時々の雑記帳

音楽のこと、ポリーニのこと、日々の雑感を、
時々(気まぐれに)、書き入れます。

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これ以前の日記帳はこちらを、すぐ前のものは「春」4〜6月を、次のものは「秋」10〜12月ご覧ください。

(7月〜9月)

September Steps
朝晩すっかり涼しくなりました。ついに、ついに、秋ですね。
夏の終わりはいろいろあって、更新もままならず、ふと気がつくと、あと1ヶ月でマエストロの来日。予習も未だはかどらない身としては、嬉しいような、焦っちゃうような・・・。先日など、いよいよプロジェクトが始まった!という夢まで見ました。コンサートの後で熱烈なファンの方たち(みんな興奮している雰囲気が夢の中でまで感じられて)とお茶しながら、だんだん終わっていってしまうのよねぇ、とタメイキついているところ。。。(ヤレヤレ、と言われそうですね^^;)

マエストロは今頃、ゆっくり休養、それとも月末から始まる秋の活動に向けて、準備をしていらっしゃるのでしょうか。来日直前まで多忙なスケジュールで、お疲れにならないかとちょっと心配。
でも、ミラノのリサイタルはプロジェクトに含まれる曲目、ロンドンでもバルトークの1番を共演、そうして弾き込んで、日本で披露してくださるのですね。

夏のペーザロでの演奏会の様子が載った記事がありました(Grazie, Arpeggioさん)
気になる「悲愴」など曲目ごとの批評ではないのですが。超満員の聴衆を前に、斬新きわまりない演奏がなされたようです。
「すべてが新しく、厳かで、ドラマティックで、興奮させるものだった」。
性急なほどの熱意、真理の輝かしい探求、演奏を通じその度に新しくなる音楽的『瞬間の創造者』であろうとする現代的な意識。その意識が彼と聴衆の間に強い運命的な絆を結ばせる。
文字通り爆発するような熱烈な喝采に応えて3つのアンコール。
ショパンを2曲、乙女を誘惑するようなものではなく、ショパンの曲の内容の真実、その苦悩と美しさを明らかにする素晴らしい演奏。
そしてリストの練習曲、力と予測不能な嵐に敢然と立ち向かうように。
これらは寛大さと友愛をもってなされた贈り物で、無比の味わいがあり、ポリーニと聴衆の間には特別な緊張が生まれた、まるで恋人同士の別れの挨拶のような、切実で悲痛なものが。
3度目には皆立ち上がり、強烈な衝撃的な感情にジッと聴き入り、心を揺り動かされ、驚嘆しながら、生涯の財産となる体験ともいえる出来事を分かち合う証人になったことを意識して聴いていた、 とありました。
また、ルービンシュタインが既に1960年に、ピアニスト界の「王位継承権をもつプリンス」とポリーニを評価していたことを挙げ、もし今生きていたら、60歳のポリーニに「王」か「皇帝」の冠を戴かせただろう、と書いています(同感です!)

ペーザロは、ポリーニの演奏をしばしば聴ける数少ない幸運な町、ともありましたが、事実ポリーニはこの土地が大のお気に入りのようです。毎年、夏の休暇に滞在するとか。
アバドやアッカルドなど、多くの芸術家達が避暑に訪れる町で、プライヴェートな交際をし、アドリア海を眺めて(泳いで?)静かに過ごされるのでしょう。

2002年9月14日 16時48分

往く夏、来る秋
立秋を過ぎても今年の夏は相変わらず暑いッ!と思っていましたが、ここ数日は涼しい日が訪れています。台風の影響なのでしょうが、過ぎ去った後はどうなるのかしら。人混みを避けて、夏の終わりに「避暑」を予定している私、あまり涼しくなってしまっても・・・と、勝手なものです(^^;)。
お盆休みも終わり、また仕事に戻られる方、そろそろ宿題(ご自分orお子様)が気になる方、秋ももうそこまで、ですね。

ザルツブルクでのリサイタルを最後に、マエストロの夏の音楽祭での活動は終了。ご自宅で、それともお気に入りの保養地で、夏の終わりを寛いで過ごされることでしょう。
ペーザロでの曲目は、ベートーヴェンのソナタ第7番と8番「悲愴」、後半はショパンの夜想曲Op.32とバラード4曲でした。シエナ、ペーザロでの「悲愴」は、どんなだったかしらと、気になるのですが、批評を見つけられません(どなたかご覧になったらお教えください)
ザルツでは、演奏会前にインタビューがあったようで(まだ読めません^^:)、やはり何処に行っても注目を集めるマエストロ・ポリーニ、ですね。

