皆様のご意見・ご感想
第6夜

第6夜です… 
《おじさん》さん

  すみこ様、「ソッフェルテ・オンデ・セレーネ」の事ありがとうございます。考えてみれば、この楽譜だけではこの曲は演奏出来ません。だってテープが必要ですから… その楽譜が出版されているんですから面白いです。非常に難解ですがおそるおそる出だしの音をピアノで鳴らしてみると、あの音がするので面白いです。ブーレーズ第2ソナタやシュトックハウゼンの第5・第9・第10の楽譜も持っていますが、これらは、音を鳴らしてみようという冒険を全く寄せ付けません。今回のプログラムのシュトックハウゼンの所にピアノ曲第10の全38ページの内、2ページ目がすべて載っています。こんな楽譜を弾いてみようなんて、やはり少しも思えないです。この楽譜、立てのちょっぴり太い線が腕のひじから手首の間、斜めの太い線がグリッサンドでポリーニは指だけ出る手袋をして手の平でやります。音符同士を結ぶ横の線は、水平がvery fast、右上がりがアッチェルランド、右下がりがリタルダンドとコメントに書いてあります。私が初めて聞いた1978年の時、この曲をポリーニは暗譜で弾きました。さらに、演奏会の後、ホテルに戻り、友人の前で解説付きでこの曲をまた弾いた、という逸話もあったぐらいこの曲にのめり込んでいた時の演奏を聴けて、今思えば本当に幸せです。20年後の1998年の時は楽譜を見て演奏していましたが、聞いた感じも、1978年程はのめり込んでいないなぁ〜と感じました。あの頃、レコーディングしていてくれれば、と残念に思います。
 さて、第6夜です。協奏曲とソロを除くと一番楽しみにしていたコンサートです。いや〜、室内楽は楽しいですね〜。やはり私は歌よりも器楽が好きなようです。前半はアンサンブル・ウィーン・ベルリンです。最初はリゲティの木管五重奏曲。ウィーンフィルのフルートのシュルツさんと、オーボエのシェレンベルガーさんは持ち替え楽器を持参で登場です。私はリゲティは好きです〜。やっぱり面白いです。最後の10秒ほどの休止、という部分も緊張感が保たれていて良かったです。2曲目のクルタークの木管五重奏曲op.2はいまいちピンと来ませんでした。ウ〜ン、どういう曲なんでしょうか。この曲は1959年作曲だそうですから、もう少し後の時期の作品を聞いてみたいです。
 さて、ポリーニ登場でモーツァルトのピアノと管楽器のための五重奏曲です。ピアノは全開です。管のメンバーが前なのでポリーニの指が見えません。残念です。アンサンブル・ウィーン・ベルリンは、何とシュルツさんが出番なしですね! ポリーニのモーツァルトを聞くのは1981年のソナタ以来となります。ポリーニのモーツァルトって、ワシッと全体を掴んでいつも大きい音楽になるような気がします。1981年のハ短調ソナタを聴いていた時は、ベートーヴェンを聞いているのかと錯覚するほどでした。この曲は、そこまで重くはなりませんでしたが、やはり大きい音楽に聞こえました。それに明るい聞いていて本当に楽しくなる演奏でした。第3楽章アンコールです。ワ〜〜イ♪。2回目の第3楽章はちょっと速めのテンポでした。明らかにバランスを変えて弾いているようで今度はピアノがはっきり聞こえました。1回目と弾くリアクションも全然違っていて、ポリーニが、いかに即興性を大事にしているかよく分かりました。
 後半はシャリーノです。まずヴァイオリンのアッカルドさんのソロで6つのカプリッチョより3曲です。この曲は、普通の人よりは現代音楽に慣れている私にも驚きでした。いろんな特殊奏法が出てきます。第6番など、指板を叩く左手が主になって始まりました。とにかくヴァイオリンらしい音が一切出てこない曲でした。第3番の最後の伸ばす音の時、他の弦が一瞬普通に鳴りましたが、あれはミスなのかどうか全然分かりません。楽譜を見てみたいものです。第6番は素晴らしい曲でした。主になるモチーフらしき物が何度も出て来て、なじみやすい曲で引き込まれました。今回のプロジェクトの中の、いわゆる現代音楽らしい曲で、一番大きな拍手でした。次はシャリーノの6つの小四重奏曲。アッカルド弦楽四重奏団です。この曲は、実は1999年のプロジェクト・ポリーニのライブを放送したのを聞いている時の大きな謎の曲でした。最初、チューナーが壊れているんではないかと疑ってしまった曲です。本物を聞いてなるほどと納得しました。さっきよりは、ヴァイオリンらしい音がたまには出てくる曲でした。「芸術は、爆発だ〜!」の正反対の曲です。全体を支配する静寂。微細に鳴る最弱音など、極限まで耳を働かせてくれます。しかし脳みそまでガンガン伝わってきます。第5夜のマンゾーニ「影の横糸」でも緻密で繊細と感じましたが、この曲はそれ以上です。アラスカでの釣り紀行の事が書いてある本で読んでいた時に想像できなかった静寂の世界。その本に書いてあったのは、ヘリコプターでポイントとなる湖に送迎してもらうツアーだったそうで、送ってもらって湖に着いて、では後ほどと手を振ってヘリコプターを見送って、そのヘリコプターが去った後、耳の音がうるさくなるほどの静寂が訪れた、というような事が書いてあったのです(確か指揮者の岩城宏之さんのエッセイだったような?)。静寂の世界というと、月の世界とか宇宙空間を想像しますが、そっちの静寂は死の世界。シャリーノの静寂感は自然の息吹が感じられるような静寂。なんとなくそんな事を感じました。
 ポリーニ登場でモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番です。今度は第2ヴァイオリンのバジャーさんが出番無しです。今度は前に3人と1人減ったのでポリーニの指が、ちょっとですが見えます。この曲は大好きです。1999年ライブの録音を、一時期通勤の時でも必ず聞いていた曲ですからもうワクワクです。特に第1楽章は大好きです。ああ、その曲の生演奏です。個人的には興奮の極みです。やっぱり良いですね〜。音楽の大きさがとってもマッチします。なのにその音のやわらかいこと。チェロのフィリッピーニさんの首が左右に動くのがかわいかったです。モーツァルトの息吹がばんばん伝わって来ます。ああ、そうなんだ。シャリーノの後5分ほど間を空けたのは、シャリーノの静寂の直後にこれを聞いたら、相当うるさいモーツァルトに聞こえてしまうのを恐れたんではないか、などと思いました。それにしても、ポリーニのコントロールの見事さ。決して弦を邪魔する事は無いです。第3楽章の出だしの呂律(ろれつ)が回らなくても気にしない気にしない。さてまた第3楽章アンコールです。ワ〜〜イ♪ワ〜〜イ♪。今度は音が抜けましたが気にしない気にしない。サントリーホールを出た時は10時になってました。第5夜の9時40分過ぎでも驚きでしたが、今日は10時。そんな風には全く感じない、あっというまのコンサートでした。今日も本当にありがとう…
 さて、私は11日の語る会には出席できません。ですから一週間の間があっていよいよ来週はリサイタルですね!!
11/07(木) 02:18

