5月10日(月) 《東京:サントリーホール》
5月12日(水)《東京:サントリーホール》
プログラムB
オール・ショパン・プログラム
幻想曲、夜想曲 第15番、夜想曲 第16番、舟歌、子守歌、スケルツォ 第3番
前奏曲 op.45、夜想曲 第7番、夜想曲 第8番、ソナタ 第2番「葬送」
マエストロありがとう!(2) 《かずこ》さん
6日の余韻を引きずりながら聴いた10日は、また、6日以上の感動でした。私の席はP席で音は良くありませんでしたが、手や足の動きがはっきり見られる位置でした。 まず、指の動きにほれぼれ(~_~;)・・・。マエストロの無駄の無い華麗な指の動きをこれほど はっきりと見られるなんてまるで夢のような気分です。 ノクターンの27-1,2や子守唄などでは上品で優しさにあふれた音色、かたやお得意の スケルツォ3番は一変してド迫力で完璧な打鍵・・・思わずショパンが弾いたらこんな感じ かしらなどと思った次第です。ソナタ2番はカッコ良かったー・・・。「葬送行進曲」は まさに渾身のという感じで、圧巻でしたねー。CDとは感動の度合いが違います。 そしてアンコールの3曲です・・・「雨だれ」の後にエチュードの10-4が始まった時は 「オォー」やっと聴けたー!! この時は嬉しかったですね・・しかも余裕で、力強くて完璧な打鍵に唖然・・・この日は マエストロ全然疲れている様子はなくて、この後も弾いてくれるのかなあと思っていると やはり・・・しかもなんとバラード1番です。泣きたいくらい嬉しかった(^。^)・・・ 情熱ほとばしる華麗で熱い演奏(ああ!もう、ウットリです・目を瞑って聴きたいけど もったいないのでしっかりと見ました。)・これも余裕で最後まで軽やかに指が動いて いましたが・・いやあ、凄いですね。つくづくマエストロの底知れぬ力を見せて貰った 気がします。 おや、もう12日になってしまいましたが、今日のコンサートが最後なんですね。 寂しい気持ちもありますが、どんなコンサートになるのか楽しみです。 5/12(水) 01:53 ※5月6・10日のご感想を日別に掲載しました。5月6日「マエストロありがとう!(1)」の続きです。 |
残念ながら 《ひろこ》さん
サントリーホールさんに教えていただきました。今日も12日もテレビカメラが入る予定はないそうです。HNKさんがハイビジョンで録ってくれることを期待していたのですが・・・。一昨年のプロジェクトをたくさん録ってくれたので、仕方ないでしょうかね。ということで、今年の来日リサイタルのテレビ放送は無しということになり、とっても残念です。5/10(月) 17:05 |
お返事ありがとうございます 《たけお》さん
すみこさん、お返事ありがとうございます。みなさん今頃、葬送行進曲の頃かな? ただいま9時ちょっと前です。 それともアンコールでエチュード聞いてるのかな? うらやましい!感想が楽しみです。
ポリーニの演奏会は、会場の空気がいいですよね。
私は横浜に住んでいまして、
あんまり拍手が盛大すぎて、
もうアンコールの時間でしょうね。 5/10(月) 21:17 |
10日のサントリー ただただ興奮でした! 《おじさん》さん
たけおさん、今晩は! 8時50分に「葬送」は終わっていました(^^)V いや〜! 興奮しました! 70年代を彷彿させる壮絶な演奏とでも形容するしかありません。エネルギッシュでパワフルで、翳りの無い澄みきった明るさで、何と表現すれば良いのでしょうか…今年の来日3回目。曲目が変わってショパンです。1曲目の幻想曲はなんだか落ち着きの無い集中力の欠いた演奏でしたが、次のop55のノクターンあたりから徐々にエンジンがかかって来たような! でも、ノクターンなのに、まるでバラードみたいな、静かに、とか穏やかな、などとは程遠いダイナミックな演奏で少し違和感がありました。舟歌もスゴイんですがまるで大型タンカーが突進しているような巨大な演奏でした。子守歌ぐらいから落ちついて来たのでしょうか! スケルツォ第3番はもう得意中の得意の曲ですから、安心(?)