第8夜です… 《おじさん》さん ホワイティー様。ポリーニは愛妻家のようです。記憶ですが、以下の文の中に書き込みしてある記事を読んで、私は幸せな気持ちになりました。 arpeggio様。重いテーマです。私も考えさせられます。でも、アンダンテの20番は良いですよね。私にとっては決定盤なのです。重いテーマの方は、もう少し考えさせてください。なんとなく、私の中では結論のような感慨もあるのです。 さて、皆様にお会いできて、本当に楽しいひと時でした。おじさんは大変緊張してしまいましが、皆様、本当にありがとうございました。そして、そのような機会を作っていただいたすみこ様には本当に感謝です… 今、録音を聴いています。今聴いたばかりの演奏会をすぐに聴けるなんて、なんて贅沢なんでしょうか。NHKがこの演奏会をFMで生中継してくれて、NHKにも感謝ですね! 録音はかなりマイクが近い感じでくっきり聞こえます。ホールではあまり気がつかなかった所でもポリーニが声を出しているのが良く分かります。 ともかく第8夜まで来てしまいました。今日は第1夜に続いて協奏曲の日です。リッカルド・シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。コンセルトヘボウを生で聞くのは、私は初めてです。それだけでももうワクワクです!! 開演直前に右2階席で、カメラのフラッシュの連続が。何事かと思ったら知った顔が席に着く所でした。秋篠宮両殿下でした。秋篠宮殿下がクラシックを聞くなんて話は聞いた事が無いので、ちょっと疑問に思ったら、どうやらオランダのコンスタンティン王子ご夫妻とご一緒のようです。オランダ王子の結婚式が平成13年5月みたいで(今、調べた!)、それに秋篠宮殿下が出席したご縁で今日のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を一緒に聞きに来たのですね!(きっと…。違ってたら御免なさい) さてコンサートです。1曲目は武満徹です。「弦楽のためのレクイエム」。シャイーがさあ始めようという所で、生中継の解説をしている岡部真一郎氏がこそこそと客席へ… ちょっぴり迷惑だと思ったんですが、今、その録音を聞いてみると、解説の最後の方があわてていて面白いです。きっと、予定より進行が早かったのでしょう。気をとりなおしてオーケストラを聴きます。 第1夜のロンドン交響楽団と比べてしまいます。ロンドン交響楽団は、現代的で明るい響きに私は感じましたが、コンセルトヘボウはいぶし銀のような渋いオーケストラだったんですね。武満さん27歳の時の作品なんですが、でも、老成していてそんな若い時の作品とはとても思えません。シャイーの溌剌とした指揮振りと歴史の重みを感じさせるオーケストラの、一種ミスキャストがぞくぞくしました。ポリーニが、10月16日の語る会の時に、ブーレーズの「弦楽のための本」がもしかしたら一番ロマンティックな曲かもしれない、って発言していましたが、私はこの武満さんの方がロマンティックに感じてしまいました。 2曲目はルチアーノ・ベリオの「レクイエス」。今回のプロジェクトでいわゆる現代音楽をたくさん聞いた中で、一番劇的だったのはクセナキスの「夜」ですが、普通に聞きなれている音楽という意味では、この曲が一番劇的だったような気がします。室内オーケストラのための曲とプログラムに書いてありますが、そんな感じは全く感じられません。初めて聞く曲ですが、かな〜り引き込まれました。この曲はこれからも聴いていきたいと思いました。 3曲目は、私が個人的に好きなリゲティの「ロンターノ」。プログラムにこの曲の楽譜の一部が載っていますが、リゲティらしい精緻なオーケストラレーションで60段近くにもなるスコアです。弦の中ほどの人と端の人と全然違う事をやっています。見ていて結構楽しい曲でした。 オーケストラの音合わせみたいに始まる曲でした。ああ、夜明けの音楽… と思いました。