、時々そうであるように、彼は恐ろしくナーヴァスだった、ブーレーズのソナタがこの夜のハイライトで、溌剌としたテンポで、エネルギッシュで、とても活き活きしていた、と。
ザルツブルクでは、最高に調子が良く(in TOP FORM)、モーツァルトのソナタやアダージョの美しさに彼女は涙してしまった、マエストロも満足そうだった、と。そして新しいモーツァルトのCD(もうリリースされたのですね、いいな〜)に、深夜まで(!)サインをしていらしたとか。
お疲れ様でした、マエストロ!!

さて、批評や感想でザルツブルクの好調な様子を窺い知りましたが、昨夕はWeb Radioでその演奏を聴くことができて、私も幸せでした! パソコンも、録音ソフトも、ちゃんと働いてくれましたし(^^)v

ハ短調の2曲は、ちょっと“硬い”ような感じもしましたが(後で聴きなおすとそうでもない)、アダージョは、今のマエストロらしい、柔軟で細やかな、心の奥に届くような演奏で、ジーンとしてしまいました。
思えばポリーニが、これまでザルツブルク音楽祭でモーツァルトの独奏曲を弾いたのは、このアダージョ1曲だけ。1981年のリサイタルで、その数日前に亡くなったカール・ベームに捧げられたものでした。ベームとはこの音楽祭で協奏曲第23番(1977年)、第19番(1980年)を共に演奏しています。敬愛する老指揮者への哀悼のピアノ。この曲にはそんな感慨が秘められていたのかもしれませんね。
そして後半のウェーベルン、ブーレーズは、もうマエストロ・ポリーニの独擅場ともいうべき、卓越した演奏でした。テクニックの冴えはもとより、その響きの美しさに魅せられました。新しい響きの世界への導き手。Grazie, Maestro!と言いたいです。

18・19日のルツェルンでの演奏会で、マエストロの夏の活動は終わり。ゆっくり寛いで、お元気で秋を迎えられますように!
その演奏会は、スイスのラジオで放送され、Web Radioで聴けます。日本時間9月1日の午前3時から。DRS 2

スケジュール表にいくつか追記、日程の追加をしました。

2006年08月20日 16:08

夏の日の音(楽)は
数日前の朝、トンボが1匹スイーースイーーと飛んでいました。細身で透き通る羽で、かる〜く軽く風に乗っている姿は、爽やかさを感じさせます。もう夏なのねぇ、と思いながら、しばらく私も風に吹かれて眺めていました。
ところが次の日は朝からセミの声。ジィーーーーーーーーーーーッと間断無く続く声(音?)は、曇り空なのに十二分に夏の暑さ、いや暑苦しさを感じさせます。まだ梅雨なのにぃ・・・と思っているうちに、気温はどんどん上って真夏日に! 33度(+熱帯夜)、翌日34度(+熱帯夜)、さらに36度まで?!
一方では局地的な大雨で、落雷や洪水や土砂崩れの被害が出ている日本列島。今年もまた異常気象なのでしょうか。それがいつしか“フツウ”になりそうで、心配です。
皆様、暑さに負けずお元気で、ご無事に過ごされますようお祈りしています。

DGサイトのポリーニのページに、“What's New?”として、ついに新譜のジャケットが載りましたね。数日後にはTrack listingとして詳細データも。そのうち、試聴も出来るようになるのでしょうか。
一方、発売も予定より1ヶ月ほど早まるようで、嬉しいですね。ユニヴァーサルのコピーによれば、『深い瞑想に似たまなざしで見つめられたモーツァルト』との演奏会評(Die Presse)があったとのこと。主に緩徐楽章への感想かと思われますが、美しい曲想ばかりのピアノ協奏曲の緩徐楽章の中でも、この2曲の第2楽章の麗しさは、また格別なものに思えます。ポリーニの深い思いを経て、その繊細な手から、どんな美しい歌が生れ出るのか、本当に楽しみです。

この“What's New?”の「ノクターン集」のジャケ写をクリックすると・・・(もうご存知の方もいらっしゃると思いますが)“Prizes - 2006: Echo Award”という文字が目に飛び込んできました。
“Echo Klassik”はドイツの“Phono-Akademie”が選ぶ《ドイツのグラミー賞》ともいわれる権威あるレコード賞。特別賞を含め22のジャンルに分かれていて、マエストロの「ノクターン集」は“ソリスト演奏部門・19世紀の音楽”として選ばれました。ちなみに“同・20世紀の音楽”では、キーシン「ロシアン・アルバム」。“交響曲の部・19世紀音楽”ではアバド/BPOの「マーラー交響曲第6番」。
また特別賞は「音楽大使」として、白血病を克服して、長年その研究・治療を支えたホセ・カレーラスに贈られています。2002年にマエストロも受賞した“Lebenswerk”は、往年の名ソプラノのエリザベート・シュワルツコプフに贈られました。
授賞式は10月22日にミュンヘンで行われますが、アバド、ポリーニの両マエストロは、日本ツアーから戻ったばかり(すぐ帰国したとして)。出席はどうなさるのでしょうね。
ともあれ、素晴らしい「ノクターン集」が、相応しい栄誉を受けたのは、本当に嬉しいことです。マエストロ、おめでとうございます!! 晴れやかな気持ちで耳を傾けます。マエストロ・アバドのマーラー6番は「予習しなくっちゃ!」と、先日入手したばかり。新鮮な気持ちで、一層気合を入れて(?)聴けそうです。

