明日も楽しみです(2) 《ホワイティー》さん 第3夜のノーノ(Sofferte onde serene)、舞台に向かって中央から少し左側の座席でしたので、 オペラグラスでマエストロのお姿、指使いと譜面を見ながら聴いていました。 ノーノ自筆・手書き譜の様で何が書いてあるのか良く判らない、また、ページ左半分が空白で途中から書かれているところがあったり(時間的な間なのかと思いましたがそうではありませんでした)、等々、奇妙な楽譜で、少し遠くから見ていたこともあって初めはどこを弾いているのかも判りませんでしたが、ピアノ譜の上下に太く横棒や点線が引いてある様な部分が予め録音されている音の位置を示しているのかな?と思えました。 (間違っていたらごめんなさい。近くでちゃんと見えた方フォローお願いいたします) やはり、こういう現代曲は目の前で見ながら聴いていると楽しいですね。 シェーンベルク合唱団については、紀尾井ならこんな風に聴こえるだろうと想像していたとおりで とても気持ち良かったです。次の第4夜も楽しみです。以前FMで放送された1995年ザルツブルクで演奏された曲目が多く含まれていますが、ホールの力も借りて前回以上の演奏が聴けるのでは、と期待しています。 arpeggio様のおっしゃられたとおり、リサイタル、協奏曲より普段聴くことのできない第2夜〜第6夜の様なプログラムは本当に貴重だと思います。マエストロに感謝・感謝です。では、また。 ※第2・3夜についてのご感想でしたので、前半を(1)として「第2夜」に掲載しました。 10/30(水) 17:29 |
第3夜です 《おじさん》さん あゆみ様。情報をありがとうございます。このボックスCDの特典映像は気になっていました。私は輸入盤で購入したのでこれが無かったのです。会場でこのBOXCD国内盤を売っているので買う事に決めました。そのタラップは是非見てみたいです。 さて、第3夜です。ほんの少し空席がありました。ピアニストの伊藤恵さんがいらっしゃっていましたが、彼女もポリーニファンなのでしょうか! 今日の演奏会は、本当に美しい夕べでした。こんなにスゴイ合唱団だったとは…。録音では分からなかった魅力を十二分に堪能しました。サ行のいわゆる歯擦音の飛び方が、やはり日本の合唱団が歌うのとは全く違い驚きでした。また、ハーモニーが素敵で、特にマレンツィオは、時々、パイプオルガンが鳴っているのではないかと錯覚するほどでした。16日の語る会で、ポリーニがピアノを弾いて、マレンツィオとジェズアルドの魅力を教えてくれた部分も確認出来ました。改めて合唱で聴いてみると、あの時ポリーニが、ピアノで伝えたかった事が良く分かり、また、いかに、曲を知ってあのピアノを弾いていたのか、再認識しました。 1曲目のマレンツィオは50人をちょっと超える(51か2ぐらい)混声、最後のジェズアルドは48人ぐらいの混声。大合唱団と言えるのではないでしょうか。ジェズアルドが微妙に人数が少ない理由は何故なんだろう。とにかく両曲とも精緻で丁寧な発声とハーモニーで、もう、うっとりと曲に浸りました。 2曲目、ノーノの「春が来た」はソロのソプラノと合唱団から女声が6人。超絶的なテクニックの歌が素敵で、これもうっとりと聴く事が出来ました。ノーノにこんなロマンティックな曲が有ったとは… 発見です。合唱のメンバーが、それぞれ音叉を持っていて要所要所で自分の音叉を手で叩きそれを耳に当てています。音程の確認なのでしょうか初めて見る事で驚きましたが、現代音楽では仕方が無いのかもしれません。3曲目のノーノ「ディドーネの合唱」は32人の混声(プログラムによると4声に8人ずつだそうです)とパーカッション6人。主にシンバル、後はタムタム。少し小さいような気がしますが… それとNHK喉自慢のあの合格の鐘を鳴らすあの何ていうのか分からないやつ。合唱団のメンバーが、また音叉を持っています。今度は人数が多いので壮観です。今度は打楽器が入るのでうっとりとは行きません。シンバル等が入ると緊張感が高まってしまう曲でした。一箇所、あの鐘が、玄関のチャイムみたいに鳴るので面白かったです。 さて、ポリーニです。今日は、唯一の登場で「ソッフェルテ・オンデ・セレーネ」です。プログラムに1977年4月にミラノで初演、って書いてあったので、私が日本で聴いた1978年は日本初演だったのですね! 1993年と今回で私が聴くのは3回目になります。スピーカーは、今日は全部で8つもありました(1993年は、舞台の上に確か2つしか無かったような、うろ覚えなので確かではありませんが… 1978年の時のスピーカーは、全く覚えていません!)。2つはスーパーウーハーで舞台上の後ろの方に、2つは天井と舞台のちょうど中間あたりに少し上向きにぶら下がって、後の4つは舞台の左右に高さを変えてセットしてありました。スーパーウーハーが有るので低音も明確で、また、広がりを感じるセッティングだったような気がします。生ピアノとテープピアノの違いがはっきりと分かりました。実は今回がポリーニを生で聴く最小のホールでした。紀尾井ホールは800人ですから… 私が聴いたのは、NHKホール(3677人)東京文化会館(2303人)昭和女子大学人見記念講堂(2300人)名古屋市民会館(2291人)東京厚生年金会館(2062人)サントリーホール(2006人)大阪ザ・シンフォニーホール(1704人)ですから、けた違いに小さいホールです。こんな素敵なホールで聴けるのも貴重なチャンスでした。やはり、音がキラキラしています。サントリー小ホールの囲む会の時に、すぐ目の前で弾いてくれたシュトックハウゼン…ピアノ曲第10の一部分が最高でしたが、短い曲ですが今回は全曲なので耳はダンボ状態です。指も良く見える席でした。21日のバルトークのピアノ協奏曲第1番の時に感じられた、ポリーニの指が鍵盤に吸い付いているような感じ、これは無かったですが、細かい連打音など、実に軽やかに簡単そうに弾くのがはっきりと見てとれました。私はこの曲を、散らばった音の要素が次から次へと出て来るので、何だかまとまりの無い、散文詩のように思っていましたが、今回は、この曲の中から、声の要素が聞こえて構成というのが見えてきたような気がしました。考えてみれば、ノーノの後期の作品は、ほとんど声が入っている曲ばかりなので、当然、この曲にもその要素が入っていると考えても良いと私は思います。そういう風に思うと、21日に聴いたべリオの「アルトラ・ヴォーチェ」のライヴ・エレクトロニクスで聞こえた声が下敷きとなり、ピアノの音源で作られたテープの中から、声と打楽器の要素が聞こえ、その前に、キラキラと輝くような生ピアノの音が現れるてくる、これは新鮮な驚きで発見でした。第2夜を聴いてなかったら、こんな風には聞こえなかったかもしれません。今回のプロジェクトのプログラム・ビルディング恐るべしですね! 10/29(火) 01:28 |