時々の雑記帳

音楽のこと、ポリーニのこと、日々の雑感を、
時々(気まぐれに)、書き入れます。

しばらくは、更新状況もここに書きます。
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このほかの日記帳はこちらを、すぐ前のものは「冬」1〜3月を、次のものは「夏」7〜9月ご覧ください。

(4月〜6月)

"apollinisch"?
"apollinisch"という言葉をご存知でしたか?
"Der Standard"紙に、ウィーン芸術週間のショパン・リスト演奏会の批評記事にありました。「ポリーニ的」とでもいうのかと思ったのですが・・・、「アポロ的」だそうです。

『彼は音色を好んで明るく輝かせ、作品の構築を明確な輪郭で差し出すのである。彼の進み方は調和の取れたもので、適切でまたアポロ的(apollinisch)である、Polliniが"apollinisch"と言う言葉の中に見事に嵌まり込んでいることが偶然とは思えないほどに。』

オオッ!と感心しつつ、オーストリア人もダジャレを言うのね(^^)と、ちょっと可笑しくなりました。
このように書きはじめながら、『角氷的音楽の詩論へ』(?)と題したこの批評は少々辛口です。

『ショパンにおいてはまたイタリアのミニマリスト(?)は透明性と分析論の保証人である。そして疑いなくその結論は、感傷性は解釈の完全性に対するうわべの安っぽい勝利にすぎない、という認識に帰せられる。それによって彼は、最後の涙を絞りとることによらずに、音楽の壮観さと圧倒的なものに到達するのである。
さてこの透明性と感情的であることに対する懐疑は、硬い、冷たい態度に変わる危険を常にもっている。それは我々に、あまりにも超然とした曲に対する執行人として、演奏者を思い浮かべさせる。我々はウィーン・コンツェルトハウスで既にそのようだったかもしれない、そこではショパンに対する距離の取り方が、ポリーニの独奏の夕べの殆ど主要動機となっていた。
プレリュードでは指示の通りに旋律的につとめ、バラード2番では青白い歌(カンティレーナ)を奏した。ポリーニは客観的に表されるフーガ主題の優位の中に(ここはよく判らない^^;)ショパンの歌を据える。にもかかわらず、それは明らかにするよりもむしろ無関係に働いた。主として冷たく供されたショパン、特に耳の落ちそうなスケルツォ1番、ポリーニは線(旋律?)の轟くようなドラマティックさと、熟考しながら音色を保つことを交替させるのを断念し、機械のようなエチュードで本式に腕前を見せた。
リストの心情のモノローグ、ソナタロ短調は、このような快活で考え深い把握にその点では意に沿っていて、彼は構造を引き締め、造形的に演奏した。ここではまたポリーニはむしろドラマティックな地震(?)に興味があるようだった。彼は冒険を楽しんでいるかのように調和の世界に身を投じた、しかし作品の叙情的な急所に確かに触れることはなしに。最後にのみ、下降の連続が今一度苦しげに列をなしてくる時、あちらの(彼岸の?)緊張の幻影があった。少しばかり遅すぎた。』

・・・要領を得ない訳(どころか間違っているかも^^;)でごめんなさい。

もうひとつ、"Wiener Zeitung"紙の短い評を載せておきます。

『感動的なまでに完璧:激情(Pathos)なしの叙述』

『マウリツィオ・ポリーニは我々のシーズンにおける彼の最近のピアノの夕べを、ショパンのいくつかの短い作品(バラード2番!)で開始し、その後幻想ポロネーズとスケルツォ1番に取り掛かった。
彼はこれらを模範的な明晰さの、しかしまた冷静なやり方で、過度の情熱を避けた方法で行った。しかし彼は比類無く"語る"ことが出来る、つまり叙述(Narrative)は彼の演奏様式において本質的な要素であり、そこでは精神の緊張が副の役割を果たすことができる、と。
プログラムの一部として捧げられたリストの重要な作品はソナタロ短調であった。おそくとも今、卓越したミラノ人の成熟したテクニックに対する賞賛の言葉は適所を得ている。それはこれまで唯ピアノ演奏の大家として彼に明示されていたのだが、今はまた、芸術家としての、緊張に富み、強い感情により印象づけられた力の傾注が、称揚さるべきだろう。それはあらゆる点において完璧であった。』