して聴いていましたが、1976年のアンコールで聴いた時を想い出させてくれる、なお且つその時よりスケールの一回り大きい演奏で感動してしまいました。 休憩後、6日と同じ様に何かが変わっていました。ピアノの響きの透明度が増し音色がいきなりフルカラーになったような印象です。そして、前奏曲op.45、静かで落ち着いたリズム感の演奏。ゆっくりと脈打つ左手の上に右手の押さえた表現… そんなに急がなくても、とか、そんなにガンガン弾かなくても、とか言いたくなるような演奏がポリーニには時としてありますが、そんな事が微塵も頭を横切らない本当に素晴らしいテンポでゆったりと聴きました。拍手無しでそのまま続けて弾いたノクターンのop.27の2曲。op.55の時と別の日の演奏なんじゃないかと思うぐらいノクターンでした。時間が夢見る様に過ぎ去って行く至福の演奏。こんなポリーニはなかなか聴けるもんじゃ無いという思いが一瞬よぎりました。op27−1の最後の方から、左手の音が充実して聞こえて来ました。続くop27−2も同じ… op27−2は今回の来日では毎回弾いているので今日は3回目ですが、3日のカッチリとした演奏。6日の安らぎに満ちた演奏。そして今日のはそれらを足して2倍ぐらいした演奏でした(笑)。 さていよいよ第2ソナタ「葬送」です。今日のポリーニ演奏の特徴は、その左手にあると思います。どっしりと音楽を支える神の左手でした。第2ソナタのどの一瞬を取っても、この充実した左手は忘れられません。特に第3楽章の葬送行進曲では、それが遺憾なく発揮されダイナミックの強烈な演奏でした。全楽章とも全体的に速い演奏でしたが、少しもせわしさを感じさせない見事なテンポ感で、テンポのダイナミックも強烈な演奏でした。それにしても技巧の素晴らしさ! ただただ呆然とポリーニが表現する音楽に集中出来ました。「葬送」が終わった後、6日の時の燃え尽きて疲労している感じはまったく無く、元気100倍! でも1曲目のアンコールは「雨だれ」でした。突然静かな曲だったので拍子抜けでしたが、やはり速めのテンポながらせわしさは無く、綺麗で素適は演奏でしたね〜♪ 2曲目はエチュードop.10−4。3日のみなとみらいでも弾きましたが、それと同じ様にこの1曲で会場が盛り上がりました。3日の時はこの曲で終わりでしたが、今日は、やっぱりバラード1番でした。出だしのユニゾンはとてもゆっくり劇的で、1974年アンコールの時を想い出してしまい不覚にも涙してしまいました。また同じ体験が出来る時が来るとは、とても信じられない一瞬でした。2ページ目の速くなる所も1974年当時の快速感そのままに、くっきりとフレーズが立つ見事な技巧。もうゾクゾクする演奏でした。その後に来る静かな所の本当に美しかった事、そして有名な盛り上がりの、右手の強烈な和音の旋律とそれに続く右手のオクターブ進行の何と音楽的な迫力に満ちた演奏… とても言葉では表せません。コーダの迫力の凄まじさ! さらに会場はヒートアップしました! 惜しみない拍手とはこの事か! というぐらい温かい拍手に包まれ、何度ポリーニは出入りした事でしょうか。掛け値なしのスタンディングオベイションの時でも4回も出て来てくれました。僕も舞台の方に行って拍手してしまいましたが、立ち去りがたい気持ちは皆同じだったような気がします。何時ものように(?)ジェシー・ノーマンが来ていて、今日のポリーニはノーマンにも挨拶していたのが微笑ましかったです。 今日も正式に録音していました。6日の時とまったく同じ様なセッティングだったので、同じ放送局で録音していると思われますが、いったいどこが録音しているのでしょうか。放送されるのがとても楽しみです。 5/11(火) 01:33 |
第3夜もさらに 《ひろこ》さん
