皆様のご意見・ご感想
第1夜

この日は朝10時から公開リハーサルが行なわれ、雨の中、早朝から多くのファンが列を作りました。
リハーサル後には、ポリーニ・プロジェクト/ロンドン交響楽団日本公演の記者会見が開かれました。

Berg 
《ゆうこ@con grazia》さん

すみこさん、いよいよ始まりましたね♪
公開リハーサルでは大好きな「火の鳥」よりもバルトークに心を打たれた私です(ポリーニのネクタイもどことなく "バルトークーッ!" って感じでグーでした〜(^o^ゞ。本番はさらにさらに素晴らしかったことでしょう!

ナミコさん、ベルクの「初期の七つの歌」・・・もしもオーケストラ版がお気に召しましたら、アバド/ウィーンフィル盤も是非!(^o^ゞ。ソリストはオッターです。ノーマンとはまた違った感じかもしれませんが、なかなか味わい深くてお勧めです。何がいいってカップリングの「ワイン」が最高に聴かせます!・・・おっと、スミマセン、ピアノ伴奏のCDを知らなかったものでついつい余談を・・・(^-^ゞ。
※ナミコさんの“ベルク「初期の七つの歌」のCDについてのご質問”への返事です。このご質問そのものとお返事(ホワイティーさん)は、ここでは掲載いたしません。ご了承ください(注―すみこ)。

それではすみこさん、ポリーニの音楽を様々な角度から堪能できる夢プロジェクトを大いに満喫して下さい!