25日はパリで、やはりショパンとリストによるリサイタル。今度はどんな風に迎えられるのでしょう。
21日のバルトークの協奏曲は、ホール中の大喝采とブーレーズの称賛を受けた(それしか判らない^^;)とありました。

ケーさん、三須さんのお知らせを頂き、来日プロとアンコールに追加を載せました。ありがとうございました。(新情報にはを付けました。)

2001年6月26日 00時20分

これっきりですか〜?!
期待が大きすぎたのでしょうね・・・。本当に短い「再会」でした。
NHKって、こういうツクリしか出来ないのかしら。
でも、まぁ、マエストロのお顔が見られ、言葉が聞け、演奏が少〜し聴けただけでも、良かった!と思うことにします。
(でも、「完璧主義について」という点はあまりよく判らなかった私です。)
アルゲリッチは殆ど耳に入らず、今、キョンファさんのブラームスを聴いて、
心を落ち着けています。すごく良い演奏ですね、曲も素晴らしいし。

今日(17日)CD屋さんへ行ったら、もう音友7月号が並んでいました。表紙がポリーニ。
インタビュー記事(来年のプロジェクトについてが主)、演奏会批評、新譜紹介もあったので、迷わず購入。
でもレコ芸7月号の案内を見ると、こちらにもインタビュー記事が載るようだし、当然シューマンの月評もありますよね。
「ショパン」や「ムジカノーヴァ」にも載るだろうし・・・、お財布と相談しなくては。

それからWEBの「ぶらあぼ」のNEWS(大耳小耳)にも、ポリーニ・プロジェクトの概要が載っています。鶏掲示板でご報告を読んでいたので、目新しくは無いのですが、プログラムについてのポリーニの説明の要約が一部添えられています。
http://www.mde.co.jp/menu.htm

7月1日(日)CLASSIC7(CS放送)22:00〜24:00の「ワールド・ライブ・セレクション」で、
4月10日のザルツブルク復活祭音楽祭の放送があります。アバド/BPOとの「合唱幻想曲」。
残念ながら私は聴けませんが、お聴きになれる方、ご感想などお寄せいただけると幸いです。

arpeggioさんからのお知らせでスケジュール表を、ズーさん、Bunさんのお知らせでアンコール表を更新しました。ありがとうございました。

2001年6月18日 01時09分

わたしはピアノ・・・って題は、ネェ(^^;)
曇り空のうっとうしい日曜日。こんな日は家でPC & CD三昧にかぎります(^^)。
来週の日曜日、17日夜10時は、テレビの前に「全員集合!」ですね。
NHK教育TV、芸術劇場「わたしはピアノ〜マウリツィオ・ポリーニ」。
NHKのHPから「アートのツボ」として紹介されていた文をコピーします。

 6/17(日)
 マウリツィオ・ポリーニ “完璧な演奏”とは何か
  圧倒的な集中力とあふれる知性。精確無比なピアニズムで20世紀最高のピアニスト
  として君臨するマウリツィオ・ポリーニ。
  今、ポリーニは聴衆の理想から離れ、より自由におおらかなピアニズムを獲得しよう
  としています。それは超人的完成度を誇ってきた演奏にも変化を与えています。
  “完璧主義の使徒”と評されて長いポリーニは、今、“完璧な演奏”についてどう考
  えているのでしょうか。孤高の天才の現在を描きます。

ウ〜ン、楽しみ! 絶ーッ対、見なければッ!
以前、鶏掲示板に「ポリーニ&アルゲリッチ あふれ出るピアニズム 」とご紹介し、スケジュール表にもそのように載せましたが、どうやらポリーニのインタビュー等が30分間あり、10時半以降にアルゲリッチのインタビューとチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」放映のようです。(その後、チョン姉弟のブラームスのヴァイオリン協奏曲もあります。)