ショパンは「華奢な手をしていたが、そのおそるべきしなやかさで、ピアノからあらゆる音色を引き出した」と言われますが、昨晩のマエストロの演奏は、もちろんそのお手は華奢という言葉とは正反対ですが、ショパンのタッチはきっとこんなだったのではないかと感じるくらいでした。幻想曲では、ちょっと硬さが感じられて、6日のお疲れが残っているのかしらと心配になりました。でもどんどん調子をあげられて、私がマエストロが完全に意のままの表現をしておられると感じたのは舟歌の後半くらいからでした。ソナタはもう、唖然とするような名演奏でした。マエストロが出力全開になると、あのリバーブの深いサントリーホールでも、どんな声部の入り組んだ早いパッセージだって、音がだんごになるようなことは絶対にないのですね。隅から隅までが輝かしい響きで、ショパンの音楽のすばらしさが余すところなく伝わってきます。すみこさんもおっしゃるとおり、3楽章のトリオの美しさは生涯忘れられないと思います。ソフトペダルを踏んだままの、小粒のダイヤモンドをならべてゆくような響き。テンポ・ルバートやデュナミクはほとんど感じられないくらいなのに、どうしてあんな天国にのぼってゆくような音楽ができるんでしょう。会場はまさに水を打ったように静まりかえっていました。聴衆はうっとりしていたわけではなく、今まさにマエストロが生み出す奇跡のように美しい音を一音たりとも逃さず受け止めようとしているように感じられました。たけおさん(突然ですが、はじめまして。今後ともよろしくお願いいたします)のおっしゃる通り、聴衆にはマエストロと音楽への深い理解と愛情が感じられてうれしかったです。ホールの天井も吹き飛ぶばかりの拍手の嵐の中、マエストロの満足そうな笑顔がまた私を幸福にしてくれました。天国のショパンも賞賛の拍手をしているかもしれないと感じながら・・・・。
失神はせずになんとか踏みとどまりましたが、スケルツォとソナタとバラードでは危なかったです。 5/12(水) 01:00 |
生気を抜かれました…。 《チャコフ》さん
皆様 こんにちはいろいろと経緯があり、投稿を憚っていたのですが、 10日のコンサートから24時間経った今も、余韻が冷めず、 ついに投稿してしまいました。 鶏共和国が亡き!?あとということで、私的な感想を綴り ますことをお許しください。詳細な解説は「おじさん」様に 譲るとしても、あれだけパーフェクト(に近い!?)な演奏に 触れると、「ホント、ポリーニに出会えてよかった」と、 つくづく思います。個人的には86年の「熱情」以来の興奮、 久々に「熱病」に冒されてしまいました。あ、失礼。 ため息ばかりついてしまうノクターンや舟歌、子守唄の あれほどまでに美しい音色。そして拳を握り、思わず身を 乗り出してしまいそうな、スケルツォ、ソナタの1,2楽章。 前半の終曲だったので、スケルツォのあまりのスケール の大きさと、その説得力とに「ブラヴォー!」を堪えるのが、 精一杯でした。前半だけで生気が半分抜かれていました。 後半、ファブリーニは、別物かと見まがい、自分の耳を 疑ってしまうほど鳴っていたのも印象的です。 「こんな音が…!」「こんな音も!?」。もはや神聖なる音を 一音とも逃すまいと脳に焼き付けるだけ。毎度のことですが、 サントリーホールの空気が熱気で膨張してゆく感覚が、 このリサイタルはっきりと体で感じ取れました。感傷に 浸るわけではないですが、ポリーニの見守る聴衆の熱い思いが、 神を降臨させたのだと確信してます。 あれだけパーフェクトな舟歌、スケルツォ、エチュードOP10-4 を聴いたことがありません。耳慣れたソナタの3楽章、あの水を 打ったような会場に響きわたり、そして明確な音色に、何と魂が 宿っていたことでしょう。 バラード1番は「もしや…」と、プラグラム構成から想像して いましたが、まさか本当に演奏してもらえるとは…。ただハンカチ で目頭を押さえ、そして最後の最後まで拍手を贈るだけでした。 あの場に、歴史の証言者として存在できたことを本当に幸せに 思います。今回のやや「B面コレクション」的!?なプログラムも ポリーニならではでしょうし、こんなプログラムと、あれだけの 演奏はもう聴けないかもしれません。いや、もう一度、体験したい。
願わくば…、12日。個人的には大好きな幻想曲Op49。 5/12(水) 01:52 |
公演評出ました 《すみこ》