10/24(木) 00:17

第1夜です… 
《おじさん》さん

   いや〜、興奮しました…。第1夜です。すみこ様、皆様、今日はいかがでしたか?
 私が16日に書き込んだモンテヴェルディはマレンツィオの間違えでした。すいません。あゆみ様。私はあのTシャツは着れません。ポリーニなんて誰も知らないっていう時は着るかもしれませんが、そうでない時はちょっとハズカシイです。私は飾っておく事になるでしょう。サインでも貰えたら最高ですが、そのチャンスがこれから有るかもしれないので期間中は持っていく事にしましょう。
 さて、今日、私は9時15分頃に東京文化会館に着いたのですが(渋滞を考えて朝の5時半に家を出たんですがね…)もう長蛇の列でした。開場は9時40分になったと女性の係りの方が言ってます。客席に入るともう舞台のセッティングは終わっていて、オーケストラも位置について、ウォーミングアップなのでしょうか、それぞれ音を出してます。客席の前10列は区切られていて11列目以降に座ってくださいと張り紙がしてあります。10時5分前にちゃんと予ベルが鳴り諸注意のアナウンスもあり演奏会のような感じでしたが、いろいろな人が舞台の上や客席を行ったり来たりして雑然としています。天井から吊るされているマイク、音声収録用のマイクが付いている3メートルぐらいあるでしょうか、水平のバーを長い棒でつっついて居る人が居ます。これは私も経験が有りますがマイクの方向決めです。客席を観察しましたが、500人は優に超えているようです。2階席以上にも少し人が入っているようですが、ほとんどの人は一階席で、ほぼ満席です。TVカメラが何台か居て、今日の演奏会は間違いなく、それもハイビジョンで収録されるようです。舞台の上にも2台。後で分かったんですが無人カメラも一台有って計3台…
 10時ちょうどに、ステージマネージャーでしょうか若い男性が手を上げて合図。オーケストラの音がピタリと止みます。今日の進行の事なのでしょうか団員に向かってしゃべっていますが良く聞こえなくて内容はわかりません。話はすぐに終わりコンサートマスターが立ち上がってチューニングが始まります。オーボエの音からまず管が、続いて弦が…。その最中にブーレーズ登場です。なにげな〜く登場するのでなにか拍子抜けです。ブーレーズとコンサートマスターが打ち合わせをしています。そしてコンサートマスターが弦の団員全員に何かしゃべりました。ボーイングの事でしょうかやっぱり良く聞こえなくて内容はわかりません。「グッドモーニング」というブーレーズの言葉は聞こえました。良く聞こえないのではなく英語が分からないからみたいです。残念…。とにかくそのグッドモーニングでリハーサルは始まったようでした。コンサートマスターが何かブーレーズに話し、いきなり指揮台を客席側にブーレーズ自ら動かしました。ヴァイオリンからは見えにくかったようです。そしたらブーレーズの「TVクルー」という言葉が聞こえてスタッフが指揮台に集まってきます。どうやら指揮台を動かしたので、その時に気がついたんですが、指揮者の目の前に無人カメラがセットされていてそのアングルを気にしているようです。スタッフがカメラの位置決めをしている間、ブーレーズは指揮台の上で静かに成り行きを見ていました。で、10時8分、ブーレーズが指揮を開始する姿になり場内は静寂に包まれました。ブーレーズが手を下ろし、ストラヴィンスキーの「火の鳥」が始まりました。
 これは公開リハーサルですから、リハーサルのプログラムが有る訳でもなく、どんな順番でリハーサルをするのか、なんて、知らないですから(まあ、ピアノが真中ではなく舞台の左に有ったので協奏曲ではない、という事は分かりましたが…)いきなり「火の鳥」が始まったので正直驚きました。それもブーレーズは全くオーケストラを止めません。曲は続きます。途中、第1ヴァイオリンの人がヴァイオリンを落としそうになり、その周辺に笑いが起こった時も、先ほどのマイクの水平バーをつっつく人がブーレーズの後ろに現れてまた水平バーをつっつきだしても(もちろん静か〜にです)、ブーレーズは、ちらりとそっちを見ただけで曲を止めません。途中2回、スラー(?だったと思う)とヴァイオリンの方、後、何かハープの方へ言っただけで全曲最後まで演奏してしまいました。全曲終了は10時53分でした。そこからリハーサルを開始しました。ワルツのリズム感を出したいのでしょうか、ワン・ツー・スリーワン・ツー・スリーとさかんに言いながらリハーサルらしくなってきました。そのリハーサルの最中の11時2分にポリーニが舞台の左袖から現れて客席に座りリハーサルを見ていました。私達が入れない10列内の客席です。ポリーニは11時10分頃まで聴いていてまた舞台袖から左側に戻りました。火の鳥のリハーサルは11時20分頃終了。その後4分ほどの短い曲を2度通して演奏しました。これはアンコールの曲でしたが私は曲名が分かりません。1度目の通し演奏の時、トランペットが一番決め時の良い場所をミスしてその周辺に笑いが起こりましたがブーレーズはやっぱり演奏を止めませんでした。
 11時31分にすべて終了。別のピアノがピアノ用の運搬台に乗って左側から出て来ました。ポリーニがすでに到着している事は分かっているのでいよいよバルトークのピアノ協奏曲第1番だと分かります。例のセンターのカメラのセッティングが難しいようで、今度はピアノの鍵盤を狙うという意図がハッキリと分かりますが、第1ヴァイオリンの譜面台や建てマイクの位置などが邪魔なようで、いろいろなスタッフが集まって色々やってます。コンサートマスターまで呼ばれて第1ヴァイオリン全体の椅子の位置を少し左側に動かして一件落着のようです。11時48分にポリーニが登場。今度は拍手が起こります。それに少しはにかみながらポリーニは答え、そしてピアノに座り弾き出しました。ウォーミングアップです。一緒に出てきた調律のアンジェロ・ファブリーニ氏と話しながらピアノの様子を確認しているようです。コンサートマスターに言われてチューニング開始。音出しはポリーニです。チューニングの最中に再びブーレーズ登場です。チューニングが終わったら直ぐに協奏曲が始まりました。おそらく全曲通して演奏するでしょうから私は集中します。ポリーニがブーレーズに何か伝えようと声を出して、ブーレーズもそれに答えるも演奏は止めないでとにかく曲は続きます。
 CDで聴き慣れている演奏よりは速めのテンポです。突き進みます。ちょっとピアノの音が遠くて聴きとりにくい所もあります。まだ耳が慣れていないのと、とにかくフルオーケストラですから、さすがのポリーニでもオケに負けているというか、でも、ピアノが鳴っているのは分かります。  (すいません。少し遅い時間になってしまったので、続く…という事で…)
10/22(火) 00:35