スケジュールといえば、夏の音楽祭の曲目がわかりました。
8月10日シエナでは、キジアーナ音楽院の夏の音楽祭への出演。
arpeggioさん、お知らせありがとうございました。美しい古都での、70回目という由緒ある音楽祭のようですね。
8月14日はザルツブルク音楽祭でリサイタル。
曲目はどちらも、
ブラームス:幻想曲Op.116、ウェーベルン:変奏曲Op.27、シュトックハウゼン:ピアノ曲X・\、ベートーヴェン:ソナタ第24番、第23番「熱情」
(前はよくブラームス、ウェーベルンに「ディアベッリ」を組み合わせていたようなので、鶏掲示板に早トチリして書いたような気もしますm(_ _;)m。)
このプログラム、来年の日本でのプロジェクトでも、リサイタルに取り上げられますね。
こうして弾き込んでいって、そのうち「熱情」と24番を録音するのでは・・・? などと期待が膨らんできます。
シューマンもドビュッシーも勿論楽しみだけど、ベートーヴェンのソナタ全集も是非完成させてほしいですね。できたらバガテルなども一緒に、と、お願いしたいところです。

2001年6月10日 17時47分

紫陽花が好き
6月になりました。「5月」はズーッと前から光り輝いて「熱望されていた月」。それが過ぎ去っての6月は、なんだか「寂しい月」に感じられます。梅雨のシトシト雨、ドンヨリ曇り空、ムシ暑くって、ウットウしい・・・。
でも、雨の日は家で、のんびり音楽を聴いて過ごすのも良いですね。マエストロの演奏中のお姿を思い浮かべながらCDを聴くのも、また格別です。
一方雨の中を歩けば、街角や庭先に紫陽花の花。青や紫、白い花が涼しげに、けれど華やかに、目を楽しませてくれます。冷んやりした雨は、のぼせた頭を冷やし、心に落ち着きをもたらしてくれるでしょう。あの感動の余韻を大切にして、過ごしたいと思います。
さて、今度の更新は? お待ちかねの方もいらっしゃるでしょう、フロント・ページの写真!です。
ズーさん(ありがとうございました!)から頂いた「1986年のプログラム」に掲載の写真。演奏直後の表情でしょうか、なんとも言えない魅力的なお顔(*^^*)! ピアノに手を置いた姿からも、演奏後の昂揚感が感じられ、聴衆の歓呼の声が聞こえてきそうな写真ですね。ゾクゾクしちゃいます!(アァ、少し頭を冷やさなくては・・・^^;)。
どうぞ2枚ともゆっくり眺めて、でもそこで留まらず(^^;)に「MENU」へ進んでくださいね(^^)。
「プロジェクト・ポリーニ」をUP、併せて「2002年のスケジュール」(気が早いコト)も作りました。「2001年」「アンコール」にも追加を載せましたので、ご覧いただければ幸いです。
2001年6月1日 18時40分

"Pollini Days"が過ぎ去って
ポリーニ・リサイタルがすべて終了して5日。もうマエストロは日本にいらっしゃらない、と思うと、寂しさと虚脱感でこの数日はボーッとして、時々ウツ状態(^^;)で過ごしました。
そろそろ気をしっかり持ち直して、いつもの平穏かつ平凡な日常を取り戻さなければ。
ここで、ショパン・プログラムの2日間の感想をまとめておきたいと思います。