今回の更新は、上記のニュース等を追加したことと、「2007年の予定表」を(やっと^^;)作ってUpしました。まだまだ情報が少なく、詳しいことも判らない段階です。新たな公演予定など、ご存知の方はお知らせいただけると幸いです。

2006年07月16日 16:58

熱き戦い
先月半ばから、TVも新聞もワールドカップで盛り上がり、熱気とともに時間が飛び去るようでした。日本勢が敗れて帰国して、梅雨の日本はちょっと湿っぽくもありますが、次第に落ち着きが戻ってきたようです。
そして早や七月。もう1年の半分が過ぎてしまった・・・と、ちょっとボー然としながらも、9月、10月も近づいてきたと、嬉しい気持ちも湧いてきます。

サッカーには余り興味がない(実は、ルールがよく判らない^^;)ので、時差をものともせずTVを見るということはありませんが、午前0時からの試合は、前半45分間、ついつい見てしまいます。
6月27日のイタリアvsオーストラリア戦もそうでした。「あら、デル・ピエロ様、いつからスキンヘッドに?!」なんて思いながら。
でも、同時に横目で見ていたのがCorriere della Seraのページでした。25・26日に行われたReferendum(国民投票)の“開票速報”。“Si(賛成)”が48%、“No(反対)”が52%。数分ごとに数字が変わって、差が開いたり、また僅差になったり。マエストロもTVで見ているかしら、それとも、やっぱりサッカー観戦? 午前1時頃、0対0、45%対55%くらいで、就寝。
翌朝、Webを見ると、トッティのゴールでイタリアの勝利、そして“No”が61.7%に。良かった〜! 早速、(^o^)v とお知らせを、と思っていたのですが・・・・・

イタリアの政治問題、詳しいことは判らないし、そもそも私などが関心を持っても仕方がないかもしれないけれど、マエストロが強い“No”の意思表示をしていることは、知っていました。
2週間ほど前、芸術家・科学者・専門職業者(医者、弁護士など学歴・資格を要する職)の委員会が「憲法改正に反対する声明」を発表し、マエストロは会見にも出席しました。音楽家ではAbbado、Accardo、Manzoni、Sciarrino達、ジャーナリストBiagi、作家Eco、腫瘍学者Veronesi、建築家Aulenti、Piano、その他多くの文化人が署名しています。

この憲法改正は、2003年に「政権安定のため」Berlusconi前首相が提案したもので、警察・教育・保健の行政権限を中央政府から州へ移すほか、首相権限を拡大し、現在は大統領が持つ議会の解散や閣僚の罷免なども行えるようにする内容でした。

これに対し、地方への権限移譲は南北格差を広げ、社会的弱者に厳しいものであり、保健・教育・文化という基本的権利の平等性が脅かされるものであること、首相の権限拡大は、三権分立という根本原則を破壊するもので、独裁への危険を孕むものであること、等が反対派の主張でした。
皮肉にも、先の総選挙で与野党が入れ替わり、与党が“No”、野党が“Si”を訴えることになったのですが・・・。

Ciampi前大統領が「市民のバイブル」と呼んだ現憲法は、第2次大戦への反省から反ファシズムの理念を強く掲げ、平和の象徴ともなっているものです。ポリーニも会見で、「この改正は、今後何10年も私達の生活に影響を与えるでしょう。ヨーロッパ主義に反するものであり、狭量な愛国主義につながります。単に右派と左派の対立ではないのです。」と語っています。そして投票に先立つ23日にミラノで「憲法を護るための」リサイタルを催すことを発表したのです。会場となるコンセルヴァトリオの理事長Micheli氏も署名した一人です。

曲目はベートーヴェンとショパン。「ベートーヴェンは自由とデモクラシーへの大きな理想を持っていました。『フィデリオ』を思えば十分でしょう。でも彼の他の作品にもこの熱い思いは満ちています。ショパンは虐げられた祖国ポーランドへの郷愁から霊感を得ました。彼の音楽は全ての少数派に捧げられているのです。」
このリサイタル、マエストロはノー・ギャラで、格安で売り出されたチケットは瞬く間に完売、激しい争奪戦だったとのこと。きっと熱気に溢れた演奏会となったことでしょう。
マエストロの熱い思いが通じて、真摯な行為が報われて、本当に、良かった! おめでとうございます、マエストロ!!

イングランドvsポルトガル戦を例によって前半のみ見て、zzzz・・・。
今朝見たら、なんと、勝ち進んだのはポルトガルと、ブラジルを破ったフランス?! WorldがEuropeに凝縮されてしまったみたいですね。それだけ、これからの闘いも、熱さを増すのでしょうか(ピッチの中だけにしてね)。
ドイツとイタリアが対戦する準決勝第1戦。開催国ドイツには“頑張って!”と思っていたけど、やっぱり、今度は、Azzurriを応援しなきゃ! でも、午前4時起きは、ツライなぁ・・・。

更新は、“2006-2007Season”に2件の予定を付け加えました。

2006年07月02日 17:27

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