リゲティらしく微妙に推移していく曲で、私は一瞬も聞き逃すまいと耳を全開にしてしまいます。素敵な一瞬がやっぱり有りました。段々音域が上がったなと思ったらいきなりチューバの低音に飛びます、だけど高周波みたいな音が聞こえます。また、第2夜みたいなノイズかと思ったらコンサートマスターがヴァイオリンを弾いてました。なんと至福な一瞬。こんな音は今まで聞いた事がありません。第1夜のバルトークの協奏曲を聴いた時の、すさまじいまでの音の圧力で圧倒され、これが音楽なのって悲鳴を上げそうになった一瞬と、全く対極にある一瞬が来てぞくぞくしました。今、ここに、私が信じる音楽の神が舞い降りてきたのではないかと思うほどでした。またポリーニの術中にはまって、上から下まで揺さぶられてしまいました。それにしても息の長い長い曲。聴いている私も呼吸が苦しくなってきます。突然、弦のユニゾンで君が代の出だしみたいな音が聞こえて面白かった一瞬もありました。そして最後の小さい低音の長い音。何の楽器でしょう。そして静寂。ついに曲が終わってしまいました。ちょっぴり寂しい感じです。もう感謝の拍手しかありません。本当にありがとう。音楽の神様にも感謝です。 さて、いよいよポリーニ登場でベートーヴェンの「皇帝」です。ポリーニは泳ぎが好きで、1978年の来日の時は、ハワイに寄ってたくさん泳いでから来たそうで、ステージのポリーニは日に焼けていて顔が所々皮が剥けていたのを思い出しました。ポリーニには、小さな金魚、という意味があるらしく、奥さんのマリリーザさんが、「ほんとに小さな金魚みたいに泳ぐのよ」と言った記事を読んで楽しく思ったものです。確か、マリリーザさんが日本の着物を着て、協奏曲のリハーサルが終わった直後のポリーニに、どう? って見せて、とたんにポリーニがいそいそと、その頃ポリーニが凝っていたカメラを出して来て、奥さんの写真を撮り出した、という、愛妻家の一面を見せた記事もこの年の話だったような記憶があります。 とにかく「皇帝」。今日この演奏を聴いて、私はこの小さな金魚がぴちぴち跳ねるような演奏だったような気がします。それに答え、リッカルド・シャイーも溌剌として跳ねるような演奏をしたと思います。あの、伝統に支えられている大きなコンセルトヘボウが、ちょっぴりですが、子供が無邪気に遊んでいるような一面を見せてくれて楽しく思いました。ポリーニは、特に第1楽章、次へ次へと、子供がプレゼントのおもちゃの箱を早く開けたい開けたい、という風に曲を進めて行きました。どんどんテンポ感が速くなって行きます。ピアノが主の所では、どんどんオーケストラを鼓舞して引っ張っていきます。どっしりとしたオーケストラが主になる所でまたテンポ感が少し戻るけど、とにかく次の箱を早く開けたいポリーニは、もう、オーケストラを引っ張るようにおいでおいでと合図をします。あなたは指揮者では無いでしょう、と突っ込みを入れたくなります。ポリーニは、時々客席を見て、どうだ、このオーケストラはスゴイだろう、という感じでお茶目でした。第3楽章で、CDと同じ所で声を出している本物を聞いて少しぞくっとしました。それにしても、ポリーニはなんという音を出すのでしょう。強烈の和音の所など、オーケストラに負けない対等な音を鳴らします。第1楽章の決めの和音や第3楽章の出だしの和音などすさまじい音でした。第2楽章のトリルの音階の最後のトリルなんか、とても信じられない素晴らしい音でした。 音楽は音を楽しむのです。今夜のポリーニは本当に楽しそうでした。こんな風にピアノが弾けたら、どんなに楽しいか、それを実践して見せてくれました。そういう素敵な一面を気がつかせてくれて、本当に感謝です。マエストロ・ポリーニ… 今夜もありがとうございます。後、一回しか残っていませんが、また、私は、マエストロを聴きにいきます… 11/19(火) 02:18 |