読売新聞、5月11日(火)夕刊に、3日の横浜公演評が出ていました。「ほとばしる響きへの情念」、音楽評論家・丹羽正明氏の文です。 「若きベートーヴェンの大胆不敵な創造の自発性を、圧倒的なテクニックと統一感によって、あからさまに弾き切ってしまうのが実に小気味よい。(ドイツ流の・・・形而上学的な次元のものではなく)響きの実体に即した情念のほとばしりが、一気呵成に展開されるのである。」最も聴き応えあったのが「悲愴」。シューマンについては「豪華な姿」で見事だが「一層屈折した心理の綾が紡ぎ出されて欲しいように」思ったとのこと。 機会があればご覧になってください。
これから他の新聞にも、東京公演の評など載ると思われます。 5/12(水) 14:50 |
ああ! 最終日!! 《おじさん》さん
すみこさん今晩は! 10日の毎日新聞に3日みなとみらいの平野昭氏の評が載りました。主にベートーヴェンの第7番ソナタに紙面が割かれ、音の流れ、トータルな響き、声部間の絡みと相関を浮き彫りするような解釈で構築感に富む音楽を作った、と好意的な評でした。さて、始めがあれば終わりが来る… ついに今回の来日最終日、サントリーホールです。10日と同じショパンプロです。今日は右手の日! ポリーニは旋律を際立たせる演奏を繰り広げました。1曲目の幻想曲は、10日の幻想曲が不調で表現が思う通りにならなかったのを取り戻すかの様に慎重な感じで始めました。今日は全体的に少し押さえ気味の演奏、そして旋律が際立って歌っているので、自然に音楽の流れが推移して行き、その流れに耳を預けるだけで心に響いて来るという体験でした。一度、拍手を受け袖に戻るポリーニ。なぜここでこんな事を書くかというと、驚いた事に、休憩時と終了時を除いて曲の間で袖に戻ったのはこの時だけだったのです。後はすべて続けて弾き、ショパンの世界を巨大な一幕として今日のコンサートは推移して行きました。 op.55の2曲のノクターン。10日のバラードを思わせるような迫力と違い、幻想曲と同じように少し押さえ気味、右手の煌びやかな旋律で歌っていました。特に2曲目の変ホ長調の出だし、単音とそれに続くトリルの際立った輝かしい音はこの日の白眉の一瞬だったかもしれません。でも、やはりノクターンというよりはバラードに近い表現の幅を持っていましたが、最後のページの静かに舞い降りてくる右手のフレーズなどは、ため息が出るような美しさで、まさに今そこで音楽が生まれ出ているんだという得がたい経験の繰り返しが出来てとても幸せな気持ちになりました。 拍手無しで続けて弾かれた舟歌。ノクターンの夢見る気分を吹き払うかのような第1小節目。10日と同じように大型タンカーが動き出したか! と思いましたが、今日の演奏は、ポリーニの、ガンコだけど穏やかで優しい性格の一面が現れたとても人間的に感じられる音楽だったと思います。続けて子守歌。もう、休む暇を与えてくれない今日のポリーニです。この曲は、変奏曲の性格を持つ曲ですが、その一つ一つのフレーズを、私の頭に丁寧に刻み付けてくれた素適な演奏、この曲の魅力が存分に発揮された表現に驚いてしまいました。そのまま前半最後のスケルツォ第3番に突入。曲全体が一つのまとまりに聞こえ、前半を締めくくる最終楽章という一面を感じた濃密な演奏でした。 プログラム後半、前奏曲op.45。ノクターンop.27の2曲。ソナタ第2番「葬送」。これらを一気に拍手無しで弾き通してしまうのは、おそらく休憩中に決めた事なんだと思います。プログラム前半で気分が乗ってノクターンop.55以降続けて弾いたのがとても気持ち良かったのかもしれません。プログラム後半を一つのまとまりとして弾く事で、ポリーニは何を狙ったいたのでしょうか! 個々の音楽の記憶では無く、今日のポリーニが紡ぎ出すすべての音楽を共有出来るチャンスが来るという事をポリーニは狙っていたのかもしれません。確かに個々の音楽として聴くと、10日の、特にプログラム後半は圧倒的で迫力に満ちた素晴らしい名演でしたが、一日のコンサートの印象としては今日の方が記憶に長く残るかもしれません。 アンコールは4曲。「雨だれ」・バラード第1番・練習曲op.25−1「エオリアンハープ」・練習曲op10−4。今日も掛け値なしのスタンディングオベイションになりポリーニは何度も何度も答えてくれました。最後の方はお礼の意味なんでしょう、腕を大きく広げる動作をしていました。最終日とあって、舞台最前列に多くの人が集まり感動的な今日の締めくくりとなりました。 今日も正式な録音をしていました。同じマイクセッティングです。放送するという情報が出て来ないので、もしかしたら音楽事務所側の記録用かもしれません。ライブ録音としてCDで発売されるかもしれない、という、あまり現実味の無い期待がどうしても頭を過ぎってしまいます… 5/13(木) 02:32 |