で、ここにもインタビューを発見!とはオーヴァーですが、「音楽の友」9月号。
『来日演奏家速報2003』という特集なので、「もう、しばらく関係ないわネ」と思いながら(それでも「マ」「ポ」の字を探すワタシ)パラパラ見ていたら、ポリーニの写真が載っているではありませんか!(P152〜155)
6月、パリのリサイタル(日本でのベートーヴェン他と同じプロ)後のインタビューでした。プロジェクトのことから、音楽への接し方、様々な事柄への広い関心等、彼の人間としての魅力が伝わってくるものです。日本文化がお好き、というのも嬉しい。それにショパン「ノクターン」をレコーディング予定とも\(^o^)/。ご一読をお勧めします。

DGサイトでモデナのリサイタル、Mostly Classicではロンドンの演奏会の情報を見つけました。ブーレーズとバルトークの1番。なるほど、良いですね。
プロジェクト前もご多忙なマエストロ。秋のシーズン・オープニングまでゆっくり休養して、お元気で来日されるよう願っています。

2002年8月19日 10時14分

夏の昼下がり、睡蓮よりも睡魔が・・・
暑い日が続いています。海へ、山へ、はたまたオフィスへ涼を求めて、皆さま楽しい夏を過ごしていらっしゃることでしょう。8月を迎えてこのHPも、夏バージョンにしてみました。

夏の花では、百日紅(さるすべり)が好きです。ピンクに近い赤の色合い、華やかなのに繊細な花、しなやかな枝を伸ばす木の姿も良いですね。
写真を撮りに行こうと思っていたものの、日中出かける元気もなく、素材を探したけれど適当なものがなくて、一転、睡蓮の写真を借りてきました。
睡蓮→モネ(の絵とは全く異なる印象の写真ですが)→ 印象派 → ドビュッシー → 前奏曲 → ポリーニ・・・く、くるしいコジツケ(^^;)。睡蓮の花言葉は「心の純潔、純情、冷たさ」、ちょっと涼しそうでしょう?

それよりも(?)、indexの写真です。「さすらい人幻想曲」のLPを先日見つけました。CDの写真(以前このHPに飾らせていただきました)と同じものと思われますが、色合いの関係からか、少し印象が違います。CDの柔らかな優しい雰囲気、こちらのシャープで怜悧な感覚、どちらもステキなポリーニですネ(*^^*)(相変わらずミーハーで。暑さのせいと思って、お許しください。)

演奏会の予定がまたいくつか判りました(Arpeggioさん、ありがとうございました)。
10月2日にボローニャで、Musica Insieme(一緒に音楽を、でしょうか、室内楽を主としたシリーズのようです)のオープニング・リサイタル。
ところがそれに先立って、大ピアニストに敬意を表して、特別の序章(prelude)として9月30日に長編(?)映画が上映されるというのです。“Pollini e la sua musica(ポリーニとその音楽)”で、「勉学(練習?)の時から、演奏会前の舞台の幕の後ろまで、教育者としての責任まで、様々な面を見せながら、彼の芸術の変遷を語る」というもの。以前にTVで放映されたものか、別の新しい作品なのかは判りませんが、見たいですねー。

もう一つは来年のスケジュール。4月にフィレンツェにて、メータとの共演でモーツァルトの27番です。この時、ダニエーレ君も出演して、ラヴェルの協奏曲を弾きます。父子共演というんでしょうか、とても興味を惹かれる演奏会ですね。
ダニエーレは7月にラヴェンナで、指揮者としての活動を始めましたが、その時はポリーニも聴きに行っていたとのこと。
その時のインタビュー(ダニエーレの)では、やはり父子の関係が注目されていましたが、ポリーニは息子を信頼して見守る、とても良いパパのようです。音楽に関しても率直に意見を交わし合い、時々四手で演奏する時は、ポリーニがオーケストラ・パートを弾くのだとか。「でも、やっぱり父は(教師としてより?)ソリストとして素晴らしいと思う」とか言ってました(かなり怪しい読み方ですが^^;)。
いつの日か、ダニエーレの指揮でポリーニが協奏曲を弾く、本当の父子共演が実現するかも知れませんね。