奇跡!でした 《あゆみ》さん 皆様こんばんは。 第八夜を聴いて帰ってきたところです。気持ちの鮮度が落ちないうちにと さっそく投稿させていただきました。 「皇帝」本当にすばらしかった。もう言葉がありません。 あまりの感動に、最後は拍手をしながら、ちょっと涙ぐんでしまいました。 第七夜には、ミスタッチも目立ったとのことで、実は多少の不安もあったのです。 ところが、その不安を払拭するばかりか、凌駕してあまりあるものでした。 まずオーケストラ、初日のバルトークには老練さを感じましたが、若いシャイーは 最初から熱っぽく語りだしました。オーケストラの前奏を聴いただけで、 “これは何かをやってくれそうだ”との期待が高まります。 シャイーの挑発に応えるように、いえ、それを上回る勢いでポリーニのピアノは 進みます。オーケストラとの掛け合い、ソロの部分、間の取り方、それらが ライブならではの閃きを持って、せまってきます。“有機的”という表現を されていた方がいらっしゃいましたが、CDの演奏を一回りも二回りも 大きくしたような“ニュー皇帝”の誕生です。 オーケストラと息が合っているとか、指の動きがどうとか、そういうことは 超えてしまって、音楽の一瞬一瞬が、奇跡であるような、生命の息吹きそのものの 演奏でした。「人間ってすばらしい。生きていることはすばらしい。」と マエストロが全身で私たちにメッセージを送っているようでした。 そして、自分がその場にいるということ、マエストロの音楽を 全身で受けとめることができるということも、また奇跡であり、これ以上の 幸せはありません。 第1楽章の終わりにシャイーが拳を握りしめて、ポリーニに何か合図を送り、 ポリーニもうなずいていました。二人の間に今夜の奇跡の確信が生まれたに 違いありません。 私がプロジェクトに行くためにつぎ込んだお金も、この一夜を体験できただけで、 安すぎるくらいに感じました。 この感動は一生忘れないでしょう。このような歴史的名演に立ち会えてよかった。 マエストロには、ただただ、感謝するばかりです。 何だかさっぱり訳のわからない文章で、聴きに行かれなかった方にとっては 何の参考にもならなくてごめんなさい。ちゃんとした感想は他の方におまかせします。 会場で新しい方にお会いできました。Arthur様、おじさん様、これからもよろしく お願いします。おじさん様は古いプログラムや楽譜などたくさんお持ちなんですね。 珍しいものを見せていただいて、ありがとうございました。 残すところ、あと一回、名残り惜しいですが、ポリーニがまたどんな新しい顔を 見せてくれるのか、期待しています。では。 11/19(火) 22:55 |
これ以上に感銘を受けるベートーヴェン演奏には今後… 《Arthur》さん あゆみさん、皆様、こんばんは。Arthurです。 いつもその晩のうち、せめて翌朝早くにでも投稿しようと思いつつ、遅くなって しまいました。 昨夜の「皇帝」。何と表現していいのか。本当に素晴らしい演奏でした。もうこ れ以上に感銘を受けるベートーヴェン演奏には今後出会えないかも、と思えるよ うな感動的な「皇帝」でした。そうですね、あゆみさんも書いていらっしゃるよ うに奇跡のような演奏。 昨夜のポリーニ、冒頭のカデンツァの後、オーケストラに合わせて上半身を揺ら せたり、時折歌ってみたり(かすかに声が聞こえた気がしました)、そして団員 をじっと凝視してみたりと、もう何だかシャイーが指揮者代行役でポリーニが 「総括指揮者」のような趣でしたね。(シャイーさん、代行役なんて言ってゴメ ンナサイ) ポリーニ、この曲が大好きで大好きでたまらない、というような雰囲気が本当に よく伝わってきました。第1楽章が終わった時のポリーニがシャイーに微笑かけ た表情が「会心の出来だね!」と語りかけているようで、「ああ、やっぱり今日 はそうなのか」と思いました。 第2楽章、テンポがも少しゆっくりのほうがもっと細かなニュアンスが楽しめた かな、と思わないではありませんでしたが、これも生演奏ならではでしょうか。 