時々の雑記帳

音楽のこと、ポリーニのこと、日々の雑感を、
時々(気まぐれに)、書き入れます。

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(7月〜9月)

天高く風も涼しい…
暑さ寒さも彼岸まで、というものの残暑厳しい今年の夏、いえ、秋です。真夏日の記録更新、暖秋、暖冬(これはありがたいけれど)と聞くと、やはり異常気象が気になり、地震、噴火も気になり出し、ついでに社会の出来事や事件の異常性も(天気と関係ないでしょうけど)気になり・・・。音楽やスポーツを心から楽しめる秋に、落ち着いた社会に、早くなってほしいものです。

マエストロはルツェルンでの活躍を終了され、今はミラノで寛いでいらっしゃるのでしょうか。
スイスのラジオを通じ、インターネット越しとはいえ、演奏会を聴くことができたのは、本当に嬉しいことでした。
シェーンベルクの協奏曲は(その前のバートウィスル、キブルツの現代曲の後で聞くと、尚更そう思うのかもしれませんが)現代音楽の古典という趣で、アカデミーの若い演奏家達の一生懸命な熱さに、ポリーニの洗練されたピアニズムが重なり、彼の掌中の曲(玉?)という感じもあって、素敵な演奏となっていました。
ブーレーズの「ノタシオン」は今回は管弦楽版。時間の余白にピアノ(ポリーニではない)版が放送されていましたが、素敵な曲で、いつかポリーニの演奏で聴きたいと思いました。

あれから一週間、マエストロは24日にクレモナで演奏会、の予定ですが・・・。曲目を知りたくて、Teatro Ponchielli に訊いてみたのですが、なんと「ポリーニの演奏会は確認されておりません」という返事。DGサイトに載っているというのに・・・。もしかしてまた「お忍び」でリハーサルに行く予定でもあって、それが間違って報告されちゃったのかしら? ミステリーです。

今回の更新は、先日掲示板でお願いしたように、2004年公演への皆様のご感想を、「Bravo e Grazie! Maestro!! 2004年の感動」というコンテンツとしてUpしました。この期間のご投稿を、CDのみの話題などは省き、ほぼそのままに載せさせていただきました。ご協力に感謝いたします。
それからスケジュール表に、アメリカ公演のプログラム、新しいリサイタルの予定等も載せました。

2004年09月23日 15:44

オリンピアの祭ももうすぐ終り…夏とお別れ
いつまで続く猛暑・・・と思っていたのに、このところの涼しさは10月並みとか。
虫の音など聴きながら、夏の終わりはいつもちょっと寂しい気がしますが、今日の曇り空には、なんだかワビシイ気持ちにさえさせられます。台風が去ったら秋の青空が広がるのでしょうか。それともやっぱりキビシイ残暑になるのでしょうか? 

今年のヨーロッパは昨夏の猛暑とは打って変わって涼しく、早くも秋めいているようです。
ポリーニのいるルツェルンも、快適な気候だと良いですね。なにしろ演奏会にアカデミーにと、大活躍のマエストロ。
28日はピアノ・マスタークラスも最終日を迎え、講演会(対談か)に続いて、受講者の演奏会。毎日4時間熱心に教えた若者たちの学習(?)の成果を味わっていられることでしょう。
お疲れさまでした、マエストロ!

「現代の音楽があまり演奏されず、支援されていないので、私が引き受けました。聴衆の、まして文化的組織の、熱心さの相対的な欠如が、現代音楽をおろそかにし続けさせています。ベートーヴェンの時代には、その作品は定期的に(日常的に?)演奏されていました。ところが今日では、史上初めて、同時代の音楽が200年前の音楽よりも聴かれていないのです」
「それは、前の世紀に(聴衆の)嗜好の習慣の虚を突くほど急激に、音楽の書法が発展を遂げたからです。もし(音楽的)財産を少数の人にだけ残すことを望まないなら、それにアプローチする新しい機会を創らなければなりません」(Corriere della Sera)

ブーレーズの創めたアカデミーに加わり、トップバッターとしてピアノ・マスタークラスを受け持ったポリーニ。相変わらず“熱い”ですね。
シェーンベルクとウェーベルン、ブーレーズ、シュトックハウゼンの曲を中心に教えるコース。6人の生徒の中には、アルベルト・ノゼの名もあります。前回のショパン・コンクールで5位に入賞し、世界的にも活躍をはじめているイタリアの若手。アメリカの演奏会の紹介文には「既にポリーニと比較されているヴィルトゥオーゾ・ピアニスト・・・」という一文もありましたが、現代音楽にも強い関心を持って、ポリーニの教えを受けるとは、将来が楽しみなピアニストですネ。