人間性を垣間見たひととき 
《zoo》さん

こんばんは、ズーです。

第六夜の演奏は、どれも自分にとっては興味をひかれる曲ばかりでした。
私は現代曲にはくわしくないので、それぞれの音色や奏法の
特徴などをとらえようと聴いていました。

座った席が、1階前方、壁近くでした。
そこから見えたステージ裏でのポリーニの様子を少しだけ・・・

前半の木管五重奏のあと、何回か拍手にこたえてステージに
登場しましたよね。袖に引っ込むたびにポリーニが
奏者の人たちにお辞儀をして労をねぎらっていました。
始めは別の人かな、と思ったのですが間違いなくポリーニでした。

後半、シャリーノの曲が終わって、袖に入ったときは
ポリーニが上着を脱いで、拍手で迎えているのが見えました。
何気ないシーンなのですが、ポリーニのいろいろな人への
気配りがとてもよく目につきます。
当たり前といえばそれまでですが、
こういう人間性にふれる機会がいままはあまりなかったので
嬉しくもあり、心がホッとしました。

こういうシーンは第六夜までですよね。
来週は、待ちに待った講演会と演奏会、とても楽しみです。
11/07(木) 21:39

第7夜ちょっとはらはらしました(1) 
《ホワイティー》さん

しばらく間があきましたので、まとめて感想など。

第6夜、やはり室内楽にはサントリーはでかいですね。でも、まだ割と前の方で聴いたので良かったです。
マエストロが共演者の方々とほんとに楽しそうに音楽を奏でていらしたし、共演者の方々への感謝の気持ちが見ていて良く判り、あらためてお人柄の素晴らしさを感じました。
※第6夜・講演会・第7夜のご感想をまとめて頂きましたが、ここでは1夜ずつ掲載させていただきます。ご了承ください。
11/14(木) 12:14

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