最終日行ってきました! 《たっちゃん》さん
すみこさん、おじさん、皆様こんにちは!このサイトに集うポリーニファンの方々の熱気に押されて僕も昨晩最終公演の後半から聴きにいってまいりました。当日券があったんですよ!A席18000円。ぶっちゃけ高いですよね。でもBBSの皆さんの賛辞を読むたびに、行っておかなければ後悔すると思い、買っちゃいました。後半開始ギリギリで入場しました。実はポリーニの生ライブを聴くのは10数年ぶり。皆さんが言われるとおり、確かに今回のポリーニはコンディションが良かったですね。特にアンコール「Ballade g-moll」の最後のオクターブ半音階の下降スケールのうまさ!ポリーニのオクターブ奏法の凄さは、力業が持ち前のロシア系ピアニスト達のそれを凌駕しています。ChopinのEtude Op.25-10やPolonaise Op.44を10代で弾きまくったポリーニ、師匠ヴィドゥッソ直伝のテクニックがあるのかな?あんなに第1指(親指)だけでレガート奏法ができるピアニストは、多分あとにも先にもポリーニだけでしょう。奇跡ですね。そして「Etude Op.25-1 エオリアンハープ」の内声アルペジオのピアニシモをキープする根気強さ、最後のアンコール「Etude Op.10-4」の中間部の最も弾きにくい箇所にいくほど、うまさが際立つ疾走感!やっぱりポリーニの真骨頂はChopinEtudeといわせしめる演奏でした。チケットが高かったですけど満足しました。5/13(木) 21:25 |
すごかったんですね! 《たけお》さん
すみこさん、おじさん、みなさん、こんばんは。ひろこさん、こちらこそはじめまして。 今後もよろしくお願いします。
最終日の感想も読ませていただいて、
拍手抜きで弾き続けたというのはすごいですね。 5/14(金) 00:42 |
Grazie infinite Maestro! 《ひろこ》さん
第4夜はスタジオ録音のような端正な演奏でした。と言っても第3夜の憑かれたような演奏と比較するとという意味で、ライブならではの十分に白熱した演奏ではありました。特に後半のソナタ3楽章のトリオの後からアンコールの最後までは第3夜に勝るとも劣らないすさまじい演奏でした。これで今回の来日公演はすべてが終了してしまいました。本当に本当に感動的な4夜でした。しばらくは廃人になってしまいそうな私です。第1夜の感想で、マエストロのコンディションがとてもいいようだと書かせていただきましたが、第3夜で私の認識は変わりました。あんな偉大な方をつかまえて失礼な言いぐさかもしれませんが、マエストロはさらに進化(進歩)なさったのだと思います。マエストロの手の動きは若い頃から理想的と言われていましたが、今回ほどそのしなやかさに感動したことはありません。常に下半身にどっしりと重心があって、そのおかげでゆったりと構えられた肩や腕(いっそうたくましくなったようにさえ見えました)の力はしなやかな手の動きを介して無駄なく鍵盤に伝わっていく感じです。音色はますます豊かになって、シューマンの幻想曲もショパンのソナタも今回の演奏と比較すると過去のすばらしい録音でさえ物足りなく感じてしまうくらいです。音の立ち上がりのよさ、粒だちのよさは相変わらずで、ピアニシモは他で聴いたことのないような煌めきを持っています。そのこととどう両立するのかわかりませんが、フォルテシモは力強い中に不思議な柔らかさがあって、どんなに長く聴いていても疲れることはない美しいフォルテシモです。一方で、例えば第3夜のはじめのように、硬さが残っていて音が上擦っている感じがすることがあっても、すぐに安定を取り戻されるし、開演のベルの後、舞台に出るまでに時間を要することもなく、軽やかな足取りで登場しにこやかにお辞儀なさるあたりに、精神的なしなやかさも増しておられることが感じられます。「これ以上何をお望みですか」のお方はまだまだこれ以上を望み続けておられるようです。音楽に対する飽くなき追求と、決して傲ることのないお人柄がそうさせるのでしょう。これからの演奏がさらに楽しみです。