そのダニエーレの演奏会、RAI交響楽団を指揮したベートーヴェンの交響曲4番と7番を、 RAIのRADIO3で放送します。
 9月15日 17:15から(日本では16日0時15分・・・まだ宵の口?)

 http://www.radio.rai.it/radio3/

2002年8月3日 00時54分

もうすぐ夏休み
台風6号は各地に大きな被害をもたらしたようです。皆さまの方は大丈夫でしたか。過ぎ去った後は、もう真夏の陽射し。梅雨はどこへ…?と思っているうちに、またまた7号が接近、皆さまお気をつけて。そして過ぎ去れば、やっぱり真夏・・・でしょうか。夏休みも、もうすぐですね。

マエストロの夏は、今年も元気にご活躍。まず、今月下旬から10日間、シエナでセミナーを開かれます。
@シューマンorショパン Aドビュッシー(前奏曲集T・U、練習曲)Bシェーンベルクorウェーベルンorブーレーズ、この3つのいずれかを選んだ3名の生徒(テープ審査で選ばれた)に、公開の場でレッスンが行われます。
講師の紹介文を見ると、簡単な経歴のあとに「非常に込み合った(埋め尽くした)昨年のレッスンに続いて、講師として再登場」とありました。「満員御礼」だったんですね(生徒さん、あがっちゃうだろうなぁ)。仕事ではあっても、若い熱心な学生達に囲まれて、マエストロもきっと楽しい時を過ごされることでしょう。夏休みにイタリア方面へ旅行なさる方がいらしたら、シエナにもお立ち寄りになってみては?

今回はスケジュール表を更新しました。来年3月のローマにおけるプロジェット・ポリーニの詳細が発表されたのです。リサイタルを初めと終りに置き、間に5回の声楽、室内楽の演奏会。内容は東京のものと同じ、共演者も殆んど同じで、ただ器楽奏者はサンタ・チェチーリア管弦楽団のメンバーが担当します。講演会が予定されているのも、ポリーニらしいですね。これはエンツォ・レスターニョ先生(トリノ大学の音楽史教授)と一緒に「Festival Polliniの音楽について」(対談でしょうか)。ポリーニ祭り、っていうのがいいわネ(^^)。
協奏曲の回は無し・・・、と思いきや、プロジェットが終了した3日後に、サヴァリッシュさんの指揮で「皇帝」を、それも3回も! マエストロ、やる気満々ですねー。
サンタ・チェチーリア管とは今年12月の新ホール・オープニングでも共演の予定、32年ぶりだそうです。指揮のチョン・ミュンフンさんとは初めてでしょうか。曲は「合唱幻想曲」、ポリーニの輝かしい音が響きわたり、柿落としに相応しいことでしょう。

2002年7月16日 01時38分

今年はお熱い七夕様?
W杯には興味ないわ、と言いつつ、喜怒怒怒哀楽に揺れた日々でした(^^;)。
気がつけば、もう7月、七夕さま(全然関係ないけど)までには更新を!と、頑張って(イタリア時間では)間に合ったようです。1年に1度の逢瀬の七夕さま、今年は晴れて良かったね(雲の上はいつも晴れてる)。この秋はマエストロに10回も逢える(意味が違う!)けど、これって、10年分?(じゃないですよねぇ…)

さて、今回の更新は、Corriere della Sera に載ったインタビューをUPしました。日付は不明なのですが、おそらくベームの命日を前にした去年の夏ごろでしょう。
ベームのモーツァルトに心酔していたポリーニが、共演を依頼し、老指揮者はその頃はもう、伴奏にあまり興味を示さなかったにも拘らず、「若い才能のある人の役に立てるのは、嬉しいことだ」と快く応じたと言われます。
19番、23番ともに、モーツァルトらしい典雅で気品に満ちた音楽の中に、生き生きした喜びと、温かさがにじみ出ているのは、年齢の離れた二人の、互いへの敬愛があればこそなのでしょう。
このところANDANTEのCDで、ポリーニの弾き振りの3曲を聴いていますが、この演奏の背後にも、ベームとポリーニと、そしてウィーンフィルのメンバーが作り上げた協調が感じられて、心を打たれます。
「単調さはモーツァルト演奏の最悪の敵だ」と述べているのも、興味を引かれます。ポリーニの演奏は端正な中にも、リズム、フレージングの絶妙さで、説得力、魅力に溢れたものになっていますものね。
モーツァルトをもっと弾いてほしい、録音して欲しい、と思うのは、欲張りでしょうか。

2002年7月8日 02時24分

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