第3楽章。もうポリーニの気合の入っていることと言ったら! ところどころ、小さな綻びがないことはありませんでしたが、昨日はしかしそれ を補って余りある感動的な演奏だったと思います。 しかし、何がこれほど感動させたのか、帰り道つらつら考えてみたのですが、素 晴らしいピアノ演奏だった、というよりは、演奏者の(ピアニストも指揮者・オー ケストラも)作曲者に対する誠実さが最初から最後まで貫かれていたからではな いかと思います。 聴き終わった後すぐに思ったことは「ベートーヴェンって素晴らしい音楽を書い たんだな!」ということで、実は「ポリーニのピアノ、今日も凄かったな」では なかったのです。こんなこと、今まであっただろうか?1991年のディアベリ変奏 曲の時にやはり似た感銘を受けました。 終演後、ロビーでお見受けしたお客さん、皆さん満足されていたようで表情が柔 和で微笑を浮かべているように思えたのですが、皆さんはいかがだったでしょう か? 11/19(火) 23:49 |
本当に驚愕の演奏でした! 《かずこ》さん 皆さんの書き込みを拝見して、18日の演奏がどれほど素晴らしいものだったか、 自分なりに想像はしていたものの、よーく分かりました。待ちに待ったこの日、 自宅でFM放送を聴いていましたが演奏が終わった瞬間、思わず、拍手を しながらブラボーを連発していました。本当に強烈な感動を与えてくれた力演でしたね。 第1楽章の冒頭、つやのある輝きのある音、堂々とした弾きまわしで今日の調子が良い事が 予感できました。それに演奏の端々で気分が乗っているのが分かり、嬉しくなりました。 まぁ、所々,走りそうな感じもありましたが気にはなりません。 全体を通してオーケストラに負けないくらいの力強いピアノの音には驚きました。まさに ポリーニの全身全霊を傾けた演奏を実感できましたね。 ただ、第2楽章はもう少し遅くてもいいかなあとも思いましたが、でもそれを補うような 綺麗な演奏でした。第3楽章はいまさら書くまでもないですがポリーニの本領発揮となる のりのりの演奏で、確固たる自信を持った堂々たる弾きかたにはただただ、感服する ばかりです。まるでポリーニのために書かれた曲みたいなどと 思いながら聴いていると、曲の途中で既に、言いようのない感動で胸が一杯になりました。 その場にいなくても素晴らしい感動を与えてくれたマエストロには感謝ですね。 演奏が終わった直後の「ブラボー」の歓声の嵐の凄いことといったら、こんなの初めて 聴きました。それほど凄い演奏だったんですよね。会場の熱狂振りがビンビン伝わって きました。 あれから、録音したMDを何度も聴いています。気合の入った熱い演奏です。聴くたびに 感動が甦ってきて、今度は絶対会場に行かなくては、と決心しております。(笑) 11/20(水) 12:02 |
いよいよ第9夜 《zoo》さん 18日の演奏会では、いままでにない大きな感動を 受けました。 みなさまにお目にかかってその感動を分かち合えたことで さらにその感動を大きなものと膨らませるができました。 受信状態が決してよくはないのですが、 中継のFM放送の録音をきくと 会場での雰囲気を改めて思い出すことができ、 もしかしたら、こういう演奏はこれから先、 聴くことはないのかもしれないなぁ、と思いました。 恥ずかしながら、ベートーベンの「皇帝」については いままでに、いわゆる「まともな演奏」をきいたことが ありませんでした。そういった意味も含めて 今回、ポリーニによる素晴らしい演奏を じかに聴くことができた幸せをかみしめています。 いよいよ本日は最終回、どれも楽しみですが、 ドビュッシーの前奏曲集、とくに、 「妖精は・・・」「ヒースの茂る・・・」「風変わりな・・・」 あたりは自分もだいぶハマって練習した時期が ありましたので、格別な思いで聴けるんだろうな、と 期待しています。 ではまた、会場にて・・・・・ 11/22(金) 06:20 |