これに先立つ18・19日のアバド/ルツェルン管とのベートーヴェンの4番は、二人の深い信頼と友情を証しする素晴らしい演奏だったようです。
「(この曲は、何度も一緒に演奏されているが)昨夜は、彼らの感情的-音楽的な不思議な錬金術によって火をつけられ、世界中から集まった聴衆を、息もつけないようにしてしまった」
「ホール中の勝利を祝うような歓声によって、共演の喜びは成就された」
同じCorriereの記事で、アバドはポリーニとの友情を語っています。
「音楽だけではありません、マウリツィオと私を結ぶものは沢山あります。互いにとても尊敬しあっていること、文化への同じ考え方、同じ倫理観。そして探求を好むこと、決して満足することのない者は落着いていられないのですよ。」
「プローべの間ずっと、私たちは同じ直観を抱いていたので、言葉で説明しあう必要もありませんでした、私達の間にある調和(sintonia)とは、そういったものなのです。」
だが、生活や仕事の都合で二人は遠く離れている。
「このような相互理解があるときには、それは大したことではありません。私にとってマウリツィオと(の友情)がそうだし、タルコフスキーやクレパクスやゼルキンともそうでした。私達は時々しか逢いません、でも、いつも、まるで前の日に別れたばかりのようなのです」

深い友情から生まれた、大いなるsintonia(同調、調和、一致)。
ベートーヴェンの協奏曲の中で、協奏という言葉(競奏や、共奏でなく)が一番相応しいのが第4番ではないでしょうか。ベルリンフィルとのライブ録音盤を聴きながら、しみじみと思います。
曲全体に溢れる明るさ、力強い中に潜む優しさ、深い想い・・・「調和」を大切にし、それによって深い感銘と大きな喜びを生み出す音楽。
現在のアバドとポリーニの、そしてアバド・ファミリーともいうべき奏者達の集うオーケストラとの協演は、どんなに魅力的だったことか。聴きたかった・・・し、聴きたいですね!
会場にはTVカメラが入っていた(NHKも?)とのこと。実際にこの演奏会はArte-TVで9月5日に放映されます(遠い日本では見えないけれど)。EURO ARTSもこの企画に参加しているそうなので、いつの日かDVDなどリリースされることを祈りましょう。

スケジュール表に少〜し付け加えました。2005年の来日は10月(後半)〜11月ということ以外、何も判りません・・・でも、またマエストロに会える!と思うと、嬉しいですね(*^^*)

2004年08月28日 17:41

もう8月! まだ8月? 暑さはいつまで?!
暑中お見舞い申し上げます。また、豪雨や台風に襲われた地域の方に、心よりお見舞い申し上げます。
史上初の猛暑で、荒々しく異常な天候の今年の夏。皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。

夏の花が元気一杯に咲いています。百日紅、芙蓉、夾竹桃・・・。中でも百日紅の花の見事なこと! 花の重さで枝がしなって見えるほど(枝そのものがしなやかなのでしょうけれど)一杯の花をつけて、青い空の下で咲き誇っています。去年は冷夏で、9月ごろやっと花の盛りを迎えたのでしたが、今年は7月からもう「我が世の夏」を 謳歌しているようです。ピンクがかった赤の花も好きですが、純白の花も涼しげで綺麗、薄紫の花があることもこの夏に知りました。百日もの長い花期のある花ということですが、暑さも百日も続いたら、どうしよう・・・。

マエストロは7月中、夏休みを楽しまれたことでしょう。そしてお元気で夏の活動を始められたようです。
30日にはシエナでリサイタル。いくつかの新聞に紹介記事がありました。ある題名に「ポリーニはクライバーのために演奏する」とありましたが、Loginが必要で、読めませんでした。やはりポリーニも、悲しみの中にあってクライバーに哀悼の意を表さずにはいられなかったのでしょう。
半ば隠棲して人前に姿を表さないクライバーが、ポリーニの演奏会には時々“お忍び”で、お嬢さんと一緒に出かけて来た、とか。この冬のミュンヘンでのリサイタルにも、そんなことがあったかもしれないのに・・・。
私たち音楽ファン以上に、演奏家は皆クライバーの死に大きな衝撃を受けているのではないでしょうか。クライバーとともに演奏する、生命溢れる音楽を創造する喜びが、その希望が、永遠に失われてしまった、と。
我がマエストロも、いつの日か共演を・・・なんて、考えていらしたかもしれませんね。私も時々そんなこと(二人の共演)を夢見て、ブラームス、それともモーツァルト? ベートーヴェンだったら何番かしら?・・・そんな楽しい空想も、もうできなくなってしまいました。