オール・ショパン・プログラム。バラード4曲の連続演奏というのも驚くべきことだが、幻想曲に幻想ポロネーズという傑作を並べた前半も、豪華で充実したものだった。
ドキドキしながら迎えた18日、前奏曲25番の静かな響きがピンと張り詰めた会場に流れ出し、その美しい音にまず感動。純粋な澄んだ音の中に、柔らかさ、暖かさが感じられ、小曲ながら一つの世界が描き出されているようなこの曲を、ポリーニは繊細さと絶妙な音色で聴かせてくれた。ショパン・リサイタルの幸せな開始。
続く幻想曲はスケールの大きな演奏だったが、私のイメージからは、少し早すぎたようにも感じられた。フレーズの継ぎ目などに、あと一瞬の間が欲しい、というような。プログラムのもう少し後だったら・・・、より自由な飛翔があったかも・・・などと思いながら聴いていた。2日目もちょっとノッていない様で、ポリーニがピアノと孤独に闘っているような感じを受けた。私自身がこの楽想豊かな大きな曲に慣れていないこともあり、集中し切れなかったということもあるのだが。ここで一旦拍手を受けて退場。
次の2曲のノクターンは美しい演奏だったが、何故かあまり記憶に残っていない。すぐ続いて幻想ポロネーズ。次第に集中を深め、音楽に入っていく様が目にも見え、音にも聴こえて、ショパンの孤独とやり場のない悲しみがポリーニのピアノから表れるような迫真の演奏だった。スケルツォ1番の迫力は壮絶なほど。ポリーニも完全に音楽に没入し、特に22日は怒涛のような激しさとトリオの優しさが見事に対比された圧倒的な名演だった。
休憩後もまだ興奮醒めやらず、それどころか会場内は期待でさらに熱気が高まったようだ。
またもやドキドキしながら聴いたバラード第1番。18日の演奏は、今まで聴いたどの演奏よりも美しいと思わされた。名曲中の名曲、誰が弾いても弾き栄えがする曲なのに、なぜか今まであまり感動したことがなかったのだ。でもポリーニの演奏はドラマティックな流れの中に美しい歌が充分に歌われ、心に迫ってくるものだった。やっぱりライヴは凄い・・・。
なんだか呆然として聴いた2番。22日にはこちらもじっくり味わって、この曲の大きさ、充実感がよく判った。
3番の、淡々と展開していく中に描かれていく詩情と、湧き上がってくる憧憬の切ないまでの美しさ。音の美しさが特に印象的。
そしてラスト。ここまでの時間のなんと短かく感じられたことか。4番を聴きながら、「時よ留まれ、汝は美しい!」と思わされる瞬間のいかに多かったことか。ポリーニは全身全霊を込めて、凄絶とさえ思われる迫力で弾き切った。アァ、凄かったーーーッ!! 特に22日。本当にこれが最後、という想いで聴いたからだろうか。
割れるような拍手。ポリーニの満ち足りた表情。沢山の花束。ポリーニの優しい笑顔。でも22日は、ちょっとお疲れのよう。
アンコールは18日は5曲。「エオリアンハープ」「革命」「雨だれ」「木枯し」そして「子守歌」!
曲名だけみれば、名曲シリーズのようなポピュラーな選曲だが、ポリーニの手からは1曲1曲凛とした、清潔な音楽が表れてくる。最後の子守歌の美しかったこと!
22日は3曲。「エオリアンハープ」「革命」そして「沈める寺」!
「沈める寺」は「ミケランジェリに捧げるコンサート」として奏されたのだろう。ショパンの世界とはガラリと異なる、精妙な洗練された音の世界が現出した。光に満ちた、神秘的な世界。深く沈み、また幻の如く大きく聳え立つ世界。圧倒的名演だった。アルゲリッチがラヴェル「水の戯れ」を捧げたことを思う。一人の天才と、若い二人の天才の絆に思いを馳せる。
ホールが明るくなってからも何度も舞台に出てきてくれたマエストロ。今までの演奏会ではなかったことではないだろうか。聴衆の拍手の熱さも、スタンディング・オヴェーションもあまりなかったこと。本当に素晴らしい演奏会だった。

充実した演奏会で、現在のポリーニの偉大さが明らかにされた、素晴らしいリサイタルだったと思います。けれどいくつかの事柄が、時々浮かび出て、チクチクと棘のように痛むのも事実です。
ひとつに音の問題。美しい音で、輝きも強さも、また微妙な繊細さと温かみもあったけれど、音の込み入った部分やフォルテの箇所では、鮮明さを失って音の塊になってしまうことがありました。ホールの音響の問題かとも思いますが、やはりポリーニの明晰な音のテクスチュアを聴きたかった!と思います。
もうひとつは、ミスの問題。ミスタッチがあってもポリーニの集中力は揺らぐことなく、逆にそれを契機に緊張感をさらに高めて、素晴らしい演奏になったこともありました。でもミスタッチ以上のポリーニらしからぬ一瞬もあり、それを瞬時に克服して弾き進んでいった見事さには感動しましたが、今後はこういうスリル(^^;)を味わうことも時々あるのだろうかと、ちょっと不安も感じました。ポリーニの目指しているのは音楽表現における完璧性であり、テクニックのみにそれを求めるのは適切でないでしょう。その姿勢を鮮明にしたポリーニであり、その彼をしっかり見つめていくべきなのが私達なのですね。