Re:第1夜 
《ホワイティー》さん

10/21は公開リハと夜の演奏会、とても堪能しました。
リハは全曲を流して演奏して、まずかった部分をつまんで手直しするやり方でしたので、
リハのみに参加した方は、ほぼ演奏会1回分をただで聴くことができてラッキー!と感じたことでしょうね?
でも、本番ではリハでうまくいかなかったところが見事に修正されていましたし、(たとえば協奏曲の最後の部分)
演奏者の緊張感、というか気合がやはりリハとは別物でした(リハはのんびりムードが感じられました)ので
リハと本番の両方を聴くことができて、とても幸せでした。

なお、アンコールの時、ブーレーズさんは「Stravinsky の Fireworks」としゃべっていらっしゃいました。
第1ヴァイオリンの譜面にはドイツ語で「FEUER WERKE(メモしてないので単数のWERKかも?)」と書かれてありました。
音友のレコード・カタログでは 幻想曲「花火」Op.4 となっています。ご参考まで。

> それから、この10月21日の演奏会は、
> 2003年1月5日、NHK教育TV「芸術劇場」(22:00〜)
> にて放映予定、とのことです(梶本HPの情報です)

今回も HDカメラによる収録でしたので将来的には、地上波、BS、ハイビジョンで都合3回楽しめそうです。
(98年のベートヴェンのソナタの時は、ハイビジョン、地上波、BS の順番で放映されたと思います。)
ゴーストが無く音も良い BS、ハイビジョンでの放映、待ち遠しいですね。では、また。

10/23(水) 12:37

続、第1夜… 
《おじさん》さん

  ホワイティー様、情報をどうもありがとうございます。これでアンコールの曲も分かりすっきりしました。もう、あっという間に第2夜の当日になってしまいました。第1夜の余韻がまだまだ残っているうちに、このレポートの区切りをつけようと思います。