第4夜のアンコールの後の聴衆の盛り上がりは、クラシックのコンサートとしては常軌を逸している感じでした。私も感動と感謝と尊敬と愛情を込めて精一杯の拍手をしました。何度も舞台に出てきてにこやかに応じてくださるマエストロ、きっと我らの思いを受け止めてくださったに違いありません。3年も待たせるなんて残酷なことしないで下さいね、マエストロ。
5/14(金) 00:49 |
冥途の土産!? 《チャコフ》さん
みなさま12日、奇跡が起きましたね…。 ひろこさんの投稿にもありましたが、 あんな演奏を聴いてしまうとマエストロの CDでも物足りなくなってしまいます。 小生、かなり前のほう、ステージに向かって 右におりましたが、ピアノの音を耳ではなく、 体で受け止めたという、生まれて初めての 体験をした気がします。 音の壁が体じゅうを揺さぶる…。 今も禁断症状で手が震えます・笑
ほかの席などではどうでしたか?
5/14(金) 12:32 |
ただただ、ありがとう 《Noarht》さん
みなさま私は初日と最終日を聴きに行きました。 ひろこさんが「進化」と書かれていましたが私も同感です。一昨年の前奏曲プロの想像を絶する演奏を目の当たりにして、「ポリーニは進化している。これからがますます楽しみだ」と感じましたが、今回はそれをはっきりと確認できました。 20年来リサイタルに出かけていますが、以前の演奏はやはり技術的に圧倒的な演奏で、もちろんすばらしいのですが、「どうだ、聴いたか」みたいな、少し観客を突き放すような、距離を置くような、ピアにズムに没頭するようなイメージがありました。しかし、ここ5年ほど特に今回の演奏は、もちろん以前の圧倒的なピアにズムは維持しつつも、明らかに何かがプラスアルファされています。音色やdynamicsなど、技術でかたづけることはできない何かが。聴いている側もどんどんInvolveされていく感覚です。一体化するといいますか。10年以上前のリサイタルではこの感覚はありませんでした。 私なりに考えると、ポリーニは以前よりも“LIVE”を大切にしさらにそれを楽しんでいるのだ、ということです。ポリーニの演奏に常に新しい発見があるのは、その瞬間・その場でしか得られないものがあるからでしょう。このLIVE感覚は、ポリーニとピアノ、そしてホールと聴衆すべてに関わるもので、まさに一期一会であると思います。この感覚は、実際にリサイタルを聴かなければとうてい実感することはできないでしょう。この先いくらポリーニのCDを聴こうと感じることはできない、LIVEでのみで可能な「奇跡」なのだと思います。あの異常なまでの拍手・喝采がその証拠でしょう。私もその中のひとりでした。ポリーニよ、どうかいつまでもお元気で。また奇跡に立ち会えることを祈って・・・。 5/14(金) 23:20 |
すばらしい演奏でした。&ホールについてはどうですか? 《このみ》さん
みなさまはじめまして。私も6日と12日に演奏を聞きまして、大感動いたしました!皆様の熱い書き込みを読んでいるだけで、当日のすばらしい演奏が蘇ってきます。 また、HPのポリーニさんのインタビュー等、興味深く読ませていただきました。管理人さん、ありがとうございました。 いろいろな御意見はあろうかと思いますが、私から見ますとここ数年調子の悪そうだったポリーニさんが、足取りも軽く、つややかなお顔で登場された時は、良い演奏が聞けそうだ、と思いました。だんだんのってきて、プログラム後半とアンコールはほんとにすばらしかったです。
ポリーニさんは、ほんとにすばらしい演奏家だと思います。
ところで、下の方でどなたかも書かれていたと思いますが、サントリーホールのことに関してです。 5/17(月) 06:55 |