2001年5月27日 00時40分

5月12日・熱気溢れる演奏会
心臓がドキドキして、なぜだか涙が出てきて・・・。
感動を通り越して、もう、超興奮してしまった!という感じでした。
会場にいらした方は、同じようなお気持ちではないでしょうか。
言葉ではとても表せない、というのが本当なのです・・・、が、やはり書き留めておこうと思います。眠れそうにないことだし。

凄い演奏会でした。
アレグロも、クライスレリアーナも完璧! 急速なパッセージは緊張感、迫力いっぱいに、またゆっくりした曲の抒情性は優しく深く、歌がくっきりと歌われて、それぞれの曲が味わい深い演奏でした。ポリーニのクライスレリアーナ、最高です。もうホロヴィッツの呪縛から完全に解き放たれました。本当に聴けて良かった!
でも、休憩後のリストのソナタがまた本当に凄かったのです! あの緊張感、集中力の持続は驚異的です。神の技、或いは悪魔の力を借りたか、と思えるほど。
私の席は4列目やや左より。右手と斜め後ろからの横顔がかなり近くに見えます。
時々ポリーニの発するうなり声が聞こえて、難曲と格闘しているかのような緊迫感。しかしまた大曲を知り尽くし、完全に手中に収めている余裕。壮大に劇的に展開していく中で、ひっそりとした詩情が細やかに歌われる、その優しさ。曲の素晴らしさとリストの偉大さがまざまざと感じられる、素晴らしい、偉大な、卓越した、ポリーニの演奏でした。

弾き終えての安らいだ笑顔。拍手に応える嬉しそうな笑顔、花束を受け取る(今回は10人位)優しい笑顔。素敵な表情を間近で見ました。ポリーニ自身も満足した演奏会だったのでしょう。
アンコールはなんと6曲!
まず、ショパンの「ノクターン」(何番でしょう?)リストの火照りを静めるような、柔らかい香しさのある演奏でした。
次に「24の前奏曲」から最後のニ短調の曲。続いて趣を変えて、洒落た味わいのドビュッシー「12のエチュード」から第3番。
鳴り止まぬ拍手に応えて「沈める寺」(ここから私も勇気出してスタンディング・オヴェーション)。さらにショパンの「エチュード」Op.10-4。なおも盛り上がる拍手に応えて、リスト「超絶技巧練習曲」第10番!!! こんな曲が有ったの?!と思わされるような、本当に凄い演奏でした。
休憩時間20分を入れても8時50分くらいに終わったけれど、本番だけでも充実した演奏会でした。アンコールでさらに30分くらい盛り上り、熱気に溢れた素晴らしい会となりました。
日本の聴衆の熱い熱い想いを、きっとポリーニもひしと感じてくれたことでしょう。
次のショパン・リサイタルも、また大いに期待できそうです。皆で盛り上げましょうね!