   前回のレポートの最後は、もうバルトークの協奏曲が始まっていますが、少し時間を戻します。ポリーニが楽譜を持って登場して来た事を書くのを忘れていました。

   チューニング中に、おそらく音楽事務所の方だと思われる方が、ピアノの脇にイスを持って来てポリーニに話しかけます。ポリーニが振り返り一言二言。通常だと譜面台が付いてる場所に無造作に楽譜を置いてあったのをイスの上にどうぞ、だという事が、見ている私にも分かりました。ポリーニは楽譜をイスの上に置き、さあ、とピアノに向かったと思ったら今度は上着を脱ぎ出し、その上着をイスの背もたれに掛けようとしました。先ほどの方が手伝って上着を掛け、いよいよです。11時53分に曲は始まりました。
 普段CDで聴いている時は、オーケストラやピアノの大きさを感じる事は少ないのですが、実際は一番右のコントラバスから一番左の第1ヴァイオリンの最後尾まで30mほどでしょうか、とにかく舞台の左右いっぱいです。その中ほどにちょこんとピアノが置いてある感じです。そのピアノから舞台の一番後ろのシンバルまでも10mほどはあるでしょう。そんな広がりから聴きなれた曲が聞こえてくるのは不思議な感じです。最初はピアノの音が小さいな、と思いましたが、その内、これはピアノとオーケストラのための曲だという当たり前の事が実感出来るようになって来ました。ピアノはオーケストラの中に、時には混じり、時には交じり、時にはソロを受け持ち、曲が進んでいきます。第1楽章が終わった時に、ポリーニはブーレーズの所に行こうとする様子を見せましたが、思い直したのか、第2楽章が始まります。最初は打楽器とピアノだけですが、ピアノと打楽器までは遠いので、細かく言えばアンサンブルは密では無い演奏ですが、オーケストラの一員である打楽器とピアノ、という風に思えば、なかなか緊張感のあるアンサンブルだと思います。私がこの曲を聴く時に注目する、三拍子のリズムをピアノが刻みながら管のソロが入って来る場所に来ました。この場所のポリーニのCDは、ピアノのリズム感と言いクレッシェンド感と言い、何時も感心させられる所なのですが、実際生で聴くと、もう鳥肌が立ってしまいました。ピンっと一本の緊張がずっと維持されて曲は続いて行きます。堂々とした音楽の圧力を感じます。その上に第3楽章が始まります。その堂々とした土台の上に今度は迫力を乗せて圧倒的な音楽です。これが音楽なのでしょうか…
 12時16分に曲は終わりました。ポリーニとブーレーズの短いやり取りの後、曲を始めるための番号をブーレーズが言います。それをポリーニは楽譜で確認して第3楽章の最後の方が始まります。それが終わった後,客席に座っていたクライヴ・ギリンソン氏(ロンドン交響楽団専務理事)が何かしゃべりながら舞台へ近寄ります。コンサートマスター・ポリーニ・ブーレーズがその話を聞いてます。しばらくその4者会談が行われました。見ていると、ここは日本では無いような、不思議な錯覚に包まれました。どんな話が交わされたのでしょう、非常に興味がありますが分かりません。とにかくリハーサルは続きます。ポリーニがブーレーズの脇に行く事が多くなって来ました。二人で打ち合わせをして、ポリーニがピアノに戻り、ブーレーズが番号を言って、それをポリーニが楽譜で確認して、そして演奏が始まります。一度、ポリーニがブーレーズに何か言って、それをオーケストラのメンバーにブーレーズが話す時がありました。管の人、シンバルの人、その話しに答える団員の声がハッキリと聞こえます。おそらく第2楽章の事でしょう。第1楽章も演奏しました。どうやら後ろから前に戻っているようです。その使う時間の量が、この曲を重要視するバランスではないでしょうか。おそらくポリーニは、第3楽章にどちらかというとバランス置いているような気がします。12時半ちょうど、ポリーニがブーレーズの脇で何かを団員にしゃべったのでしょう、その付近の団員から歓声が起こりました。何をしゃべったのでしょうか。その歓声がリハーサルの終了の合図でした。管や打楽器は、これで出番は終わりですから引き上げていきます。しかし、ポリーニとブーレーズは引き続き打ち合わせをしています。舞台では、ブーレーズ作曲「弦楽のための本」のリハーサルの準備が始まってますが、時々ポリーニがピアノに戻ってピアノをちょっと弾くので、ピアノは片付けられないようです。しかしそれも終わりました。ポリーニ退場です。12時33分です。客席から拍手が起こりました。また、はにかむようにそれに答えながらポリーニは下がって行きました。本格的に舞台の準備が始まります。客席も大部分の人は帰るようで雑然とした雰囲気になりましたが12時36分にはもうオーケストラのチューニングが始まりました。12時38分に演奏開始。直後にまたポリーニが現れて客席に座りリハーサルの様子を見ています。演奏が終了したのが48分。同じようにリハーサルが開始され13時ちょうどにリハーサルはすべて終了しました。あとは本番を待つだけです。ポリーニはこの後記者会見があるようなので、まだまだ大変です。
 そして本番の演奏です。本番では、これが同じオーケストラなの?? ていうぐらい別ものでした。音の響き・輝き・滑らかさ・ダイナミックレンジどれ一つとっても全然違う鳴りです。ポリーニは、ピアノが無い時など、曲の起伏に合わせ、まるで自分が全てのオーケストラを鳴らしているかのように、イスの上でリアクションする姿が見れました。いったいリハーサルの演奏は何だったのでしょう。本番の演奏を聴いていると、やはりリハーサルでは、頭の中でああしようこうしようと考えながら演奏しているのが分かりました。今の所は後でもう一度、とか、おっと今のはバランスが変だぞ、とか、おや、ピアノが走ってしまった、などなど。しかし本番では、もう全身全霊を込めて音楽に奉仕する姿だけ。そこから生まれてくる音楽の何と圧倒的な力。もう何もかも忘れてしまう至福の時間が過ぎ去って行きました。もう感動を通り越して興奮の極致まで行ってしまいました。
 (うわ、全くまとまりませんが、これから第2夜に行かないと…。では、この辺で失礼します。)

10/25(金) 15:33

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