ホールのこと 《すみこ》
このみさん、はじめまして。6日と12日に聴かれたとのこと、両プログラムとも本当に素晴らしい演奏でしたね。 ジャズ畑のご出身とのこと、斬新な感性・視点からのご意見なども、お寄せいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 ホールの音響については、サントリー・ホールは残響が豊かといわれていますね(満席で2.1秒)。 カラヤン先生の助言もあって、オーケストラの豊穣な響きを求めたのだと思います。 また、座席の位置によっても、響きの違いがあるのかもしれません。 ピアノ・リサイタルにはあまり合わないのでは・・・と当初は思われ、多くの外来ピアニストが登場する中で、ポリーニは東京文化会館(2.0秒)の方を(頑固に?)好んでいたようでした。 ホールの響きも次第に変わり、またポリーニの求める音も変化してきたのか、ここ数年主会場にしていますが、 今回横浜みなとみらいホール(スッキリ粒だちの良い音に聴こえました)を1回使用したのも、興味を惹かれます。 紀尾井ホールは残響1.8秒、音が美しいと評判の浜離宮朝日ホールは残響1.7秒。このくらいのホールでポリーニを聴いてみたい、と思いますね、贅沢な望みでしょうけれど。 5/20(木) 13:30 |
お答え、ありがとうございます! 《このみ》さん
すみこさん、詳しくていねいにお答えいただいて、ありがとうございました!
ホールについては、席によっても音の聞こえ方は違うと思いますし、難しいですね。
ここのところ、良い演奏を聴く機会に恵まれ(クラリネットのカール・ライスターさんや、五嶋みどりさん)、クラシックの良さにめざめてというか、音楽のすばらしさを再認識しております。また、いろいろと教えてくださいね。
5/22(土) 07:07 |
はじめまして 《ツカサ》さん
はじめて投稿します。先日横浜に行った者ですが。質問があるのですが、よろしいでしょうか。私の持っているアートオブポリーニという彼のベスト版の最後にアバド指揮のブラームスピアノコンチェルト1番の3楽章が入っているのですが、これの元になっているCDを教えていただけないでしょうか?
5/23(日) 00:54 (※ご質問に対する返答(CD番号等のお知らせ/すみこ)は、ここでは割愛いたします。)
速やかにして正確(本当にお詳しいのですね!)なお答え、大変感謝いたしております。ただ、ひとつ不明な点がございます。アート・オブ・ポリーニのそれの元がライブ版(447 041)とのことですが、アート〜からは拍手などの観衆の雑音らしきものは、殆ど聞き取れないように感じたのですが、何故でしょう。それとも、<447 041>と<471 353>は別録音で、前者がライブ音源で、後者が録音用に取られた音源ということなのでしょうか。 5/23(日) 14:25 |
Re:はじめまして 《すみこ》
ツカサさん、こんにちは。<447 041>と<471 353>はやはり同一テイクではないでしょうか。音質が少し違って聴こえる(ピアノがより鮮明なように感じます)のは、editionに入れるにあたってリマスタリングしたのかもしれません。どちらも、拍手や咳・雑音など聴衆のいる雰囲気が感じられないほど、巧みに「ライブから切り取られ」ているようです。私としては聴衆の拍手が入っているライブ盤も好きなのですが、ポリーニの正規のCDは、ライブ録音であっても“演奏のみ”ですね。彼のポリシー、美学(?)なのかしら・・・。 ご友人のショパンをお聴きになってのご感想、ステキですね。 今回のリサイタルでは「ショパンが弾いているようだった」とか「ショパンが聴いたら喜ぶでしょうね」とか、多くの方が感じられたようです。それほどショパンに対するポリーニの“近さ”が感じられる、心からの演奏でしたね。 ベートーヴェンのソナタも素晴らしく、私には「ベートーヴェンが聴いたら、ブラヴォー!と叫ぶだろう」と思われました。メヌエットやアダージョの優しいタッチは、ポリーニの繊細さと、それから近年の円熟・深化からではないでしょうか。 5/25(火) 11:54 |