2001年5月13日 01時58分

昨日・今日・明日・・・
12時。5月12日。カウントダウンが「今日」になりました。さぁ、いよいよ! ワクワクしちゃって眠れない・・・。
昨日は新しいCD、リストのソナタなどを聴いて過ごしました。
やっと発売された「ダヴィッド同盟舞曲集・ソナタ第3番」。
ジャケットがどうの、写真がどうの、輸入盤を待とうか、なんて迷っていたのもどこへやら、 早速買わずにいられない程、待たされましたね。
一体どうして? ポリーニ本人のOKが出ないの? と一抹の不安もありましたが、聴いてみたら、やっぱり素晴らしい演奏でした!
ホッとして、嬉しくって、なんだかジ〜ンとしてしまいました。
「ダヴィッド同盟」は、84年のザルツブルク・ライブを愛聴していたので、はじめ、ちょっと戸惑いました。大きく違うところはないけれど、細部に「アレ?」という点もあって。(もしかしたら楽譜の違いがあるのでしょうか)
新譜のほうが強弱のつけ方や、曲想の対比が大きいような気がします。でもそれぞれの曲の連なりは自然で、調和の中にある。音色の孕む豊かさから、内省的な面の深さと細やかさが感じられて、その美しさには心打たれます。
ライブ盤のほうは全体に若々しい勢いと流れがあり、その中での穏やかな曲の優しさ、美しさはまた格別なのですが。
若い日のライブと現在のスタジオ録音と。どちらも素晴らしいけれど、今のポリーニの姿、その大きさ、豊かさ、温かさを感じさせてくれるこの新譜に、感謝の思いです。

・・・ワクワクしちゃって眠れない・・・のに、ここでzzz。。。(明日のためにヨ〜く寝て、体調を整えて、夜に備えなくては)

おはようございます! ヨ〜く寝ました!
そういえば数日前、ポリーニ様の夢を見ましたっけ(*^^*)。
ヨーロッパらしき石を敷きつめた広場に、古い石造りの建物のアーチ型の入口から出てくるポリーニ(らしき人)。大勢の人が囲み、機嫌よく談笑している。私は握手してもらおうと近づくのですが、「アッ、今は参拝中なんだ」となぜかハッと気付き、自粛する、というもの。でも、目が醒めてからもシアワセでした・・・。(スイマセン、バカらしい夢の話などお見せして^^)
きっと、ヒートアップしている頭を冷やしなさい、ミーハーはダメよ!という忠告なのでしょう。
今日1日清く(?)過ごして、夜の演奏会に出かけましょう。
皆様も、ご感想、ご高評、気付かれたこと、他なんでも、ご自由にお書き込みくださいね!

2001年5月12日 09時48分

もういくつ寝ると・・・
カウントダウンもついに1週間をきりました! 皆さまもカレンダーを眺めてワクワクしていらっしゃることでしょう。早めに来日するというポリーニのこと、もうすでに東京に着いているかもしれませんね。同じ空の下(空はひとつでしょ!)にいる、と思うとそれだけで嬉しくて、東京の雑踏にも耐えられるような気がします。ホテルでピアノを弾きながらゆっくり体調を整え、当日は朝から調律に立会い、夜の演奏会に臨む・・・。いつでも真剣勝負のマエストロ、少しは日本の春〜初夏を楽しんで頂きたいけれど・・・。せめて爽やかな(沖縄は梅雨入り!)晴天がつづき、ホテルの窓からも五月晴れの青い空(イタリアの空はもっと青い!・・・ツッコミが多いなぁ)や新緑が眺められますように。
ゲスト・ブックにお知らせがあったので、お読みになった方もあると思いますが、4月29日のロンドン公演評が、5/1付GUARDIAN紙に、そして5/2付THE TIMES紙にも載っていました。ロンドンにはしばしば行くのかと思っていたけれど、毎シーズンに1・2回の公演(昨年は協奏曲でも1回)、聴衆はいつも熱烈に敬意をもって迎え、3つの充実したアンコールのあとも拍手喝采が続いていたとか。さらに今回ホールで「何か大きなことが起こった」ことが聴衆にもはっきり判った、とTIMESにありました。以下、拙訳ですが、簡単に。
クライスレリアーナは衝動と諦観の繊細なバランスがあって、最高の演奏がなされる(と批評子はいう)が、ポリーニの演奏はまさにそれだったようです。「暗い側面を決して無視することなくこの性急さを捉え、ほとばしるような開始の華々しさは、心を込めた優しい演奏によってすぐに完璧なバランスをもつ素朴なテクスチュアへと導かれる。猛々しさには陽気なユーモアが配される。そして今や時にはミスがあるとしても、醜い音を決して出さない数少ないピアニストである」。
ショパンの音楽はシューマンよりは文学的影響が少ないが、4曲のバラードはその着想(霊感)から、詩的な響きを持ち、とりわけこの日の演奏ではそうだった、と。 「ポリーニはその貴族的な最高の状態で、ヒロイズムと内省的な美を結合させていた。第2番は牧歌的な民謡で始まる部分が抑え難い力の音楽に押し流され、舞踊風な趣の第3番は熱情的な激しさの渦に巻き込まれて行く、その激しさはこの音楽の持つポーランドの根がいかに深いかを示していた。」
シューマンとショパンの小品は対照的であり、前者のアレグロOp.8ではポリーニの演奏は優美であり、前奏曲Op.45では凝縮された強さを見出し、会場に再び魔法をもたらしたのだった。アンコールのひとつはスケルツォ第1番。(5/2付THE TIMES紙)