1ヶ月ほど前に読んだインタビュー記事から。
「ショパンの夜想曲を録音しているところです。そしてシュトックハウゼンのピアノ曲のディスクを準備しています。その後ベートーヴェンのソナタ全集も続けるでしょう、今3分の2のところ、11が欠けています(10曲ですよ、マエストロ!)
それから、できれば最初からまた始めたいのです、なぜなら時とともに解釈も変わります、70年代に録音したソナタは、今日の解釈をもって為すのほど、充分ではないからです。」
(テクノロジーの進化が録音に寄与するか? との問いに)
「ええ、しかし私はそれを特に好みはしません。いつも、中断なしで、コンピューターのカットや貼付けなしで、最初から最後まで全曲を録音したものをプリントに渡す方を好みます。部分間のバランスは、中断せず(一気に)演奏する中にだけあるのです。もしテクニック上のミスがあったとしても、テクノロジーで改善できるなら、そのことから、演奏に、その充実した実行に、利をもたらすのです。」
(未だ敢えて取組んでいない音楽家はいますか? との問いに)
「スカルラッティが大好きです。でも、まだ人前で演奏する気にはなりません。私の畏れです、それは多分、私には相応しくないと思っているので、あるいは演奏会のプログラムにやっとの思いでそれを入れさせるので。」

アメリカ演奏旅行に、Purchaseという町がありました(DGサイトの情報)。一体どこにあるの?と地図を調べると、ニューヨークの北方にある、そばに大学とゴルフ場が点在する町でした。緑多いのどかな町に、音の良いホールがあるのでしょうか。マエストロも時にはゴルフなど、なさるのでしょうか???

2004年08月02日 01:02

夏は来ぬ
梅雨はどこへ行ってしまったのでしょう、暑い日が続いています。
紫陽花がしおれて可哀想に、と思っていたら、なんと、もう百日紅が咲いているではありませんか。夾竹桃の赤い花も・・・。夏の花は、暑い盛りに目にすれば、頑張って咲いてるねと、元気の素ともなるのですが、いま頃見ると、アツさも一入という感じになりますね(;^^;)。今年の夏は猛暑なのかしら・・・。

先月の末に引越しをしました。バタバタしているうちに、もう7月、もう七夕さま。1ヶ月以上も更新できず、それどころかパソコンに触れもせずの日もしばしば。マエストロの音楽を聴けない日もまたしばしばでしたが、この頃は少〜し余裕が出てきて、CDを聴きながら仕事(これも溜まってしまっている)したりしています。

というわけで、今回の更新と言っても、スケジュール表にいくつか追加しただけですが。
興味深いのは、ラヴェンナでのアンコール。即興曲第4番op.66・・・って、「幻想即興曲」? これはSurprise!ですよね。葉子さんご紹介の写真でも、素晴らしいリサイタル、満足そうなマエストロの姿が覗えましたが、熱い喝采に応えて、ついSurpriseが飛び出したのでしょうか。聴きたいッ!ですね〜。
それからクレモナの演奏会。ちょうど去年の今頃、ある不思議な記事を見たのです。
「ポンキエッリ劇場はしっかりと覆われ、秘密のうちであったが、舗道に止まったブルーのメルセデス、運転手つきの、ミラノナンバーの車は見逃されはしなかった。降り立ったのはなんとマウリツィオ・ポリーニその人である。」(・・・随分オーバーな書きぶりですが、つい嬉しくなってしまった私^^)。歌手達と一緒に、モンテヴェルディの歌曲を、「彼らしく」念を入れてリハーサルし、劇場を出たのは夜も更けてからだった、という記事でした。前回のクレモナでのリサイタルが大好評で(ラヴェル「夜のガスパール」を弾いたのです!)、鳴り止まぬ拍手に、ついに「また来ますから」と言ったマエストロ。その約束が果たされるのだ、と記事は結んでいました。
で、モンテヴェルディ音楽祭のHPを見たのですが、去年は出演はなし。「???」でしたが・・・1年後にきっとその成果が表されるのですね。「声」にノスタルジアを感じます、というマエストロ。1年前から熱心にリハーサルしていたマエストロ。本当にモンテヴェルディ(やジェズアルドや)の声楽曲がお好きなのですね。

今度の住居は、静かな環境で、周りには緑も多くあります。自然が大好きなベートーヴェンは「窓から緑が見えない家には住みたくない」と言ってましたっけ(引き合いに出すのは畏れ多いけれど^^;)。私も、落ち着いて、心安らかに、音楽により親しみたいと思っています。

2004年07月07日 12:14

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