GUARDIAN紙では、クライスレリアーナにちょっと否定的な意見もあるようでしたが(内省的な曲では時に押し過ぎ〔?〕be pushed too hard―よく判らない)、形式とリリカルな内容が殆ど完璧にバランスが取れ、8つの曲それぞれの骨格が明らかにされ、速度も申し分なかった、と。
4曲のバラードはどれも賛嘆すべきものを含んでいた。第1番では第2主題に入る手練の業と劇的なクライマックスへ高めていく力、第2番は無垢な開始と第2主題の激しい噴出との対比の完璧さ、第3番の2つの主要テーマの共生はこの世で最も自然なものに思われ、第4番ではすべての構成要素は、どのディテールも欠点のないテクニック・コントロールに支えられ、継ぎ目無くひとつに融けあっていた。
四つ星評価。(これが最高?それとも・・・。どなたかご存知でしょうか)

2001年5月7日 00時20分

いよいよ5月!\(^o^)/
今日から5月。爽やかな(今日はちょっと寒い・・・)この月、一年で一番好きな季節ですが、今年はまた格別。新緑は眩しく、つつじも華やか、ハナミズキの白さも鮮やかで嬉しい。3年ぶりにマエストロにお会いできると思うと、すべて輝いて見えます。昨日まで「まだまだ。落ち着いて(ドウドウ)」と思ってましたが、今日からは「ワ〜イ! もうすぐだ〜〜\(^o^)/」と開放された気分。いつ来日されるのかしら、どこかでバッタリ会えないかしらと、街でキョロキョロしちゃいそう。・・・こういうヒトがいるから、マエストロはホテルにこもって一日中ピアノ弾いているのかもしれませんね(^^;)。
今月はすこしユトリを持って(心に)暮らしたいと思い、4月は仕事などガンバリました。で、なかなか更新もできず、独語解読も遅々として進まず、ましてイタリア語はさっぱり覚えられず。GW中にすこ〜し何とかしないと・・・と、1日を期してまず表紙を更新しました。ドイツ・グラモフォンのカレンダー、5月はまさにポリーニ様。私の大好きな写真です。それから、これはちょっとハズカシイのですが、以前に書いた「バラード」の感想文を載せました。1999年にリリースされた後すぐに書いたものなので、今ごろなんで?と思われるかもしれませんが、まぁ、ご笑読ください。(ちなみにこれを縮めた文を当時某「○○芸」に投稿しました(;^^;))。
ザルツブルク復活祭音楽祭については、オーストリーの新聞などに報道がいくつも載っていて、いずれもアバドとベルリン・フィルの演奏に最高の賞賛を送り、ポリーニ、ヴェンゲーロフも素晴らしい超名演、大きな喝采を浴びた様子が記されていました。なかなか訳せなくて「アセ!」だったのですが、アバド・ファンの方のHPに、音楽祭後半の演奏会を聴かれた方の鑑賞記が載っています。やはり直に聴かれた日本の方の感想が一番! ↓を、どうぞお訪ねください。(What's New!? にあります。)

 http://village.infoweb.ne.jp/~grazia/

4月後半のパリとロンドンの演奏会はどんなだったのでしょうね。バラード4曲を含むリサイタルの様子、興味津々なのですが、記事が見つかりません。(見つけても、読めない・・・のですが) どなたか、ご存知でしたら、お教えいただければ幸いです。

2001年5月1日 15時34分

若葉のころ、心ハ軽く・・・
暖かい日が続き、新緑が風にまぶしい今日この頃です。北国の方はちょうど桜の頃でしょうか、遅い春はまた、一気にやってくる春、いろいろな花が咲き競って目を楽しませてくれることでしょう。東京は5月並みの陽気だそうで、汗ばむほどですが、本当の5月には暑過ぎず、カラッと気持ちのよい気候であってほしいものです。
スケジュール表にいくつか追加しました。6月25日パリと28日エッセンでのリサイタルです。どちらも曲目は不明ですがショパンとリストのプログラム。ザルツブルクでベートーヴェンに取り組んだあとは、来日公演を含めすべてロマン派、それもロマン派中のロマン派、というプログラムですね、なんだか春にピッタリ(^^)。きっと絶好調の充実した演奏を聴かせてくれることでしょう。ここまで半年のポリーニの演奏会を数えてみると、約26回(判明しているだけですが)。年間50回くらいと決めているそうですから、ちょうど良いペースですね。
それから訂正がひとつ。「9月1日ルツェルン」はポリーニではありませんでした(ラドゥ・ルプー)。早とちり、カン違いでしたm(_ _)m。
ザルツブルク復活祭音楽祭も無事に終わったようです。新聞などに批評がいくつもありました。やはりこの地でベルリン・フィルのオペラと3つのコンサートが集中的に行われるというのは、大きな出来事なのでしょう。毎年恒例だから「珍しい」というのではなく、今年はどんな・・・という期待をもって迎えられるのでしょうね。特に今回はアバドの病気の後であり、ローマとウィーンでベートーヴェン・チクルスも大成功に終わったこともあって、大きな関心を呼んだのでしょう。ソリストに我らがマエストロ、そして若き天才ヴェンゲーロフというのも、万全かつ意欲的な構え。想像するだけで興奮しますよね。そして実際、想像を超えるほどの素晴らしいコンサートだったことは、高原様のHPでご覧になったことでしょう。記事を見つけては「嬉しい!」→「嬉しい悲鳴」→「悲鳴!」の私ですが、せめてポリーニに関する箇所だけでも訳したいと、只今読解(解読?)中ですが、もしなんとか訳せたら、載せたいと思っています。何時になるやら(^^;)。
2001年4月18日 12時26分

「花冷え」といえば綺麗でも「ウソッ」みたいに寒い4月1日
夢か現か幻か・・・という想いで眺めてしまうマエストロのお顔。4月1日に相応しいと思いませんか。
ブラームスのピアノ協奏曲第2番のビデオから、かずこさんがプリントして送ってくださいました。『ハリウッド俳優顔負けの超ハンサムな』(by Kazuko) 写真、ありがとうございました!! 良いのかな?と思いつつ、トップに飾らせていただきます。
「花冷え」というのでしょうか、東京は晴れたとはいえ寒い4月です。でも我が家の近くは川沿いの桜並木で、1年中で一番美しい時。というより、いつもは街のド真中で、何にも、何処にも美しさが無い!という所です。満開の桜、桜吹雪、そして5月の若葉の頃まで、しばし春を楽しみましょう。そして5月の光とともにマエストロがやってくる!!と思うと・・・。なんて浮かれてるのは、私だけ?
4月からは皆様も入学、進学、初出勤、異動、さらに引越し?など、なにかとお忙しいことでしょう。頑張ってくださいネ! でも春先は体調を崩しやすい時、健康にも充分お気をつけ下さい。
さぁ、私も新たな気持ちで頑張るゾ! イタリア語に挑戦!!(今日だからできる決意表明^^;)

アンコール表を更新しました。情報をお寄せくださったまめこ様、おじさん様、ミスターX様、それから遅くなってしまいましたが、山本様、陰陽師様、過去ログを(勝手に^^;)使わせて頂いたAmature様、ありがとうございました。皆様のご協力でこんなに充実してきたことを、とても幸せに思います。
スケジュール表にも、10月の予定を追加しました。シーズンとしては、来シーズンになるのでしょうが(9月から?)2001年という年単位で載せていきます。

2001年4月1日 16時08分

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